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 【link】

「ロシア・ソ連海軍」:ウラジオストク近影(2008年2月14日)

「ロシア・ソ連海軍」:セーヴェルナヤ・ヴェルフィ(その2)

「ロシア・ソ連海軍」:パヴロフスキー湾(その3)


 【質問】
 「N.G.クズネツォフ名称記念海軍アカデミー」とは?

 【回答】
 〔略〕
 海軍アカデミー
(Военно-Морской академии им. Н.Г.Кузнецова)
は,海軍大学校に相当する学校であり,日本自衛隊で言えば,指揮幕僚過程に相当します.

 海軍アカデミー卒業生(学生)は,
大尉(Капитан-лейтенант),
3等海佐(Капитан 3го ранга),
2等海佐(Капитан 2го ранга)
といった中堅クラスです.

 2008/6/21の卒業生の中に,女性士官も1人居ますが,階級は大尉(Капитан-лейтенант)のようです.

 ちなみに,海軍総司令官ヴィソツキー海軍大将は,1990年にN.G.クズネツォフ名称記念海軍アカデミーを卒業しています.



Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/7/8(火) 午後 7:18


 【質問】
 アドミラルティ造船所について教えられたし.

 【回答】
 サンクトペテルブルク市にあるアドミラルティ造船所(АдмиралтейскихВерфей)は,1704年創業の,ロシアで最も古い造船所です.
 会社名も頻繁に変わっており,ソ連邦成立以降だけでも,これだけ改名しています.

1926年:「A.マルチィ(А.Марти)名称記念レニングラード造船所」
1931年:「スドメフ(Судомех)造船所」
1937年:「第194造船所」及び「第196造船所」に分割
1957年:「アドミラルティ工廠」
1966年:「新アドミラルティ工廠」
1972年:「レニングラード・アドミラルティ造船会社」
1992年:「SEアドミラルティ造船所」
2001年:「FSUEアドミラルティ造船所」

 641(フォックストロット)型潜水艦などを建造した「スドメフ造船所」は,アドミラルティ造船所の一部門だったのです.
 アドミラルティから半独立状態となった「スドメフ(第196造船所)」は,主にディーゼル潜水艦を建造するようになりました.

 一方の「アドミラルティ(第194造船所)」は,引き続き水上戦闘艦艇を建造し,1938年11月には3万トン級の重巡洋艦(巡洋戦艦)「クロンシュタット」を起工しました.
(ただし,1940年10月に建造は中止され,未完成に終わった)

 原子力潜水艦が実用化されると,「アドミラルティ」は攻撃型原潜の建造も手掛けるようになり,ソ連原潜艦隊のワークホースとなった671(ヴィクター)型シリーズの攻撃原潜や,チタン製船体に液体金属冷却式原子炉が特徴の高速原潜705(アルファ)型などを建造しました.
 原子力潜水艦以外にも,大型の各種特務艦船を建造しました.

 一方の「スドメフ」は,引き続きディーゼル潜水艦を建造しておりました.
 1960年代を中心に大量建造され,1984年にキューバへ引き渡された最終艦で建造を終えた641型潜水艦が,「スドメフ」としての最後の仕事でした.

 1980年代,「スドメフ」は「アドミラルティ」に再統合され,外国向けの877(キロ)型潜水艦を建造しました.

 ソ連邦解体後,原子力潜水艦の建造は途絶え,軍用艦艇は外国向けの877型潜水艦を建造するだけでした.
 1990年代には,イランと中国が,新たな877型潜水艦のカスタマーになりました.

 ロシア海軍向けの艦艇の建造は1990年代末に再開され,1997年,新設計の677型潜水艦「サンクトペテルブルク」が起工されました.
 同艦は既に完成しているようですが,まだ正式にロシア海軍には引き渡されていないようです.
 続いて2番艦,3番艦も建造中であり,ロシア海軍向けだけでも,9隻以上の建造が見込まれています.

 アドミラルティは,この677型系列の「アムール」型を海外にも売り込んでおり,インドネシアが購入の意向を示しました.
 実現すれば,最初の海外売却になります.

 877型シリーズは,改良型の636型が中国に輸出されておりますが,以前に877型2隻を購入したアルジェリアが,636型に興味を示しているようです.

 現在,アドミラルティ造船所は,
7万トン級大型乾ドック2ヶ所(開放型)
100メートル級乾ドック2ヶ所(有蓋型),
120メートル級乾ドック5ヶ所(有蓋型),
浮きドック「ルーガ」(6,000t),
「SPD-2M」(2,000t)から成る造船設備を有しております.

2枚目:造船所全景


4枚目:浮きドック「ルーガ」


5枚目:浮きドック「SPD-2M」

 【関連リンク】
 アドミラリティ造船所公式サイト

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/1/30(火)午後10:46


 【質問】
 アムール造船所について教えてください.

 【回答】
 極東地域コムソモリスク・ナ・アムーレ市にあるアムール造船所(第199造船所)は,ソヴィエト連邦時代には「ザヴォート・イメーニ・レニンスコーガ・コムソモーラ」(レーニン共産党青年団記念工廠)という名前でした.

 1932年創業.
 大祖国戦争時には,太平洋艦隊向けの巡洋艦や駆逐艦,護衛艦などを建造し,1944年には18cm砲9門の巡洋艦「ガガノヴィッチ」「カリーニン」(マキシム・ゴーリキー級)を竣工させた.

 1950年代からは専ら潜水艦のみを建造するようになり,
629(ゴルフ)型戦略ディーゼル潜水艦
659(エコーI),
675(エコーII)型巡航ミサイル原子力潜水艦,
667A(ヤンキー)型戦略原子力潜水艦
671RTM(ヴィクターIII)型多用途原子力潜水艦
などといった艦が建造された.
 690(ブラヴォー)型訓練潜水艦と940(インディア)型救難潜水艦はレニンスキー・コムソモール工廠のみで建造された.

 1980年代には,ディーゼル潜水艦877(キロ)型,多用途原子力潜水艦971(アクラ)型を建造した.
 ソ連海軍は,当初,チタン製原子力潜水艦945(シエラ)型をレニンスキー・コムソモール工廠にも建造させようとしたが,同工廠ではチタンの加工が出来なかった為に取りやめとなり,代わりに,945型を鋼製化した971型原潜を発注した.

 ソ連邦解体後は,他の造船所と同様,海軍用艦艇の建造は激減した.
 ロシア連邦となってからも,877型と971型を細々と建造していたが,それも1990年代半ばでストップした.
 971型原子力潜水艦のうち,K-519(?)「カバン」(КаБан,猪)は建造途中で解体,
 K-157「ネルパ」も工事がストップしたが,プーチン政権になってから工事が再開された.
 しかし竣工の目処は立たず,ついには残りの建造費をインドが援助.竣工後はインドにリースされる事になり,2006年7月4日にようやく進水した.

 ロシア海軍からの受注も久しく途絶えていたが,2006年6月30日,新型コルベット「ステレグシュチィ」級の4番艦「ソヴエルシュンヌイ」がアムール造船所で起工された.

アムール造船所

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜,2006/12/28(木)午後6:23


 【質問】
 サンクトペテルブルク市のアルマーズ造船所について教えてください.

 【回答】
 以前はペトロフスキー造船所(第5造船所)と呼ばれておりました.

 公式サイトはこちら.
http://www.almaz.spb.ru/

 1721年創業のロシアでは古参の造船所です.

 主に小型の艦艇を専門に建造して来たが,対艦ミサイルが実用化されると,205(オーサ)型,206MR(マトカ)型,1234(ナヌチュカ)型,1241(タランタル)型といった高速ミサイル艇を建造するようになった.

 最近では,ロシア海軍用の新型砲艦・プロジェクト21630「アストラハン」級を建造する一方,エアクッション揚陸艦「ズーブル」型の輸出にも力を入れており,既にギリシャへ4隻が引き渡され,2006年には中国向けに6隻建造する事が決まった.

[写真の解説]
1枚目:造船所周辺(ペトロフスキー島)
2枚目:造船所全景
3枚目:造船所南部
4枚目:艤装中の「ズーブル」型エアクッション揚陸艦

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜


 【質問】
 ウラ・グバ基地について教えられたし.

 【回答】
 ウラ・グバ Ura-Guba は,ムルマンスクの北西に位置する港で,かつてはロシア海軍の基地として使われていました.

 見ての通り,非常に寂しい場所ですが,1990年代,同港には,ロシア唯一の空母「アドミラル・クズネツォフ」が駐留しておりました.

――――――
『世界の艦船』2005年5月号・ソ連/ロシア空母建造秘話<最終回より

 1996〜1999年,北洋艦隊のウラグバ基地に停泊するクズネツォフは,重い病に冒され苦しみつつも生きることを諦めていない入院患者であった.
 当時のクズネツォフの将校は
「燃料もすでに底を尽き,乗員は寒さに震えていた.
 当然発電機も止まり,内部は暗く,酷い匂いが充満していた.
 給料も配給もない乗員たちは,金や銀など貴金属を使用している部品を勝手に解体し,闇市で叩き売っていた.
 蒸気パイプはほとんどが破裂,設備の70パーセント以上が故障していた.
 24機配備されたSu-33のうち,稼働状態にあるのはわずか7機だった.
 海軍の誇りであるはずのクズネツォフは,もはや汚辱にまみれた海軍の象徴でしかなかった」
と回想する.

――――――

 さすがに今は,もうアドミラル・クズネツォフは駐留しておらず,除籍された675MKV(エコーII)型ミサイル原子力潜水艦B-1が係留されているのみで,もはや軍港としては使われていないようです.

1枚目:ウラグバ基地周辺


2枚目:ウラグバ基地全景


3枚目:ウラグバ港

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/12/23/14:10

 原潜基地アラ・グバ(AraGuba)と,ウラ・グバを合わせて,「ヴィジャエヴォ」基地と呼ばれる事も有ります.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/12/28(金) 午後 5:30


 【質問】
 オレーニヤ湾基地について教えられたし.

 【回答】
 ロシア海軍北方艦隊基地オレーニヤ湾
Губа Оленья
は,ガジャーヴォ基地の南方に位置しています.

 ロシア海軍では,
Атомных подводных станций(原子力水中ステーション)
Атомная Подводная Лодка Специального Назначения(特殊任務原子力潜水艦)
に類別されている,特務原子力潜水艦の基地です.

 この画像〔都合により割愛〕では
・プロジェクト1910原子力水中ステーション(ユニフォーム型)Проект-1910
・プロジェクト09786特殊任務原子力潜水艦(デルタストレッチ型)KS-129「オレンブルク」
(Проект-09786 КС-129"Оренбург")
・プロジェクト1124M(グリシャV型) Проект-1124-М
が停泊しています.

 これらの艦は,特務原潜が,第29独立潜水艦旅団
29-я отдельная бригада подводных лодок
プロジェクト1124Mが,第270小型対潜艦大隊
270-й гвардейский дивизион малых противолодочных кораблей
に所属しています.

 KS-129「オレンブルク」は,デルタIII型(667BDR)戦略原子力潜水艦K-129として就役しましたが,1994年5月からズヴェズドーチカ工廠で「09786」改装を受け,特殊任務原子力潜水艦KS-129に変身しました.

 戦略原潜を改造した「特殊任務原子力潜水艦」は,KS-129の他,ヤンキー型を改造したKS-403,BS-411が有りましたが,退役しました.

 現在,デルタIV型戦略原潜K-64が,ズヴェズドーチカ工廠で「特殊任務原子力潜水艦」への改造工事中です.

(2007年6月15日の状態)
1枚目:オレーニヤ周辺


2枚目:オレーニヤ全景


3枚目:艦艇停泊地

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/6/30(月) 午後 5:12


 【質問】
 ザヴォート「クラスノエ・ソルモヴォ」(第112造船所)について教えてください.

 【回答】
 ロシア内陸部ニジーニー・ノヴゴロド市に有る,1849年創業の老舗の造船所です.
 大祖国戦争後,潜水艦が専門となり,原子力潜水艦からディーゼル潜水艦まで幅広く建造した.
 1953年,同造船所内に,潜水艦設計のラズリート設計局(第112特別設計局)が設立され,ラズリートが設計した艦を造船所で建造するという体制が出来上がった.
 ラズリート設計局が設計した艦は,チャーリー型のコード名で知られる670型巡航ミサイル原潜,シエラ型のコード名で知られる945型多用途原潜などが有り,これらの艦は,クラスノエ・ソルモヴォだけで建造された.

 945型は,当初,クラスノエ・ソルモヴォの他に,極東のアムール造船所でも建造する予定だったが,同型はチタン製原潜であり,アムール造船所にはチタン加工技術が無かった為,チタン加工技術を持っていたクラスノエ・ソルモヴォだけで建造された.
 この件からも,クラスノエ・ソルモヴォの技術力の高さが伺える.

 北方艦隊と黒海艦隊に配備された641B(タンゴ)型ディーゼル潜水艦も,全艦クラスノエ・ソルモヴォで建造された.
(設計はルビーン海洋工学中央設計局)

 641B型の後継の877(キロ)型ディーゼル潜水艦のうち,北方艦隊,黒海艦隊,バルト艦隊用の艦は全てクラスノエ・ソルモヴォで建造された.

 ソ連邦解体後は,潜水艦の建造は殆どストップし,最後の原子力潜水艦B-336(945A型)は,1993年12月に艤装岸壁を離れた.
 もう1隻の原潜B-536は,完成度30パーセントで建造は中止され,解体された.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜


 【質問】
 クロンシュタット軍港について教えられたし.

 【回答】
 コトリン島КотлинのクロンシュタットКронштадтは,中世にはスウェーデン領でしたが,1703年,ロシア帝国軍が占領し,サンクト・ペテルブルク市を防衛する為に要塞化されました.
 以後,200年以上に渡り,ロシア海軍バルト艦隊の主要基地として使用されました.

 大祖国戦争(ソ独戦争)後,ソ連はドイツ領の東プロイセンを得てカリーニングラードと改名.
 以後,バルト艦隊の主力は,同地のバルチースク軍港に移され,クロンシュタットは,後方基地として使われるようになりました.

 画像で見ると,艦艇の整備や修理を行う乾ドックが5ヶ所あり,軍港(後方基地)としての設備は充実しております.

 現在,クロンシュタットには,潜水艦大隊や沿岸警備旅団などが駐留しております.

 画像では,現役艦の877(キロ)型ディーゼル潜水艦1隻が停泊しているのが見えます.

 この他,退役した641(フォックストロット)型ディーゼル潜水艦2隻が係留されており,ドックで解体中の641型潜水艦1隻も見えます.

 潜水艦以外では,第105沿岸警備旅団所属のプロジェクト133.1(パルヒムII型)小型対潜艦3隻とプロジェクト265(ソーニャ)型港湾掃海艇2隻が見えます.

 現在,クロンシュタットを母港とする133.1型は,
MPK-99「ゼレノドルスク」(308),
MPK-192(304),
MPK-205「カザネッツ」(311)
の3隻なので,これらが全て揃っている事になります.

 【関連リンク】
クロンシュタット(コトリン島)公式サイト

2枚目:クロンシュタット全景


3枚目:東端にある3ヶ所の乾ドック


4枚目:中央部にある乾ドック

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/6/11(月) 午後 6:44


 【質問】
 サンクトペテルブルク北方造船所について教えてください.

 【回答】
 バルト海に面したサンクト・ペテルブルク市に有るセーヴェルナヤ・ヴェルフィ(第190造船所)は,ソ連邦時代には「ジュダーノフ名称記念レニングラード造船工場」という名前でした.
 一般には「サンクトペテルブルク北方造船所」と呼ばれる方が多いようです.

 主に駆逐艦クラスの水上戦闘艦艇の建造を建造してきた造船所.
 1960年代以降,世界の海軍の中でいち早くガスタービン推進に移行したソ連邦において,ジュダーノフは,
58(キンダ)型巡洋艦,
1134(クレスタI)型巡洋艦,
1134A(クレスタII)型大型対潜艦
といった蒸気タービン推進艦の建造を継続し,1980年代にも,956型(ソヴレメンヌイ級)駆逐艦を大量に建造した.
 この背景には,当時のソ連邦において,蒸気タービン推進艦艇の建造を全面停止すれば,蒸気タービン製造工場の遊休化と,ガスタービン機関の不足を招く恐れが有った事が挙げられる.

 その一方で,
1135(クリヴァク)型警備艦,
1155型(ウダロイ級)大型対潜艦
といったガスタービン推進艦も少数建造した.

 ソ連邦解体後も,引き続き956型駆逐艦の建造を行ったが,ロシア海軍向けの艦の建造は1994年で終了,
 以後は,中国海軍向けに4隻を建造した.最後の艦が完成したのは2006年であった.
 これは,ソ連邦時代から続いて来た蒸気タービン推進水上艦艇の建造に終止符を打つ事を意味していた.

 ソヴィエト連邦が解体されてロシア連邦になってから約10年後の2001年末からは,ロシア海軍向けの新型コルベット・22380型「ステレグシュチィ」級の建造を開始.
 2006年初頭には,新型フリゲート22350型「アドミラル・ゴルシコフ」級の建造を開始した.

 現在のところ,ロシア海軍用の新型水上艦艇の新規建造は,ほぼセーヴェルナヤ・ヴェルフィが独占している.

 セーヴェルナヤ・ヴェルフィで建造中のロシア海軍向け艦艇は以下の通り.

・警備艦「ステレグシュチィ(22380型,2008年就役予定)
・警備艦「ソーブラジテルヌイ」(22380型)
・警備艦「ボイキィ」(22380型)
・警備艦「ストイキィ」(22380型)
・フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(22350型,2009年就役予定)

サンクトペテルブルク北方造船所全景

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜


 【質問】
 セヴァストポリ基地について教えてください.

 【回答】
 ロシア黒海艦隊の主要基地セヴァストポリSevastopolは,帝政ロシア時代より,ロシア黒海艦隊の基地として使用され続けてきましたが,1991年12月のソ連邦解体により,ウクライナは独立.当然,セヴァストポリ市もウクライナ領になりました.

 ロシア海軍は,引き続きセヴァストポリ港の使用を望みましたが,独立したばかりのウクライナは鼻息も荒く,ロシア海軍を追い出そうとし,これがロシア側の態度を硬化させる事になり,「黒海艦隊問題」は一時期,暗礁に乗り上げたかに見えました.

 その後もロシアとウクライナの交渉は続けられ,1997年5月にロシア・ウクライナ間で締結された協定により,ロシアは,今後20年間(つまり2017年まで)セヴァストポリを使用できる事になりました.

 現在,この使用期間を延長するか否かでロシア・ウクライナの折衝が続けられております.
 ロシアは延長したいようですが,ウクライナは,期間延長には否定的です.

 インターファクスの12月14日の報道によると,ウクライナ大統領ヴィクトル・ユーシチェンコは,
「ロシア黒海艦隊は,ウクライナ・ロシアの協定により,2017年までクリミア半島に留まるだろう」
と繰り返し発言した,との事です.
 つまり,それ以降は,クリミア半島には留まらない,留まる事は認めない,という意味でしょう.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜,2007/1/2

 【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍」:ロシア黒海艦隊は,2017年5月28日までにウクライナを退去しなければならない


 【質問】
 セヴェロドヴィンスク市に有る船舶修理企業「ズヴェズドチカ」について教えてください.

 【回答】
 公式サイトはこちら.
http://www.star.ru/

 「セヴマシュ・プレドプリャーチェ(北方機械製造会社)」の対岸に位置しており,セヴマシュとはまったく別の会社です.

 創業は1955年で,セヴマシュとは違い,原子力潜水艦を初めとする各種艦艇の整備や修理,改修を専門にしており,艦艇の新規建造は行っていません.

 この他,旧ソ連邦の除籍原子力潜水艦の解体も手掛けており,史上最大の潜水艦である941(タイフーン)型戦略原潜も,同地で解体されます.

 潜水艦以外では,旧ソ連が建造した「戦後最大の水上戦闘艦」原子力巡洋艦「キーロフ」(1980年就役)も,1990年代末頃に同地に回航され,当初は修理するつもりだったようですが断念され,除籍されたようです.

ズヴェズドチカ

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜


 【質問】
 セヴェロドヴィンスク造船所について教えてください.

 【回答】
 白海に面したセヴェロドヴィンスク市に有るセヴマシュ・プレドプリャーチェ(第402造船所)
 「北方機械製造会社」という意味です.
 一般には「セヴェロドヴィンスク造船所」と呼ばれております.

 公式サイトも有ります.
http://www.sevmash.ru/

 1930年代前半,スターリンの海軍拡張計画の一環として建設され,1939年創業.
(それまで北洋方面には造船所が無かった)

 初仕事は,6万トン級の超大型戦艦「ソヴィエツカヤ・ベロルシヤ」の建造.
 翌1940年には,同型艦「ソヴィエツカヤ・ロシア」も起工するが,2隻とも1940年末に工事中止となった.

 大祖国戦争終了後,1950年代後半以降は,原子力潜水艦のみを専門に建造するようになり,ソ連初の原子力潜水艦「レニンスキー・コムソモール」を初めとして数々のソ連原潜を船台から送り出し,1980年代には,超大型原子力潜水艦941型(タイフーン型)を建造するに至った.

 ソ連邦解体後,原潜の建造は激減し,軍以外の仕事も請け負うようになった.
 1990年代末期以降は,原子力潜水艦だけではなく,大型水上艦の改造工事も手掛けるようになり,インドに売却される航空巡洋艦アドミラル・ゴルシコフを「正規空母」に変身させる大規模改造工事や,ロシア海軍の原子力巡洋艦「アドミラル・ナヒモフ」の近代化改装などを手掛けている.

 むろん「十八番」の原子力潜水艦の新規建造も細々と継続しており,ロシア海軍の新型原潜2タイプ(ボレイ型,ヤーセン型)は,全てセヴマシュで建造されている.

 現在,セヴマシュにおいては,以下の艦艇が建造されている.
・戦略原潜ユーリー・ドルゴルキィ(ボレイ型,2007年就役予定)
・戦略原潜アレクサンドル・ネフスキー(ボレイ型)
・戦略原潜ウラジミール・モノマーフ(ボレイ型)
・多用途原潜セヴェロドヴィンスク(ヤーセン型,2008年就役予定?)
・巡航ミサイル原潜ベルゴロド(オスカーII型,80パーセント完成,工事中止?)
・多用途原潜クーグアル(アクラ型,竣工後はインドにリース予定)

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜

 ▼2007/8/1,「セヴマシュ・プレドプリャーチェ」総代表は交代しました.
 ヴィクラマーディティヤ工事遅延が主な原因のようです.

【セヴマシュ・プレドプリャーチェは,新たな指導者が先頭に立つ】
モスクワ,8月1日(イタル・タス)


 ロシアの重要な造船企業セヴマシュ・プレドプリャーチェは,新たな指導者が先頭に立つ.
 同社は本日,アルムス・タスに対し,長い間,総代表を勤めてきたウラジーミル・パスツーホフの代わりとして,数日以内にFGUP「ズヴェズドチカ」総代表ニコライ・カリストラトフの就任が予定されていると伝えた.

 セヴマシュの新たな総代表の任命については,いくつかの理由がある.
 その中の一つは,近い将来,幾つかの造船企業が結合した「合同造船株式会社(OSK)」として発足する「北方修理・造船会社」――これは,3つの大きなロシア造船業の中心の一つとなる――は,一流国内企業の1つであるセヴマシュによる管理強化が必要な為である.

 総代表の交代に影響を及ぼした最も大きな理由は,セヴマシュが,重航空巡洋艦アドミラル・ゴルシコフを元にしたインド航空母艦ヴィクラマーディティヤの改造工事の契約期間の履行を遅らせた事にある.
「インド航空母艦の設計に基付く造船企業の各部署の管理は,非常に注意深く行う必要がある.
 国内造船業の状態の全体の複雑さにも関わらず,企業の協同を再構築する事が可能ならば,この複雑な問題を解決することができる」
と相手は指摘した.
「再構築された協同によって,インド海軍の航空母艦と,ロシア海軍の為の重航空母艦を建造できる事は,完全に明らかである」
と彼は強調した.

[/quote]

セヴマシュ・プレドプリャーチェ

ズヴェズドチカ

 近い将来,この両社は統合されるようです.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/8/5(日) 午後 7:47

 【関連リンク】

「ロシア・ソ連海軍」:プーチン議長,セヴマシュを視察


 【質問】
 わけあって,セヴェロドヴィンスクの第402造船所について調べています.
『1950年代後半以降は,原子力潜水艦のみを専門に建造するようになり』
とのことですが,よろしかったら,そのソースを教えていただけないでしょうか?
 特に1980年に最初のタイフーン級原子力潜水艦が建造された当時の様子が知りたいのです.

 【回答】
 今回は,1980年当時のセヴマシュ(第402造船所)の様子について,出来る限り書いていこうと思います.

 ソ連海軍原子力潜水艦の建造記録を調べると,1980年,第402造船所(セヴマシュ)では,以下のような動きがありました.

 この当時,第402造船所では,
667BDR(デルタIII)型戦略原潜,
949(オスカーI)型ミサイル原潜,
941(タイフーン)型重戦略原潜
の3タイプが並行建造されていました.

・1月8日:戦略原潜K-180(667BDR型)進水
・1月31日:戦略原潜K-44(667BDR型)起工
・4月19日:重戦略原潜TK-12(941型)起工
・5月3日:ミサイル原潜K-525(949型)進水
・6月20日:戦略原潜K-433(667BDR型)進水
・9月25日:戦略原潜K-180,ソ連海軍へ引渡し
・12月15日:戦略原潜K-433,ソ連海軍へ引渡し
・12月30日:ミサイル原潜K-525,ソ連海軍へ引渡し

 というわけで,原子力潜水艦2隻を起工,3隻が進水,3隻を海軍へ引渡しております.

 この他にも,
949型ミサイル原潜K-206(1979年起工),
941型重戦略原潜TK-208(1976年起工),
TK-202(1978年起工)
が船台上で建造中でした.

 つまりこの年(1980年),第402造船所の船台では,常時5隻程度の原子力潜水艦が同時に建造されていたわけです.
 4月末までは,7隻の原子力潜水艦が船台上で同時に建造されていた事になります.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/10/1(月) 午後 9:46


 【質問】
 「セヴモルプート」について教えられたし.

 【回答】
 艦船修理工場「セヴモルプート」(第35船舶修理工廠)は,ムルマンスク市の北端に位置し,北方艦隊の水上艦艇や潜水艦の整備及び修理を行っております.

 工廠の北端に,ロシア海軍唯一の「空母」クズネツォフの姿も見えます(下画像).
 「セヴモルプート」には乾ドックが2ヶ所有りますが,御覧の通り,クズネツォフが入渠出来るサイズではありません.

 クズネツォフが入渠可能な浮きドックは,ここから南東のロスリャコヴォ工廠に有ります.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/2898851.html

 クズネツォフは,2000年代初頭にロスリャコヴォ工廠の浮きドックに入って長期修理を受けましたが,その後,セヴモルプートに回航して最終調整を行ったようです.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/2/1(木)午後9:09


 【質問】
 「ダーリ・ザヴォート」工廠について教えられたし.

 【回答】
 ウラジオストク港内の金角湾の奥地(東側).「カラベーリナヤ海岸通り」沿いには,艦艇修理工廠「ダーリ・ザヴォート」が在ります.

 太平洋艦隊旗艦でもあるミサイル巡洋艦ワリャーグ(スラヴァ級)の姿も見えます.
 同艦は,2006年春以降,ここで長期オーバーホールが行われています.

 ダーリ・ザヴォートには,乾ドックが2ヶ所ありますが,入渠できる艦艇は,せいぜい2万トン以下のようです.
 ソ連邦時代の太平洋艦隊に配備されていたVSTOL空母ミンスク,ノヴォロシースクは,ダーリ・ザヴォートの乾ドックには入渠できませんでした.

 ダーリ・ザヴォートは,以前は「第202造船所」と呼ばれ,艦艇の新規建造も手掛けておりましたが,大祖国戦争後は,艦艇の整備や修理,改修だけを行うようになりました.

・1枚目:ダーリ・ザヴォート全景


・2枚目:工廠西部

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/10/12(金) 午後 10:25


 【質問】
 黒海艦隊のウクライナからの移転準備は,どこまで進んでいるのか?

 【回答】
ロシア海軍総司令官は,2012年までに新たな黒海艦隊の基地が完成すると発言した
ノヴォロシスク,2007年7月11日(RIAノーボスチ)

という記事が,ロシア海軍総司令官ウラジミール・マソリン提督の言葉として伝えるところによれば,ノヴォロシスク港にロシア黒海艦隊用の新しい基地が,2012年までに防波堤と埠頭を建設完了するだろうという見とおしが立てられているという.
 ウラジミール・プーチン大統領は,セヴァストーポリの基地から2017年までに撤収する事を2003年にウクライナが要求した後,ノヴォロシスクに黒海艦隊の為の代替海軍基地を設置する法令に署名している.
 同記事によれば,新基地建設の費用は123億ルーブル(約4億8000万ドル).
 ちなみにウクライナ国防省は5月に,
「黒海艦隊は,2017年までにクリミア半島を去るに違いありません」
という見解を示している,とのこと.

 詳しくは,「Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜」,2007/7/12(木) 午後 7:38付を参照されたし.

 ちなみに2008年5月,ロシア海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー大将はキルギスタン滞在中,黒海艦隊について発言しました.

――――――
海軍総司令官は,ロシアがウクライナに100隻の軍艦を駐留させる事が出来ると発言した
ビシケク,5月30日(RIAノーボスチ)


 ロシア海軍総司令官は,黒海艦隊は,ウクライナのクリミアにおいて,セヴァストーポリ基地の軍艦を100隻に増加させる事が出来る,と金曜日に発言した.
「私達は,35隻だけの現在の姿と比べ,基本協定により黒海艦隊に100隻までの軍艦を有する事ができます.
 更に私達は,25,000人までの人員を駐留させても良いが,現在,11,000人のみを駐留させています」
 ウラジーミル・ヴィソツキー大将は,キルギスタンの首都ビシケクで,リポーターに伝えた.

 彼は,国家利益を保護する為にロシアは黒海艦隊を必要とすると言った.
「ロシアは,世界の海洋に対し戦略的興味を有しております.
 そして,それは,国を護るでしょう.
 私達は,その存在を拡大させるでしょう」
「黒海艦隊は,いかなる場合においても存続する.
 またそれは,単に存続するだけに留まらず,発展して行きます」
 彼は,基本協定が2017年に終了するよりも前に,ロシアがセヴァストーポリから艦隊を引き上げるつもりは無いと付け加えて言った.

 現在,黒海艦隊は,1997年に署名された協定の下,クリミア半島の一連の海軍施設を使用している.

 ウクライナ大統領ヴィクトル・ユーシチェンコは,最近,2017年5月28日以降のロシア黒海艦隊に対する賃貸契約を延長しない事を決定した.

 クリミア半島の海軍設備のリース契約期間に関するロシア・ウクライナ間の論争は,たびたび起こっている.
 最近の例では,モスクワ市長ユーリー・ルシコフが,ロシアへ移転されるセヴァストーポリのロシア海軍基地の所有権に関する議論における声高な要求の為,旧ソ連共和国への入国を防止された.

 〔略〕
――――――

 要するに
「協定では,100隻までの軍艦が駐留しても良い事になっているんだけどねェ」
「協定では,25,000人までの人員が駐留しても良い事になっているんだけどねェ」
「協定では,2017年まで駐留しても良い事になっているよね,2017年まで撤退する必要,無いよね」
というコトですね.
 既にロシア海軍は,ノヴォロシースクに代替基地を建設中だし,ヴィソツキー大将は,昨年,海軍総司令官に就任した直後,セヴァストーポリを無視して真っ先にノヴォロシースクを視察したくせに,しれっとこういう発言をメディアに向かってやってみせるとは,
 ヴィソツキー閣下,なかなかの「役者」ですなァ・・・

 ヴィソツキー閣下は,
「100隻まで(ウクライナに)駐留させられるんだよ」
と言っていますが,奇しくも,ノヴォロシースクに建設中の代替基地は,「100隻までの艦艇」を収容できるキャパシティを有する.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/21984872.html

 前任者ウラジーミル・マソリン氏は,どちらかと言えば実直な性格の人でしたが,ウラジーミル・ヴィソツキー氏は,一味違うようです.
 ・・・・やはり,只者では無いね,この人.

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/5/30(金) 午後 8:35


 【質問】
 サンクト・ペテルブルク市にあるバルチースキィ・ザヴォート(第189造船所)について教えてください.

 【回答】
 公式サイトはこちら.
http://www.bz.ru/

 1856年から創業開始,今年(2006年)で創業150周年を迎えるロシア最古参の造船所です.
 ソヴィエト連邦時代は「S.オルジョニキーゼ名称記念造船工場」という名前でした.
 一般には「バルチック造船所」と呼ばれる方が多いようです.

 帝政ロシア時代から,戦艦などの大型艦艇の建造を手掛け,1938年には,6万トン級超大型戦艦「ソヴィエツキー・ソユーズ」を起工するが後に建造中止.

 大祖国戦争(第二次世界大戦)後も巡洋艦などの建造を手掛ける.
 1970年代以降は,原子力砕氷船「アルクチカ」級を初めとする原子力水上艦船を建造.
 1980年代には,「戦後最大の水上戦闘艦」とも呼ばれるキーロフ級原子力巡洋艦や原子力偵察艦SSV-33が建造された.
 この他,船体はフィンランドのワルツィーラ社で製造,原子炉を初めとする艤装はバルチースキィ・ザヴォートで行われた原子力砕氷船「タイミール」級も建造している.

 ソ連邦解体後も,原子力砕氷船及び原子力巡洋艦の建造は細々と続けられ,最後の原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は,1995年に艤装岸壁を離れた.

 1990年代後半にはインド向けのフリゲート3隻(改クリヴァク型「タルワー」級)を受注したが,バルチースキィは同級の艤装に手間取り,予定より遅れて2003〜2004年に引き渡された.
 この為か,インドが追加発注した改「タルワー」級3隻は,バルチースキーではなく,カリーニングラード市のヤンタリ造船所で建造される事になった.

 現在,原子力砕氷船「50リェート・ポベードゥイ」(アルクチカ級)の洋上テストが行われているが,ロシア海軍向けの艦艇は建造していない.

 インドに売却されるキエフ級航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」の改造工事をセヴェロドヴィンスクのセヴマシュと争って敗れ
その後,同艦の新型ボイラーを製造)2001年の中国向けの改ソヴレメンヌイ級駆逐艦の受注をセーヴェルナヤ・ヴェルフィと争って敗れ,
ロシア海軍向けの新型コルベット「ステレグシュチィ」級の受注もセーヴェルナヤ・ヴェルフィと争って敗れ,
インド向けのフリゲート3隻は受注に成功して建造したものの,追加発注の3隻はヤンタリ造船所に取られる
……といった具合に,軍艦の受注においては,ほぼ「連戦連敗」している.

 しかし,上記のようにバルチースキィの造船能力は決して低いわけではなく,ただ単に,原子力水上艦艇の建造経験で培われた高い技術力は,現在の縮小されたロシア海軍には必要ないと見るべきだろう.
(少なくとも今現在のロシア海軍は,新規に原子力巡洋艦を調達する必要など無い)

 逆に見れば,フリゲートやコルベットのような艦艇を建造していなかった(実績が無かった)事が,今となっては裏目に出ていると言える.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜


 【質問】
 マガダン港に海軍施設はあるのか?

 【回答】
 オホーツク海沿岸の海港都市マガダンMagadan,Магадан

 日本では,ロシア太平洋艦隊の潜水艦・小艦艇基地が有る事になっています.
http://www.eurus.dti.ne.jp/~freedom3/pac-fleet-killu-axx.htm

 が,"Google Earth"で見ても,ロシア海軍の潜水艦や小艦艇は停泊しておらず,それどころか,基地設備らしき物すら無いに等しい状態です.
 港の北側に船舶修理施設は有りますが,浮きドックも無いし・・・

 というわけで,潜水艦・小艦艇が常駐する基地としては使われていない事は明白です.
 そもそも,マガダンを母港とするロシア海軍艦艇は有りません.

 ちなみに,Yahoo!辞書より.

>【基地】
> 行動の基点となる場所.特に,軍隊・探検隊・登山隊などの活動の拠点.根拠地.

 マガダンを「行動の基点」「活動の拠点」とするロシア海軍艦艇は皆無である事からも,同港は,ロシア海軍「基地」とは言えない.
 せいぜい,オホーツク海で行動する潜水艦などが,たまに寄港する程度でしょう.

 ただ,マガダンがロシア海軍と全く関わりが無いのかと言えばそうではなく,太平洋艦隊所属の原子力潜水艦K-331(アクラ型)が「マガダン」と命名されています.
 ロシアの原潜は,都市名を付ける代わりに,その都市から何らかの支援を受けるというパターンが定着しており,原潜K-331とて例外ではありません.
 言い換えればマガダン市は,原潜を後援できるくらいの財力が有る,という事です.

 写真は原潜K-331です.
 停泊している場所はマガダンでは無く,カムチャツカのルイバチーですが.

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/2/3(日) 午前 1:32


 【質問】
 カリーニングラード(旧ドイツ領ケーニヒスベルク)に有るヤンタリ造船所について教えてください.

 【回答】
 公式サイトも有ります.
http://www.shipyard-yantar.ru/

 大祖国戦争後にソ連領となった旧ドイツ領ケーニヒスベルクに,1945年に建設された造船所.

 ソ連海軍向けには,主にフリゲートや揚陸艦艇を建造し,代表的な艦艇は,
プロジェクト1171(アリゲーター型)大型揚陸艦,
プロジェクト1135(クリヴァク型)警備艦
プロジェクト1155大型対潜艦(ウダロイ級),
プロジェクト1174大型揚陸艦(イワン・ロゴフ級)
などが挙げられる.

 ソ連邦解体後,海軍向け艦艇の建造は激減した.

 ロシア海軍用の新型フリゲート「ネウストラシムイ」級(1154型)は,
1番艦だけが竣工して引き渡されたが,2番艦の工事は予算不足により大幅に遅延.
3番艦は起工直後に建造中止.

 改ウダロイ級の1番艦「アドミラル・チャバネンコ」(11551型)は,1995年には完成したが,代金未払いのため,海軍へ引き渡されたのは1998年になってからだった.
 むろん後続艦の建造は行われなかった.

 1997年には,新設計のフリゲート「ノーウィック」(12441型)が起工されたものの完成には至らず,2005年,ついにフリゲートとして完成させる事を断念,練習艦として完成させる事になった.

 2004年末,久々の揚陸艦であるプロジェクト1171.1「イワン・グレン」が起工された.
 1171.1型は5隻が建造される予定.

 2006年には,インド向けのフリゲート「改タルワー」級3隻を11億ドルで受注.
 2012〜2013年の就役が予定されている.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜


 【質問】
 ラズボイニク湾の大型浮きドックについて教えられたし.

 【回答】
 ウラジオストク(Vladivostok)から南東のラズボイニク湾(Bukhta Razboinik)には,船舶修理施設と超大型浮きドックが有ります.

 この浮きドックは,1979年の「空母」ミンスク極東回航の前に,日本から購入した8万トン級の超大型浮きドック(石川島播磨重工製)です.
 ソ連(ロシア)海軍は,この周辺(ラズボイニク湾及び前述のストレローク)に太平洋艦隊主力水上艦隊の一大根拠地を構築するつもりだったのですが,ソ連邦解体でお流れになりました.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2006/11/4(土) 午後 8:16

 最近,"Google Earth"の画像が更新され,ドック上にウダロイ級大型対潜艦が載せられています.

 このウダロイ級のサイズから,ドックの大よその寸法を計算してみると,全長が約330m,幅が内側で約65mくらいになりました.
 空母アドミラル・クズネツォフの入渠も可能ですね(^^;


Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/6/9(土) 午後 9:45


 【質問】
 ロパトキナ基地について教えられたし.

 【回答】
 北方艦隊の原潜基地ロパトキナ湾<Guba Lopatkina(「ボリシャヤ・ロパトカ」とも呼ばれる)は,「ザーパドナヤ・リッツァ」フィヨルドの中に有り,ニェールピチャ湾よりも北東に位置します.

 上の写真〔割愛〕では,
949A(オスカーII)型巡航ミサイル原潜4隻,
671RTM(ヴィクターIII)型多用途原潜3隻,
705K(アルファ)型攻撃原潜と思われる小型の原潜が2隻(おそらくはB-123とK-373)
写っております.
 これらの原子力潜水艦は「第11潜水艦師団」という部隊に所属しております.

 2000年8月に爆発事故を起こして沈没した巡航ミサイル原潜K-141「クルスク」も,このロパトキナ湾を母港としておりました.

 高速原潜705K型は,1990年代半ばまでに全て現役を退いたのですが,K-373(1979年就役)だけは係留保管され,2002年1月以降は「第11潜水艦師団」に移管,停泊試験艦として使われているようです.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2006/11/21(火) 午後 7:03

 以前も紹介した北方艦隊の原潜基地ロパトキナ湾<Guba Lopatkina(ボリシャヤ・ロパトカ)
 ここも先月,"Google Earth"画像が更新されました.

 以前は,
949A(オスカーII)型巡航ミサイル原潜×4隻
671RTM(ヴィクターIII)型多用途原潜×3隻
705K(アルファ)型攻撃原潜×2隻
が写っておりました.

 今回,更新された画像には
949A(オスカーII)型巡航ミサイル原潜×4隻
671RTM(ヴィクターIII)型多用途原潜×2隻
705K(アルファ)型攻撃原潜×1隻
が見えます.

 というわけで,以前より微妙に減っています.

 ここに写っているのは,以下の潜水艦です.

[第11潜水艦師団]
949A型:K-266オリョール,K-410スモレンスク,K-119ヴォロネシュ,K-148クラスノダール
671RTM型:B-138ポリャールニイ・ゾーリ,B-388ソスノヴイ・ボル
705K型:K-373(係留試験艦)

 アルファ型攻撃原潜K-373は,「退役」後もボリシャヤ・ロパトカ基地に留まり,係留試験艦として使われています.

1枚目:ボリシャヤ・ロパトカ基地


2枚目:原潜停泊地

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/1/5(土) 午後 9:49


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