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◆◆◆◆キーロフ級
<◆◆◆大型水上戦闘艦
<◆◆装備
<◆ロシア海軍 目次
ロシアFAQ目次


(画像掲示板より引用)


 【link】

「FLOT.com」◆(2011/03/28)ВМФ России модернизирует атомный крейсер "Адмирал Нахимов"
ロシア海軍,原子力巡洋艦アドミラル・ナヒーモフを近代化へ

「ロシア・ソ連海軍」◆(2008/05/14)原子力巡洋艦「アドミラル・ナヒモフ」就役19周年

「六課」◆(2012/01/24)原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は2012年に遠距離航海を行なう

新「六課」◆(2012/03/15)キーロフ型原子力巡洋艦アドミラル・ラーザレフ(2011年7月)

新「六課」◆(2012/03/16)重原子力ロケット巡洋艦キーロフ(2011年4月16日)

新「六課」◆(2012/06/25) 重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキー,浮きドックから出渠(2012年6月23日)

新「六課」◆(2012/08/09) 原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはバレンツ海へ出航した

新「六課」◆(2012/08/31) 原子力巡洋艦アドミラル・ナヒーモフ近代化に50億ルーブルが拠出される

新「六課」◆(2012/09/12) 原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは北極圏へ行く

新「六課」◆(2012/09/18) 原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはヴィリキツキー海峡を通過した

新「六課」◆(2012/09/20) 原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーのヘリコプターにトラブルが生じた

新「六課」◆(2012/09/23) 原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはロシアの対弾道ミサイル防衛の一翼を担う

新「六課」◆(2012/09/25) 原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは遭難船救助訓練を行なった

新「六課」◆(2012/09/28) 原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは北極圏遠征を終えて母港へ戻った

「六課」ACS◆(2013/04/12) 原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはバレンツ海で演習を行なう

「六課」ACS◆(2013/04/22) 原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはバレンツ海で対潜演習を実施した

「六課」ACS◆(2013/04/30) 重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは15歳になった

「六課」ACS◆(2013/07/26) 重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは再び北極海へ行く

「六課」ACS◆(2013/09/03) 原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは再び北極海へ向かった

「六課」ACS◆(2013/09/06) 原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはカラ海に入った

「六課」ACS◆(2013/09/12) 重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはノヴォシビルスク諸島に到着した

「六課」ACS◆(2013/10/22) 重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは大西洋へ向かった

「六課」ACS◆(2013/10/28) 重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはアイルランド沖に居る

「六課」ACS◆(2013/11/01) 重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海へ入った

「六課」ACS◆(2013/11/11) 重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはロシア海軍地中海作戦連合部隊を率いる

「六課」ACS◆(2013/11/18) 重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは黒海艦隊の揚陸艦との合同演習を行なった

「六課」ACS◆(2013/12/04) 重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはキプロス島北方海域で演習を行なった

「六課」ACS◆(2013/12/18) 重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはエーゲ海で演習を行なう

「六課」ACS◆(2013/12/27) 重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはキプロスを訪れた

「六課」ACS◆(2013/12/31) 重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはキプロスを去った

「六課」ACS◆(2014/01/21) 重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装完了後,同型艦ピョートル・ヴェリキーの近代化改装が始まる

「六課」ACS◆(2014/02/08) ロシアと中国の指導者は重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキー及びフリゲート塩城とテレビ電話で話した

「六課」ACS◆(2014/02/12) 重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは再びキプロスを訪れた

「六課」ACS◆(2014/02/15) キプロス国防相は重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを訪れた

「六課」ACS◆(2014/02/18) 重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはキューバへ行く?

「六課」ACS◆(2014/02/27) 重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはシリア化学兵器第4次輸送船団の護衛を開始する

「六課」ACS◆(2014/03/02) 重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは第5次シリア化学兵器輸送船団を護衛する

「六課」ACS◆(2014/03/04) 重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは第6次シリア化学兵器輸送船団を護衛する

「六課」ACS◆(2013/06/02) 原子力巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化は断念されていない

「六課」ACS◆(2013/06/13) 重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2018年に復帰する

「六課」ACS◆(2013/06/21) 重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフはカリブルとポリメント・リドゥートを装備する

「六課」ACS◆(2013/07/08) 重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2018年にロシア海軍へ復帰する

「六課」ACS◆(2013/08/02) 原子力巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの搭載機器が撤去される

「六課」ACS◆(2013/09/03) 近代化された重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは80発の有翼ミサイルを搭載する

「六課」ACS◆(2014/01/24) 重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフはドック入りの準備を進めている

「六課」ACS◆(2014/01/30) 重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは航空母艦ヴィクラマーディティヤの経験を基に近代化される

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/05/06) ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海を去った

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/05/18) ロシア海軍重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーの航跡(2013年10月-2014年5月)

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/6/4)  重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2014年夏にドック入りする

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/6/11)  重原子力ロケット巡洋艦キーロフ(アドミラル・ウシャコーフ)は解体される


 【質問】
 「キーロフ」級初期案について教えられたし.

 【回答】
 プロジェクト1144は元々は,9,000トン級の原子力大型対潜艦として1969年に計画され,当初はプロジェクト1134B(カーラ型)大型対潜艦を原子力推進化したような艦となるはずでした.

 同時期,1144型「原子力大型対潜艦」とペアで行動する為,10,000トン級の原子力防空巡洋艦プロジェクト1126が計画されましたが,後に,通常動力化が要求された事で計画は挫折.
 代わって,同サイズの原子力打撃巡洋艦プロジェクト1165が新たに計画されました.

 しかし,同時並行で2種類の原子力大型水上艦を造る事は非効率的とみなされたのか,1971年5月25日,プロジェクト1144と1165は統合され,両タイプの特徴を取り入れた大型原子力巡洋艦・プロジェクト1144として計画は再スタートしました.

 図面1枚目は,計画統合後のプロジェクト1144初期案です.
 この設計案は,1971年11月28日に出来上がりました.
2枚目は,実際に建造されたプロジェクト1144(キーロフ))

 プロジェクト1144初期案の兵装は,以下の通りです.

・グラニート(SS-N-19)長距離対艦ミサイル2連装発射筒×8基
・フォールト(SA-N-6)長距離防空ミサイル8連装垂直発射機×12基
・オーサM(SA-N-4)個艦防空ミサイル2連装発射機×3基
・メチェーリ(SS-N-14)対潜ミサイル2連装発射筒×1基
・AK-100 100mm単装砲×2基
・AK-630 30mmガトリング砲×8基
・RBU-6000ロケット爆雷12連装発射機×2基
・533mm5連装魚雷発射管×2基
(この他,ヘリコプターを3機搭載)

 兵装自体は,実際に建造されたキーロフと同じですが,配置方法は異なっています.

 船体サイズはキーロフと同じですが,外見は,どちらかと言えば1134B型(カーラ型)や1164型(スラヴァ級)に近い.
 特に対艦ミサイルの配置方法は,スラヴァ級と全く同じです.

 注目すべきは,対艦ミサイル「グラニート」が垂直発射機(VLS)では無く,従来の発射筒に収められている事です.
 元々,この長距離対艦ミサイルは,潜水艦(水中)発射用として開発されていましたが,実際に建造されたプロジェクト1144では,原子力潜水艦プロジェクト949(オスカー型)用の「グラニート」垂直発射機が,そのまま流用して装備されました.
(その為,ミサイル発射時には,発射機内に注水しなければならなかった)

 フォールト長距離防空ミサイル垂直発射機は,艦の前部と後部に6基ずつ配置されています.
(実際に建造されたプロジェクト1144では,艦前部に12基を集中配置)

 ・・・・この初期案のまま建造されなくて良かったと思うのは,ワタシだけでは無いはず・・・・(^^;

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/9/30(日) 午前 7:13

 【関連リンク】

1144型の写真がたくさん有るページ
http://tuku.military.china.com/military/html/3/28/75/3-28-75-1576_1.html

「ロシア・ソ連海軍」:原子力巡洋艦アドミラル・ナヒモフの休日


 【質問】
 キーロフ(現アドミラル・ウシャーコフ)について教えられたし.

 【回答】
★キーロフ(現アドミラル・ウシャーコフ):舷側番号090(就役時076,9回変更)

1974年3月27日:プロジェクト1144「オルラン」型重原子力ロケット巡洋艦として,バルチースキィ・ザヴォート(旧オルジョニキーゼ記念造船所,第189海軍工廠)にて起工
1977年12月27日:進水
1980年12月30日:就役
1981年3月6日:北方艦隊に編入
(途中,デンマーク海峡通過の際,レーダー反射面積が実際のサイズの10分の1以下である事が判明)
1987年10月2日:ソ連共産党書記長ゴルバチョフ訪問
1989年4月7日:原子力潜水艦「コムソモーレツ」沈没事故の際,救助に向かう.その後,原子炉故障.

1989年12月1日〜1990年2月17日:本艦の最後の外洋行動.
 この時,本艦は地中海で行動する予定でしたが,右舷蒸気発生装置故障.
 修理後に地中海に向かうも,再び同箇所が故障したため,予定を切り上げて帰港しました.
 この件は,ソ連軍機関紙『クラスナヤ・ズヴェズダ』にも
「巡洋艦キーロフの主減速ギアは,就役後10年で破損した」
と書かれました.
 下の写真(2枚目)を見ると,いちおうドックに入れて修理しようとしたようですが,1991年12月末にはソ連邦が解体され,それどころではなくなり,セヴェロモルスクで予備役係留保管される事になりました.

1990年後半:舷側番号を「059」と変更.

1992年4月22日,予備役状態の本艦は,「アドミラル・ウシャコフ」と改名されました.
 しかし本艦の乗員は,この改名を歓迎せず,
「なぜ艦名を変える必要が有るのか?アドミラル・ウシャコフの名は新造艦に付けるべきだ」
とか
「艦名を変更すれば,舷側の艦名プレートも変えなければならない.この時局に,そんな無駄な事に金を使っていいのか」
などといった意見も有りましたが,黙殺されました.
 下の写真3枚目を見ると,改名後も,浮きドックに入れて修理しようとしたようですが,財政難により中断.

1993年;舷側番号を「090」に変更
1999年1月12日,ロシア連邦下院議会は,本艦を除籍しようとしたロシア政府に対し,本艦の除籍の撤回及び 修理を求める決議を採択.
 これを受けて本艦は,セヴェロモルスクからセヴェロドヴィンスク市のズヴェズドチカ工廠に回航され,修理を待つ事になりました.
 どうも当時のロシア海軍総司令官クロエドフ上級大将が「ロビー工作」したようです.

シア・クァンファ in mixi
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/4/22(日) 午後 4:36

▼ 1999年10月にセヴェロドヴィンスクへ回航されたアドミラル・ウシャコフАдмирал Ушаковは,ズヴェズドーチカ工廠で修理を待つ事になりました.
 しかし結局,修理に着手される日は訪れませんでした.

 2004年6月29日,「アドミラル・ウシャコフ」の名は他の駆逐艦に付けられ,本艦はまた元のキーロフКировに戻りました.
 言い換えれば本艦は,ロシア海軍籍から消えました.

 2004年9月,「ズヴェズドーチカ工廠は本艦の解体工事を4,000万ドルで請け負った」と報じられましたが,その後も解体に着手される兆候が一向に無かった事から,誤報だったようです.

ズヴェズドーチカが「解体工事を受注した」と報じられてから1年後の撮影では,各種装備はそのままで,同工廠に係留されています.
(塗装は剥がれていますが・・・)

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/10/2(火) 午後 7:10

2004年9月,結局修理される事は無く除籍され,セヴェロドヴィンスク市の艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」――除籍原潜の解体も行っている――が,同艦の解体工事を受注.解体費用は4,000万ドルと見積もられているそうです.
それでも,解体には着手されず,未だにズヴェズドチカ工廠の岸壁に繋がれたままとなっております.

1枚目:セヴェロモルスクの「キーロフ」(1990年代初頭)


2枚目:ロスリャコヴォの浮きドック「PD-50」に入渠中の「キーロフ」(1990年代初頭)


3枚目:浮きドック「PD-50」に入渠中の「アドミラル・ウシャコフ」(1990年代半ば)


4枚目:セヴェロモルスク基地に停泊中の「アドミラル・ウシャコフ」(右)
左は同型艦アドミラル・ナヒモフ(1990年代中期)


5枚目:セヴェロドヴィンスク市ズヴェズドチカ工廠に回航された「アドミラル・ウシャコフ」(1999年)

シア・クァンファ in mixi
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/4/22(日) 午後 4:36

 【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍」:永遠のキーロフ

「ロシア・ソ連海軍」:原子力巡洋艦アドミラル・ウシャコフ(キーロフ)-2004年5月16日

「ロシア・ソ連海軍」:原子力巡洋艦キーロフ〜1992年7月

「ロシア・ソ連海軍」:最後のキーロフ艦長アレクサンドル・ファディエフ

「六課」:(2009年4月12日)原子力巡洋艦「キーロフ」


 【質問】
 カリーニンの略歴を教えられたし.

 【回答】
★カリーニン(現アドミラル・ナヒーモフ):舷側番号080(就役時180,3回変更)

1983年5月17日:バルチースキィ・ザヴォートにて起工
1986年4月25日:進水
1988年12月30日:就役
1989年4月21日:北方艦隊に編入.
1991年2月:地中海に進出.トルコ貨物輸送船「スベログル-1」乗組員を援助.
1992年5月27日:「アドミラル・ナヒーモフ」に改名
1996年3月:先に地中海に進出し帰還途中の「アドミラル・クズネツォフ」を仮想敵とした対空母部隊迎撃演習に参加.
1999年:セヴェロドヴィンスク造船所に回航
2005年2月:対艦ミサイルや電子機器類等を更新する近代化改装工事に着手.2007年完了予定.

シア・クァンファ in mixi

 キーロフ級3番艦カリーニンは,他の同型艦とは違って,ソ連邦解体後も稼働状態に維持され,いちおう外洋でも行動しておりました.
 1992年5月27日には「アドミラル・ナヒモフ」と改名され,西側では,稼働状態にある唯一のキーロフ級巡洋艦と見られていました.

 そのナヒモフも,1997年7月に出港したのを最後に外洋での行動は見られなくなりました.
 同艦は,1990年代末には原子炉の炉心及び燃料棒の交換時期に差し掛かり,造船所でのオーバーホールが必要になりました.
 が,極度の金欠に喘ぐロシア海軍に,そんな余裕が有るはずも無く,ナヒモフは,同型艦アドミラル・ウシャコフと共にセヴェロモルスク基地に係留されました.

 1999年8月14日,ようやくセヴェロドヴィンスク市に回航され,同市にある造船所「セヴマシュ・プレドプリャーチェ」で修理を待つ事になりました.

 2003年2月より,いちおう修理及び近代化改装工事に着手されたものの,資金不足で実際の工事は全然進みませんでした.

セヴマシュ公式サイトより.
(2006年5月15日更新)

 〔略〕
「我々は祖国に尽くす」
 ナヒモフの就役記念日の度に,乗組員のこの誓いの言葉が艦上で聞かれる.
 17年目の就役記念日を迎えるにあたり,乗組員は,艦が再び海に帰る事を希望していた.
しかし問題は,充分な資金が調達されていない事に有る.
 ボリス・グリンは,同艦の原子炉区画を降ろす準備は,2004年には出来ていたと語った.
 ボリス・パヴロビッチは「第一段階の作業が実行に移される可能性は低く,全工程は遅延するだろう」と説明する.
「我々は各装備機器を取り外し,修理の為メーカーへ送り,改装工事の重要な部分の準備作業を行う」

 ロシア海軍総司令部副官イーゴリ・ディガロは,巡洋艦「アドミラル・ナヒモフ」の修理改装工事は軍の装備計画に含まれており,修理の為の費用は確実に拠出されるだろう,と語った.
 北方艦隊司令部は,この工事は3-4年を必要とすると見ている.

 しかし,それから二ヵ月後・・・・
 同じくセヴマシュで工事が進められていた原潜「ベルゴロド」の工事中止が当時の国防相から明らかにされました.
 その代わりに,巡洋艦「アドミラル・ナヒモフ」の改装工事の為の資金を拠出する,とも表明しており,工事の進展が期待できるでしょう.

 改装工事は,当初予定では2006年に完了するはずでしたが,上記のように工事が遅れた為,今のところは2007年完了予定,となっております.
(更に伸びる可能性も有りますが・・・)

 近代化改装工事は,レーダーなどの電子機器類の換装,対艦ミサイルの換装を含み,特に対艦ミサイルは,従来の「グラニート」から,新型の「オーニクス」に変更されるようです.
 アドミラル・ナヒモフは,グラニートの垂直発射筒を20基搭載していましたが,これをオーニクスに換装すれば,40基以上は搭載できるでしょう.

 なお,カリーニン/アドミラル・ナヒモフの舷側番号は
1990年以降は「085」
1994年以降「080」
に変更され,現在に至っております.

1枚目:1991年当時のカリーニン


2枚目:洋上行動中のアドミラル・ナヒモフ(1990年代中期)


3枚目:セヴェロモルスク基地に停泊するアドミラル・ナヒモフ


4枚目:セヴマシュ(セヴェロドヴィンスク造船所)でオーバーホールを待つアドミラル・ナヒモフ

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/4/24(火) 午後 6:17


 【質問】
 フルンゼ(現「アドミラル・ラーザレフ」)の略歴を教えられたし.

 【回答】
 アドミラル・ラーザレフ(旧フルンゼ):舷側番号015(就役時190,6回変更)

1978年7月27日:バルチースキィ・ザヴォートにて起工
1981年5月26日:進水
1984年10月30日:就役
1985年8月21日:駆逐艦「オスモトリーチェリヌイ」と共にセヴェロモルスクを出港,極東に向かう.
(対馬海峡通過の際,日本のマスコミに空撮される)
同年11月12日:ウラジオストク到着
1986年:アメリカ艦隊追跡のため太平洋北部に進出.
1992年5月27日:「アドミラル・ラーザレフ」と改名
1993年:艦内で小規模な事故が発生.緊急停止装置が作動し原子炉が停止.
以後,ストレローク市のアルベーク湾埠頭に係留
(環境保護団体「グリーンピース」のヘンドラー氏が同艦を訪れ,「原子炉及び蒸気タービンは老朽化しており,艦には原子炉の再起動方法を知る専門家が居ない」と結論付けるが,実際には,ただ単に,当時の太平洋艦隊司令部の混乱の為に原子炉の再起動命令が出されないまま年月が過ぎ去っただけであり,老朽化云々は見当違いもいいところであった.或いは,ロシアに対する反感から,事実と違う事を恣意的に述べた可能性も有る)
2002年12月6日:小規模な火災発生,すぐに鎮火.死者及び負傷者ゼロ.

シア・クァンファ in mixi

 1985年末の極東来航時には,日本中が大騒ぎになりました.
 その大きさ(満載排水量26,400t)から,西側では「(原子力)巡洋戦艦」あるいは「原子力戦艦」などとも呼ばれていたクラスの2番艦が極東にやって来たのですから,騒ぎになるのも当然だったでしょう.

 レニングラードで建造され,就役後,北洋方面に回航されて最終調整を終えたフルンゼは,1985年8月21日,駆逐艦アドミラル・スピリドノフАдмирал Спиридонов(ウダロイ級),補給艦ゲンリク・ガサノフ(ボリス・チリキン級)を伴ってセヴェロモルスクを出港.ほぼ同時期にレニングラードを出港したミサイル駆逐艦オスモトリーチェルヌイОсмотрительный(ソブレメンヌイ級)と大西洋で合流し南下,喜望峰を回ってインド洋に入りました.

 当然ながら,フルンゼの行動は西側諸国の注目するところとなり,大西洋上では常時NATO軍に監視される事になりました.

 航海の途中,ソ連の友好国であるアンゴラのルアンダ,モザンビークのマプータ,イエメン人民共和国のアデンに寄港.
 これは,いわば内向けのショー・ザ・フラッグであり,ソ連邦の旗を翻した軍艦の姿を見せ,ソ連邦は,これら社会主義諸国をバックアップする意思が有る事を示したものです.

 インド洋で駆逐艦アドミラル・スピリドノフと補給艦ゲンリク・ガサノフは分離し,代わりに,当時ペルシャ湾付近に居たミサイル駆逐艦ストロギーСтрогий(カシン型)と民間籍のタンカーが合流.

 構成が変わったフルンゼ部隊は,インド洋を抜けて東南アジアに入り,これもソ連の友好国であるベトナムのカムラン湾に寄港.

 ベトナムを出港して東シナ海に入ると,日本海上自衛隊,中華人民共和国海軍,大韓民国海軍の艦艇がフルンゼ部隊を随時監視するようになりました.
 が,フルンゼ部隊は,これを逆手に取り,これら3ヶ国に見せ付けるかのように「公開演習」を行なって見せました.
 まさに「ショー・ザ・フラッグ」ですね.

 フルンゼ部隊はその後,対馬海峡を抜けて日本海に入り,11月22日にウラジオストクに到着しました.

1枚目:大西洋上のフルンゼ(1985年9月撮影)


2枚目:ブリテン空軍のバッカニアに追尾されるフルンゼ(1985年9月撮影)


4枚目:インド洋上のフルンゼ(1985年10月撮影)

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/6/13(水) 午後 6:50

 【関連リンク】

「ロシア・ソ連海軍」:キーロフ級2番艦フルンゼ(現アドミラル・ラーザレフ)近影(2007年秋)

「ロシア・ソ連海軍」:原子力巡洋艦フルンゼ(アドミラル・ラザレフ)-2007年3月

「六課」:ロシアはキーロフ型を復帰させる

「六課」◆フォーキノ湾の原子力巡洋艦アドミラル・ラザレフ<旧フルンゼ>(2009年8月31日)


 【質問】
 キーロフ級「ピョートル・ヴェリキー」について教えられたし.

 【回答】
 ロシア連邦国防省公式サイトなどによれば,「ピョートル・ヴェリキー」(旧「ユーリー・アンドロポフ」,当時の舷側番号は183)は,ロシア海軍の一連の重原子力ロケット巡洋艦の4番艦.
1986年8月25日,サンクト・ペテルブルクのバルチースキー・ザヴォートで起工され,
1989年4月25日に進水した.
1992年5月27日:「ピョートル・ヴェリキー」に改名
(ソ連崩壊後の財政難により工事中断)
1995年7月26日:いちおう艤装工事終了

シア・クァンファ in mixi
Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/4/18(金) 午後 7:40(青文字部分)

▼ キーロフ級原子力巡洋艦の4番艦「ピョートル・ヴェリキー」は,造船所で艤装を終えた後,1995年秋に,バルト海で最初の洋上テストを実施.
 この時点では,同艦は太平洋艦隊へ配属される予定だったようです.

 1996年からは国家受領テストを開始しましたが,この間に太平洋艦隊配属の話は消え,
 同年11月,北方艦隊基地セヴェロモルスクへ回航されました.

 ただ西側では,1997年後半の時点でも,まだ「ピョートル・ヴェリキー」が太平洋艦隊へ配属されると見られており,例えば,『世界の艦船』1997年10月号(特集:冷戦後のヨーロッパ海軍)でも,
「近く太平洋艦隊に回航される」
と記述されておりました.

1997年,北東大西洋で最終テストを行った後,1998年4月,正式にロシア海軍へ就役しました.

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/5/4(日) 午後 7:32

1996年,巡洋艦は洋上テストを実施した.
1996年11月,艦はバルチースク海軍基地から北方艦隊の主要基地であるセヴェロモルスクへ回航された.
1998年4月18日,
正式に就役.艦はロシア海軍の編制に組み込まれ,アンドレイ旗が掲揚された.

1999年 6月,重原子力ロケット巡洋艦(TARKR)「ピョートル・ヴェリキー」は,戦略指揮幕僚演習「ザーパド(西)-99」に参加した.

 巡洋艦は,2000年,2002年,2003に,北方艦隊の最優秀艦と認定された.

1999年,2000年,2004年に,ロケット射撃功績賞を海軍総司令官より授与された.

 巡洋艦は,2003年と2005年に長期洋上任務を達成し,1999年,2000年,2003年および2004年に,ロシア連邦大統領の旗の下で演習に参加した.

2003年6月〜7月,同艦はバルト艦隊部隊との二正面戦術演習に参加,搭載兵器を使用した10回以上の戦闘訓練を遂行し,「優秀」と評された.
2004年3月23日:海軍総司令官クロエドフ,「(同艦が)故障しており,いつ爆発してもおかしくない状況にある」と発言.原子炉を搭載していることの危険性を強調し,核爆発の危険性を匂わして物議を醸す.
 同日夕刻:クロエドフ総司令官「原子力システムの保安設備は正常に稼動しており,核爆発の危険はない」と指摘した上で「居住区画などの状態が基準に達していないだけで,同艦が危険な状態にあるとの報道は,事実に反している」と訂正.
2004年9月:北大西洋演習に「アドミラル・クズネツォフ」「マルシャル・ウスチーノフ」等と共に参加.
 重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」の艦長は,フェリックス・メンコフ2等海佐である.


シア・クァンファ in mixi
Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/4/18(金) 午後 7:40(青文字部分)

 【関連リンク】

「ロシア・ソ連海軍」:海軍記念日の原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキー(2008年7月27日)

「ロシア・ソ連海軍」:今日の「ピョートル・ヴェリキー」(2008年9月26日)

「ロシア・ソ連海軍」:ケープタウンの原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」(2009年1月15日)

「ロシア・ソ連海軍」:ケープタウンへ入港する原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」(2009年1月12日)

「ロシア・ソ連海軍」:原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキー,インド洋へ

「ロシア・ソ連海軍」:原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」その1

「ロシア・ソ連海軍」:原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」その2

「ロシア・ソ連海軍」:原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」近況

「ロシア・ソ連海軍」:原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」,戦闘訓練実施

「ロシア・ソ連海軍」:原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は,1月にインド海軍との演習に参加する

「ロシア・ソ連海軍」:ピョートル・ヴェリキーの休日

「ロシア・ソ連海軍」:ピョートル大帝インド訪問


 【質問】
 キーロフ級の未成艦について教えてください.

 【回答】
 キーロフ級は1980〜1998年にかけて4隻が就役しましたが,当初の計画では7〜9隻ほど建造するつもりであり,実際に5番艦までが起工されました.

★5番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ(ジェルジンスキー) 」
 1988年12月30日:建造承認
 1989年5月9日:バルチースキィ・ザヴォートにて起工.当初の予定艦名は「ジェルジンスキー」
 (のちに将兵の陳情により「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」に改名)
 1990年10月4日:建造中止,のちに解体.

★6番艦「ロシア」
 1988年12月30日:建造承認
 1990年10月4日:起工中止

 この他に,「ジュダーノフ」「スヴェルドロフ」「ジェレズニャコフ」の3隻の建造が計画されていたようです.

 5番艦の艦名は,現在のロシア海軍の「空母」と同じですが,上記の通り,最初はこちらに付けられるはずでした.
 が,5番艦は1990年10月4日の国防相命により建造中止.
 この同じ日に,就役間近い重航空巡洋艦(空母)「トビリシ」が,同じく国防相命により「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」と改名されているので,5番艦建造中止で宙に浮いた名前が,新造空母にそのまんま流用されたと見るべきでしょう.

 5番艦以降の建造が中止された理由は,予算の事も有りましたが,そもそも,ロシア(ソ連)において原子力艦艇の建造優先順位は「1に砕氷船,2に潜水艦,3,4が無くて,5に水上艦」といった具合でして,原子力砕氷船の建造を優先させるという事もあったようです.
(原子力砕氷船もキーロフ級と同じ造船所で建造されていた)

 キーロフ級は全艦レニングラードのバルチースキー・ザヴォート(第189造船所)で建造されておりますが,同時期に平行してキーロフ級よりも大型の原子力偵察艦SSV-33なる艦が,同じ第189造船所で竣工しております.
 こんな艦を造る余裕が有ったのならば,キーロフ級をもう1隻竣工させられたでしょうね.

 もしもソ連邦が存続し,当初の計画通り9隻が竣工したとすれば,4隻くらいは太平洋艦隊に回されたかもしれません.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜,2006/12/17(日) 午前 0:49


 【質問】
 キーロフ級がステルス形状艦だというのは本当?

 【回答】
 キーロフ級に関しては,最近「上部構造物に付いている各種装備のせいで,ステルス性が損なわれている」などと言って,本型のステルス性に疑問を呈する「軍事専門家」が多いようです.

 〔略〕

 しかし,1番艦「キーロフ」がバルト海から北方海域に回航される途中で,デンマーク海峡を通過した際
NATO軍の監視レーダーには「2000トンクラスの小型艦艇」くらいにしか映らなかったという事実は動かせないでしょ.
 これはつまり,レーダー反射面積は10分の1以下と言う事を意味しているわけでして.

 それともNATO軍は,ソ連海軍の動向を監視する上で重要な地点であるデンマーク海峡に,旧式のレーダーを配備していたんですかね?(笑)
 或いは,キーロフ級が「レーダー反射面積は10分の1以下」になったのは,「偶然」だったのでしょうか?
 だとしたら,北方造船設計局とB.I.クペンスキー(プロジェクト1144設計主任)は「神」ですね(笑)

 ここで対水上レーダーとレーダー反射面積(RCS)について軽くおさらいすると,対水上レーダーは,第二次世界大戦中に各国で実用化されましたが,レーダー反射面積(RCS)の大きさから,フネのおおよそのサイズを割り出せるようになるには,1960年代初頭まで待たなければなりませんでした.
 以後は,「RCSがこれくらいなら,艦はこれくらい」という算定方式が定着したのですが,その算定方式を覆した最初の艦が,「キーロフ」だったのです.
 もしも「キーロフ」が,RCS低減を考慮していない艦だったら,対水上レーダーにも,2万トン以上の艦として映るはずだったのです.

 ステルスの基本は,まず,船体から.
 船体のレーダー反射面積を減らす事,具体的には,舷側をテーパーさせる事が,ステルス化の第一歩というわけですね.

 海上自衛隊の護衛艦(DE)「あぶくま」型が,日本のステルス艦第一号と言われるのは,船体の舷側をテーパーさせてRCSの低減を図ったからです.
 同型の上部構造物には,ステルス性に配慮した形跡はゼロでしたが(笑)

 キーロフ級の場合,各種上部構造物そのものはRCS低減を考慮しているとしても,その上部構造物に,各種レーダーなどがくっ付いている分,ステルス性が損なわれているのは確かでしょう.
 しかしながら,プロジェクト1144の設計時点では,世界中のどこの国でも「ステルス艦」など計画されていなかった.
 原子力巡洋艦「キーロフ」が就役した1980年の時点で,どこの国にステルス艦が存在していたのか?
 そのような状況で,のちのラファイエット級などのような徹底したステルスデザインを取り入れるなど不可能でしょう.
 当時の環境で,そこまでやったら,肝心の戦闘能力が大幅に低下します.
 軍艦の戦闘能力とステルス性は,本来,相反する要素ですからね.
 その辺の兼ね合いは,各国の用兵思想によって違ってくる.
 さすがに,1980年の時点では,これが精一杯だったかと.

 アメリカ合衆国海軍が1970年代に構想した「原子力打撃巡洋艦」は,ある意味,キーロフ級の対抗馬とも言え,計画が順調に進んでいれば,キーロフ級とほぼ同時期には就役したでしょうが,完成予想図を見る限り,ステルスのスの字も有りませんしね.
 当時の西側海軍は,ステルスには全く関心を払っていなかった.

 キーロフ級以外で1980年代に就役した旧ソ連海軍の大型水上艦(スラヴァ級,ウダロイ級,ソヴレメンヌイ級)も,船体の舷側をテーパーさせており,これらの艦も「ステルス艦」に分類する専門家も居ますが,上部構造物を見る限り,キーロフ級ほどRCS低減を考慮しているようには見えません.

 1990年代初頭に就役したフリゲート「ネウストラシムイ」は,上部構造物にもRCS低減の為の考慮が見られ,「ステルス艦」と呼んでも良いでしょう.

 その後,財政難によりロシア海軍向けの水上艦の建造は停滞しましたが,2000年代に入ってから建造されたロシア製の水上艦は,大小を問わず,ステルスデザインとなっております.
 ようやく,「ステルス艦”先進国”」の本領発揮,と言ったところでしょうか.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜,2006/12/30(土)午前9:10


 【質問】
 1144型(キーロフ級)巡洋艦の原子炉について教えられたし.

 【回答】
 当初は原潜用のVM-4型が搭載される予定だったが,排水量増加によって出力不足が懸念されたため,原子力砕氷船用のOK-900型をベースにした新型原子炉KN-3型が開発された.
 アンドレイ・ポルトフの推定によれば,KN-3型と,GTNA-653型蒸気タービンとで,合わせて70,000馬力/基.
 ウラン燃料の濃縮率は70%で,寿命は10〜11年と見積もられていたが,1144型には専用の基地や埠頭がなく,停泊中も原子炉を積極的に稼動させたため,実際の寿命はそれより短かったという.

 【参考ページ】
『ソ連/ロシア巡洋艦建造史』(海人社,2010.11.17),p.141

【ぐんじさんぎょう】,2011/05/06 20:40
を加筆改修


 【質問】
キーロフ級重原子力ミサイル巡洋艦
http://www2.odn.ne.jp/~cae02800/russia/vmf/ship/kirov/index.htm
設計
http://www2.odn.ne.jp/~cae02800/russia/vmf/ship/kirov/kirov1.htm
で挙げられている数字は,信頼できるものでしょうか?

 【回答】
 ご紹介の「キーロフ級重原子力ミサイル巡洋艦」なのですが,読んでいて,かなり疑問点が....

設計
http://www2.odn.ne.jp/~cae02800/russia/vmf/ship/kirov/kirov1.htm
に以下のようにあります.

----
 設計開始段階においては,潜水艦と同じVM-4型第二世代原子力蒸気発生装置が計画されていた.
 各75MWの2基の原子炉は,TV-12タービンに蒸気を供給し,91,000馬力の下で,速力31ktを達成することができた.
----

 つまり合計熱出力が150MW(thermal)で,軸馬力が91,000馬力(仏馬力とみなしてWに換算すると約67MW).すると熱効率が67÷150×100=44.7%.
 一見もっともな数字に見えるかも知れませんが,これは
「軽水炉採用では,ほぼあり得ない数字」
となります.

 登場時期を考えれば,その熱効率は当時の最新型に相当する超臨界圧火力発電所の数字以上であり,現在設計済みの最新の軽水炉発電所のうち,画期的とも言える最高効率を誇る三菱重工の最新型PWR
(注:まだ設計段階で現物はありません)
でも,熱効率はギリギリ40%に届きません.

<従来型の軽水炉発電所では普通は33%,つまり熱出力の1/3がタービン軸出力(発電所なら発電機出力)というのが相場観ですので,これからも如何にかけ離れていることが分かっていただけるかと思います.

 そのため,途中何らかの間違い
(誤訳もしくは数字のタイプミス.最も善意に考えると,タービン側に容量を大きめの物を用い,原子炉側の熱出力に制限される「減格使用」をしていたとしか考えられない.もしくは先に否定された原子炉とボイラーの共用.)
が有ると考えられ,少なくともその部分の記述には大きな疑問点がつきます.

 一方,その後ではもっと凄いことになっています.

----
 艦の動力装置の使用機構の開発にも特別な注意が払われ,その総出力は,70,000馬力に達した.
 複合・自動化原子力発電機は,3区画に設置され,総出力600MWの原子炉×2基,タービン駆動ユニット×2基(原子炉区画の前部と後部に設置)及びタービン区画に設置された予備自動化ボイラーKVG-2×2基を含んだ.蒸気供給システムは,艦内のいかなる装置にも蒸気を送ることができる.
 ボイラー・ユニットの基本指標は,圧力66kg/cmでの加熱蒸気の温度470℃,ボイラーの有効効率84%以下,乾ボイラーの重量50tである.
 蒸気発生能力は,115t/hである.

 巡洋艦の発電機は,各3,000kWの蒸気タービン発電機×4基及び4ヶ所の自律区画に設置された各1,500kWのプロレタリア工場のガスタービン発電機×4基を含んだ,各々の耐用期間は,50,000時間にまで達する.
 水中音響複合体の動作妨害減少のための脈動特性の向上と騒音低下(主として,スクリューの回転数の低下による.)のために,この場合通例である船体の外郭の最適化に関する作業が行われた.
 これらの研究の成果は,少し後の「ウダロイ」級大型対潜艦の船体外郭設計の際に役立った.
----

 上記より推進用の軸馬力を70,000馬力(仏馬力とみなしてWに換算すると51.5MW)蒸気タービン発電機出力が総計12MWですので,軸動力のトータルは63.5MWと成ります.
 一方,原子炉出力は総出力で600MW(thermal)となりますので,熱効率は
63.5÷600×100=10.6%.
 いくら何でもこんな馬鹿な数字はありえない,完全にどこかで誤訳もしくは誤記がある,と一刀両断になってしまいます.
 このような数字なら,まだ設計段階の数値の方が信憑性があるという物です.

 だから,全体が信用できないとまでは言えませんが,原子力の世界の住民からすれば,最も肝心なところで致命的な間違いを犯している可能性がほぼ確定的なため,その信憑性は一歩引いて考えてしまう所です.
(他にもつっこみどころはありますが,最も致命的な点を先に指摘させていただきました.)

 なお,出典等が明らかにされていませんが,このサイトは信用できるサイトと見なして良いのでしょうか.皆様ご教授下されれば幸いです.

 以上,ご参考まで.

へぼ担当

 難しい所ですね・・・
 翻訳ミスの可能性も高いですし・・・
 ただ,現状ではそのサイトが根拠となって広まっている話なのは間違い無いです.

JSF

 なるほど.私個人も翻訳ミスの可能性が高い
(他,原子炉システムに関して,深い理解がないことだけは分かりましたが,こちらは原子炉を直接扱うような人向けの専門に過ぎますので,翻訳ミスの可能性は少ないでしょう)
と考えたいところですが,何とも言えないでしょうね.
 数字もロシア語で書かれているのでしたら話は別でしょうが,その様な真似は日本人同様しないでしょうし,いろいろな組み合わせを考えたとしても,どうやってもつじつまが合いません.

 最悪は原文も,翻訳も両方様々に間違っている場合なのですが,私個人はロシア語はさっぱりですので,仮に原文が明らかとなっても確定的なことが言えないのが残念なところです.

 ただ,疑問なのは,熱効率は割り算かけ算で済む単純計算で,明らかな間違いを簡単に指摘できるのですが,どなたもなさらなかったのでしょうか.
 むしろ私個人はそちらの方が不思議ですし,掲載された方もその様な確認をなさらなかったのか,ご専門が分かりませんが,信頼性に直結する問題なだけに寂しく思います.
<もっとも,このような問題は日本国内の軍事系技術(特に原子力部門)に共通した問題なのですが,それはまた別のお話で.

へぼ担当

 キーロフ級の総出力は7万馬力では無いです.
 2軸合計出力14万馬力です.
http://en.wikipedia.org/wiki/Kirov_class_battlecruiser

KN-3加圧水型原子炉・・・300メガワット.

KN-3 reactor
http://en.wikipedia.org/wiki/KN-3_reactor

 14万馬力=104メガワット,これに発電機の出力が12メガワットで116メガワット.

 原子炉出力はKN-3が2基で600メガワット.熱効率は116÷600×100=19.3%.

 原子炉の熱効率としては,低いですか?

JSF

http://en.wikipedia.org/wiki/VM-A_reactor
 VM-4原子炉は出力70〜90メガワット.
 とりあえず提示された数値どおりに75メガワットとして,2基で150メガワット.

----
 設計開始段階においては,潜水艦と同じVM-4型第二世代原子力蒸気発生装置が計画されていた.
 各75MWの2基の原子炉は,TV-12タービンに蒸気を供給し,91,000馬力の下で,速力31ktを達成することができた.
----

 9万馬力で速力31ノット,これはおかしいですね.
 機関出力,速度から行けば船体規模はアーレイ・バーク級と同程度かそれより小さくなってしまいます.
 つまりこちらも・・・

 実際は9万馬力×2で18万馬力が総出力,船体規模は3万トンクラスの大型巡洋艦がキーロフ級初期案であるならば・・・巡航ミサイル「マラヒート」(48発)(後に「グラニート」(32発)と交代),これを搭載できる条件の船が,数千トンで設計できるわけがない・・・

>すると熱効率が67÷150×100=44.7%.

67×2÷150×100=22.35%となります.

 これではどうでしょうか?
 この計算なら熱効率が高すぎるという事はない筈です.
 低すぎるかどうかは私は専門家じゃないので分かりませんが,船体規模と馬力からみて7万馬力や9万馬力で2〜3万トン近い大型艦を30ノットで走らせる事はできない事は分かります.

 ……

 あれ,余計に計算おかしい?
 逆だ.これじゃあ89.3%になっちゃう・・・

67×2÷150×100=89.3

 うーん,じゃあやはり撤回して初期案は10000トン以下,91,000馬力の下で,速力31ktだったとして・・・
 VM-4が2基ではやはりおかしいですね.

 ニミッツ級のA4W原子炉が550メガワット,これが2基で1100メガワット.

 機関出力4軸馬力総計で30万馬力は出ているので・・・223メガワット.

223÷11000×100=20.27%

 ニミッツ級で大体こんなもの・・・
 ただし,発電用やカタパルト用に食われるタービン出力は無視で・・・

 そうすると総出力14万馬力と,KN-3が2基で600メガワットで計算したキーロフ級については,似たような数値なので,概ね正しいのではないかと思います.

 そうすると,初期計画案の91,000馬力,31ノット,VM-4が2基で150メガワットという数字が変なままですね.
 VM-4が4基ならそれらしい数値が出てきそうですが・・・

JSF

 詳しくはシアさんに教えを請う必要があるかと思いますが,船の速力などいろいろ考えると,少なくともそれくらいの数字が必要かと考えます.
 それでも,なお低すぎるというのが正直なところで,大体の常識的なところでは,熱効率で最低限25%.うまくいけば30%そこそこはあるはず,と見込んでいます.
 ただ,瞬間的な応答に原子炉が対応するため,原子炉定格熱出力は余裕を持って高めの物を,蒸気タービンについては減格使用という可能性もまだ捨てきれませんので,これ以上は何とも言えません.

 また,ニミッツ級の数字については,船の推進力となる軸馬力だけでは上記の通り,極端に熱効率が低い値になります.
(計算式は誤植ですね.223÷『1100』×100=20.27%が正しいかと.)

 なお,ニミッツ級の発電能力は原子力発電所の1/6とも言われていますので,大体電気出力で100〜150MWe(e:electric)と見ると,カタパルト用他熱源(蒸気としてのエネルギー源)として食われる余裕を見ても,総合熱効率が30%弱と非常に収まりの良いところとなります.

 ちなみに,「軍事研究誌別冊 21世紀の原子力空母」では電気出力が64MWeとの記載があります.
 これですと若干電気出力が低めのようにも思えますが,カタパルト用他熱源の損失を除いた熱効率は(223+64)÷1100×100=26%程度と,低いことは低いのですが,そこそこの数字となります.

 よって,こちらも詳細は明かされないのが常ですが,だいたいは技術的に常識的な範囲であり,若干のずれはあっても大ハズレはないものと思われます.

 以上,ご参考まで

へぼ担当

以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より


 【質問】
 ロシア海軍の原子力巡洋艦キーロフ級は,原子力艦にも関わらず,なぜ煙突が有るのか?

 【回答】
 同級は原子炉の他に,重油専焼ボイラーも備えているから.以上.
 ・・・・と言うだけでは,誰も納得しないだろうから,もう少し詳しく.

 この件に関し,西側では長いこと
「巡航時には原子炉のみで,増速時にボイラーを焚く"スーパー・ヒート方式"」
という説が有力だったが,ソ連崩壊後にロシア側から出た資料によると,それ(スーパーヒート)は,「ガセビア」だった模様.

http://www2.odn.ne.jp/~cae02800/russia/vmf/ship/kirov/kirov1.htm
 このページによると,プロジェクト1144(キーロフ級)の設計にあたり,当時のゴルシコフ海軍総司令官は,「17ktでの航行を可能にする予備蒸気ボイラー」の設置を要求したと言う.
 つまり,万が一,原子炉が使えなくなった際のバックアップ用だったわけ.
 創成期のソ連原子力艦艇が事故続発という有様だったので,ゴルシコフは,原子炉のみの機関に不安を持ったようだ.

 いずれにせよ,これが為に,艦の重量が増加したコトは明らかだし,万が一のバックアップ用なので,普段は「デッドウェイト」にしかならないコトは想像に難くない.
(燃料である重油用のタンクも設置しなければならないわけだし)

 設計陣にとっては,ゴルシコフの「差出口」は,要らぬお世話というか迷惑でしか無かったものと思われ.

夏光華(シア・クァンファ) in FAQ BBS


 【質問】
 キーロフ級には装甲があるのか?

 【回答】
 確かに現代の艦船は,ごく一部の例外を除き,装甲など有りません.
 そして何よりも重要なのは,プロジェクト1144が,その「ごく一部の例外」に該当する事です(^^;

 プロジェクト1144は,元々は1万トンクラスの「原子力大型対潜艦」として計画され,当然と言うべきか,この時点では装甲は有りませんでしたが,
 他の計画(1万トンクラスの対艦打撃巡洋艦)と統合されて2万トン以上の「超大型巡洋艦」となる事が決定されたのに伴い,装甲防御が施される事になりました.

 この時,プロジェクト1144設計スタッフは,倉庫から第二次大戦当時の戦艦の設計資料を引っ張り出してきたそうです.
 長らく装甲防御艦を造っていなかったが為に,装甲防御のノウハウが無くなっていたのです.

 1144型の装甲厚は,以下のようになっております.

[艦前部「グラニート」対艦ミサイル垂直発射機区画]
舷側・喫水線以上100mm,喫水線以下70mm(傾斜装甲),甲板70mm

[艦中央部主戦闘指揮所,戦闘情報所区画,補助蒸気ボイラー区画,原子炉区画]
舷側100mm,隔壁及び上部75mm

[艦尾ヘリコプター格納庫,航空燃料保管庫,艦載機用弾薬庫,舵区画]
舷側70mm,上部50mm

 旧日本海軍の妙高型一等巡洋艦(重巡洋艦)と同程度ですね.
(甲板装甲は妙高型よりも厚いけど)

 「グラニート」発射機の前にある「フォールト」対空ミサイル発射機は,構造的に「グラニート」発射機ほど脆弱ではないと考えられた為,舷側装甲は有りません.
 「グラニート」発射機区画は,上記の装甲板に加え,ハニカム構造の外板で覆われております.

 1番艦キーロフは,艦首に「メチェーリ」対潜ミサイル発射機が装備されており,発射機の下に有るミサイル収納区画も,同様にハニカム構造の外板で覆われております.

 この他,船体中央部の各種戦闘指揮施設,機関室,原子炉も装甲防御されております.

 つまり,1144型は,船体中央の重要な部分が集中的に装甲防御されている事になり,「グラニート」発射機から艦後部の砲塔が有る箇所までが,ヴァイタル・パート(Vital part)という事になります.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/4/22(日) 午前 7:12


 【質問】
 キーロフ級各艦の兵装は?

 【回答】
 ゴッチャにされやすいのですが,

●キーロフ(アドミラル・ウシャーコフ)
・フォールト広域防空ミサイル8連装垂直発射機×12(SA-N-6)
・グラニート長距離対艦ミサイル垂直発射筒×20(SS-N-19)
・オーサM個艦防空ミサイル連装発射機×2(SA-N-4)
・メチェーリ対潜ミサイル連装発射機×1(SS-N-14)
・AK-100 100mm単装砲×2
・AK-630 30mmガトリング砲×8
・RBU-6000対潜ロケット爆雷12連装発射機×2
・533mm5連装長魚雷発射管(回転式)×2
搭載機:Ka-27ヘリコプター×3

●フルンゼ(アドミラル・ラーザレフ)
・フォールト広域防空ミサイル8連装垂直発射機×12
・グラニート長距離対艦ミサイル垂直発射筒×20
・オーサM個艦防空ミサイル連装発射機×2
・AK-130 130mm連装砲×1
・AK-630 30mmガトリング砲×8
・RBU-6000対潜ロケット爆雷12連装発射機×2
・533mm5連装長魚雷発射管(固定式,ヴォドパート対潜ミサイル発射管兼用)×2
搭載機:Ka-27ヘリコプター×3

 1番艦からの主な変更点;
・艦後部の100mm単装砲2基を130mm連装砲1基に換装.
・艦首の「メチェーリ」対潜ミサイル発射機を撤去.
・艦首及び艦後部に垂直発射方式の「キンジャール」短距離対空ミサイル用スペースを設ける(ミサイル発射機そのものは未装備).
・30mmガトリング砲の位置を変更.
・533mm魚雷発射管を回転式から固定式に変更,「ヴォドパート」対潜ミサイルを搭載
・艦橋構造物横のECM装置を新型に換装

●カリーニン(アドミラル・ナヒーモフ)
・フォールト広域防空ミサイル8連装垂直発射機×12
・グラニート長距離対艦ミサイル垂直発射筒×20
・オーサM個艦防空ミサイル連装発射機×2
・AK-130 130mm連装砲×1
・コールチク近接防御システム(近接防空ミサイル+30mm機銃)×6(CADS-N-1)
・RBU-12000対潜ロケット爆雷10連装発射機×1
・533mm5連装長魚雷発射管(固定式,ヴォドパート対潜ミサイル発射管兼用)×2
搭載機:Ka-27ヘリコプター×3

 2番艦からの主な変更点:
・30mmガトリング砲に替わり,新型の「コールチク」近接防御システム(30mmガトリング砲と近接防空ミサイルから成る)を装備
・艦後部レーダーを「フレガートMA」に換装.
・対潜ロケット発射機をRBU-6000からRBU-10000「ウダフ」に換装

●ピョートル・ヴェリキー
・フォールトM広域防空ミサイル8連装垂直発射機×12(SA-N-X-20)
・グラニート長距離対艦ミサイル垂直発射筒×20
・キンジャール個艦防空ミサイル8連装垂直発射機×8(SA-N-9)
・メチェーリ対潜ミサイル4連装発射機×1
・AK-130 100mm連装砲×1
・コールチク近接防御システム(近接防空ミサイル+30mm機銃)×6
・RBU-12000対潜ロケット爆雷10連装発射機×1
・533mm5連装長魚雷発射管(固定式,ヴォドパート対潜ミサイル発射管兼用)×2
搭載機:Ka-27ヘリコプター×3

 3番艦からの主な変更点:
・オーサM短距離対空ミサイル連装発射機2基に替わり,「キンジャール」短距離対空ミサイル用VLS8基を搭載.
・広域防空ミサイルを改良型の「フォールトM」に換装.

 『世界の艦船』とかでは,「オーサM」(SA-N-4)と「キンジャール」(SA-N-9)を両方とも搭載しているように書かれていますが,そんなフネ有りません.
 少なくとも2番艦以降には,垂直発射方式の「キンジャール」短SAMが搭載されるはずだったのですが,このミサイルは,同時期に建造されたウダロイ級大型対潜艦に優先的に回されたため,一世代前の「オーサM」が「暫定的に」搭載されました.
 ソ連邦崩壊後に就役した4番艦ピョートル・ヴェリキーで,ようやく「キンジャール」が搭載されましたが,予算不足の為か,予定の半分しか搭載されていません.

 4番艦ピョートル・ヴェリキーの「フォールトM」は,1〜3番艦の「フォールト」の改良型であり,最大の特徴は射程が150kmに延長(フォールトは90km)されたコトです.
 FCSレーダーも,前だけ新型になっているのが外見上の特徴になります.

 1番艦は艦首に対潜ミサイル発射機を装備していますが,2番艦以降は有りません.
 だからと言って,2番艦以降は対潜ミサイルを装備していないわけでは無く,ロシア水上艦の標準装備である533mm魚雷発射管から撃てる対潜ミサイルを搭載しております(むしろ,1番艦は,この新型ミサイルが間に合わなかった為に従来の対潜ミサイル発射機を積んだ,と言うべきか).

シア・クァンファ in mixi


 【質問】
 キーロフ級艦前部の「グラニート」対艦ミサイル発射筒って,やっぱり「『フッド』の火薬庫」なんでしょうか?

 【回答】
 あの区画には,装甲が施されております.
(舷側喫水線より上:100mm,喫水線より下:70mm,甲板:70mm)
 更に,このミサイル発射筒は,発射時には注水する仕組みになっておりますので,被弾時にも海水を注入して火災を防ぐという使い方も出来るでしょう.
 ただ,同級がハープーンとかエグゾセとかSSM-1Bとかをブチ込まれる前に,グラニートSSMのVLSはカラッポになっている可能性の方が高いような気がしますが(笑)

 ちなみに,同級の装甲
★艦前部「グラニート」対艦ミサイル垂直発射機区画:舷側・喫水線以上100mm,喫水線以下70mm(傾斜装甲),甲板70mm
★艦中央部主戦闘指揮所,戦闘情報所区画,補助蒸気ボイラー区画,原子炉区画:舷側100mm,隔壁及び上部75mm
★艦尾ヘリコプター格納庫,航空燃料保管庫,艦載機用弾薬庫,舵区画:舷側70mm,上部50mm

 要するに,艦中央部「バイタル・パート」が重点的に装甲防御されているわけですね.

シア・クァンファ(夏光華) in mixi


 【質問】
 2004年3月23日,当時のロシア海軍総司令官クロエドフが,原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは「いつ(原子炉が)爆発してもおかしくない」などと発言したが,それは本当だったのか?

 【回答】
 同日夕刻には当のクロエドフ総司令官が
「原子力システムの保安設備は正常に稼動しており,核爆発の危険はない」と指摘した上で,「居住区画などの状態が基準に達していないだけで,同艦が危険な状態にあるとの報道は,事実に反している」
と,早々に訂正しています.

 以下引用.

ロシア原子力巡洋艦「核爆発の危険はない」―海軍総司令官
総司令部内の派閥対立が背景?

 【モスクワ24日大川佳宏】 ロシア北方艦隊の旗艦である原子力ミサイル重巡洋艦「ピョートル大帝」(二六,三九六トン)についてクロエドフ海軍総司令官が二十三日,「同艦は故障しており,いつ爆発してもおかしくない」と述べたことについて,同総司令官は二十三日夕,ロシア通信に対し
「原子力システムの保安設備は正常に稼動しており,核爆発の危険はない」と指摘した上で,「居住区画などの状態が基準に達していないだけで,同艦が危険な状態にあるとの報道は,事実に反している」
と訂正した.
 「ピョートル大帝」のウラジーミル・カサトノフ艦長の叔父であるイーゴリ・カサトノフ元海軍副司令官が,昨年のロシア潜水艦K159沈没事故の対応をめぐり,クロエドフ総司令官を激しく批判しており,今回の「ピョートル大帝」をめぐる騒ぎの背後には海軍総司令部内の派閥対立がある,との見方も浮上している.
 クロエドフ総司令官は「ピョートル大帝」のドック入りを指示した上で,「故障」について艦長らの責任を問う方針を示した.2004/3/2416:52
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/040324-165226.html
(註:現在はリンク切れで閲覧不能)

 では何故クロエドフ総司令官が,こんな「放言」をしたのかというと,どうも,当時のピョートル・ヴェリキー艦長ウラジミール・カサトーノフ大佐との「因縁」が有るようです.
 正確には,ウラジミール本人と言うよりは,彼の叔父イーゴリ・カサトーノフ退役海軍大将とクロエドフの因縁になりますが.

「イーゴリ・カサトノフ」元大将は,1939年生まれで,旧ソ連海軍のエリートコースを着実に歩み,1991年8月のクーデター後の大規模な人事異動で,黒海艦隊司令官に就任しました
 その後,周知のようにソ連邦は崩壊し,彼が率いる黒海艦隊は,ロシアとウクライナが帰属を争うコトになりました.
 黒海艦隊帰属問題では,当時のイェリツィン大統領が,日本の渡辺外相との会談をドタキャンしてカサトノフ司令官と会談したというエピソードも有るくらいで,このコトも有って政府の覚えがめでたくなったのか,その後,イーゴリは,海軍総司令官第一代理(副総司令官)に抜擢されました.
 とうぜん,次は総司令官になってもおかしくなかったのですが,総司令官に抜擢されたのは4年後輩のクロエドフ.
 で,結局イーゴリは総司令官の座を目の前にしながら引退.

 ちなみに,イーゴリの父も海軍軍人であり,奇しくも,黒海艦隊司令官や海軍総司令官第一代理を勤めています.
 つまり,父子そろって同じ経歴を歩んだコトになります(というか,カサトノフ家は,代々海軍軍人の家系のようです)

 父親は,何せゴルシコフ「法王」の時代だったので,海軍総司令官にはなれないまま終わりましたが,息子イーゴリは,海軍総司令官の地位に手が届くトコロに居た.
 だが1997年,グローモフ元帥の後任の海軍総司令官に就任したのは,太平洋艦隊司令官ウラジミール・クロエドフであり,イーゴリは,父と同じく,総司令官になれないまま現役を去ったわけです.
 イーゴリにしてみれば
「何でオレじゃなくてアイツが・・・・」
と思ってもおかしくは無いでしょう.全く欲望の無い人間など,この世には存在しないのですから.

 この事も有ったのか,その後,イーゴリは総司令官のクロエドフをこっぴどく批判し続けます.
 例えば「K-159沈没事故」.
 これは,除籍原潜K-159(ノヴェンバー型)を,係留地のグレミハから解体場所のセーヴェロドヴィンスクまで曳航する途中で沈没した事故ですが,この一件で,クロエドフ総司令官は,当時の北方艦隊司令官スーチコフ大将を解任.
 そのコトで,イーゴリは,クロエドフを「激しく批判」しています.

 それでクロエドフは「逆恨み」して,イーゴリの甥の現役海軍大佐ウラジミールにイチャモン付けたわけですな.  クロエドフの「放言」で大騒ぎになった後,彼は原子炉爆発云々は引っ込めたのですが,「居住区が基準に達していない.この件で艦長の責任を問う」などと言っておりました.
 何が何でもウラジミールの経歴に傷を付けたかったようです.
 まさに,「江戸のカタキを長崎で討つ」ですね.

 ちなみに,「お騒がせ男」クロエドフは昨年(2005年)夏,とうとう引導を渡されました.

夏光華(シア・クァンファ) in FAQ BBS & mixi

 ただ,このガセニュースを真に受けている人も多く,
「同艦は原子炉のトラブルが多い」
などと思っている人も少なくないようです.

 だいたいね,ピョートル・ヴェリキィが,本当に原子炉のトラブルが多かったら,セヴェロモルスク基地になんか居ないでしょ(^^;

 そんな「危険な艦」を,北方艦隊の主要水上艦基地であり,艦隊司令部の所在地でもある場所に停泊させておいて,原子炉事故でも起こったら,どーすんのさ?(笑)
 今頃はセヴェロドヴィンスク造船所あたりに回航されてドック入りしてるのでは?
 これだけの大型原子力艦艇の原子炉の修理は,セヴェロドヴィンスク造船所か,さもなくば建造元のバルチースキィ・ザヴォート(サンクト・ペテルブルク)でなけりゃ出来ないからね.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/6/3(日) 午前 0:09


▼ 【質問】
 キーロフ級巡洋艦アドミラル・ナヒモフ Admiral Nakhimovが,2005年2月から受けていた近代化改装工事の具体的内容はどのようなものか?
 キーロフ級の近代化計画の概要と近況は?▲

 【回答】
 SS-N-19SSMの新型ミサイル換装.
 レーダー類の更新.

 以上,ソースは「世界の艦船」2005年4月号,p.173.

▼ 詳細は待て続報.

▼ 以前から話が出ているプロジェクト1144(キーロフ型)重原子力ロケット巡洋艦の近代化計画の近況ですが,最初にこの話が出たのは,2009年9月でした.
 ロシア国防次官ウラジーミル・ポポフキンの公式発表です.
[ロシアはキーロフ型を復帰させる]

 当初は,稼働状態に無いキーロフ型3隻のうち,1番艦「キーロフ」を除く2隻――「アドミラル・ナヒモフ」(カリーニン)と「アドミラル・ラザレフ」(フルンゼ)――を,近代化改装して現役復帰させるという話でしたが,昨年(2010年)からの報道を見ると,1番艦「キーロフ」(アドミラル・ウシャコフ)も復帰させるようです.

 RIAノーボスチより.
ロシアは,原子力巡洋艦を全て復帰させる
2010年7月24日21時48分配信


 ロシア海軍総司令部の「高位の代理人」の談話によると,
"Адмирал Нахимов"(アドミラル・ナヒモフ),
"Адмирал Лазарев"(アドミラル・ラザレフ),
"Адмирал Ушаков"(アドミラル・ウシャコフ)
の3隻を近代化して,艦隊の戦闘編制に復帰させるとの事です.

 そして,キーロフ型近代化計画に関する最近の報道.
 『ロシアの声』より.
キーロフ級ミサイル巡洋艦を近代化 総合ミサイル設備を搭載
2011年9月22日16時49分


>今回の計画では,現在搭載されているミサイルシステム「グラニト」の変わりに,
>魚雷から長距離巡航ミサイルまで総合的に対応できる最新のミサイルシステムを導入することになっている.
>また最新の対空防衛システムであるS-400も搭載される.

 「魚雷から長距離巡航ミサイルまで,総合的に対応できる最新のミサイルシステム」とは,汎用ミサイル発射機3R-14UKSKの事でしょう.

 『イズヴェスチア』より.
古い巡洋艦は,原子力の殺人者へ変わる
2011年9月20日21時10分


 こちらでは,"УКСК"(UKSK)と書かれています.
 「最新の対空防衛システムであるS-400」は,艦載型の3K96「リドゥート」を指しています.

 つまり,艦前部の艦対空ミサイル「フォールト」垂直発射機と,長距離対艦ミサイル「グラニート」垂直発射機を,3K96「リドゥート」と3R-14に換装するという事です.

 キーロフ型は,長距離艦対空ミサイル(SAM)と,近距離艦対空ミサイル(短SAM)を,別々に装備しており,当然,ミサイル発射機や管制レーダーも,別々に装備されているのですが,「リドゥート」を装備すれば,短SAM(1〜3番艦は「オーサM」,4番艦は「キンジャール」)の発射機や管制レーダー等は不要となります.

 3K96「リドゥート」を装備する場合,管制用のフェーズドアレイレーダー「ポリメント」も,搭載しなければならなくなります.
 従って,近代化されたキーロフ型は,おそらくは艦橋上部に,4面のフェーズドアレイレーダーが装備されるでしょう.

 『イズヴェスチア』の記事によれば,「グラニート」垂直発射機をUKSKに換装すれば,ミサイル搭載数は20基(グラニートの場合)から80基へ増加すると書かれていますから,改装されるキーロフ型は,3R-14UKSKを10組搭載するようです.

 稼働状態に無いキーロフ型3隻のうち,最初に近代化改装が行われるのは,現在,セヴェロドヴィンスク市の「セヴマシュ」でオーバーホールが行われている「アドミラル・ナヒモフ」になります.
 早ければ,2015年には改装を終えるそうです.

 続いて,「アドミラル・ラザレフ」と「キーロフ」,更には,現在のところ稼働状態にある唯一のキーロフ型である「ピョートル大帝」(ピョートル・ヴェリキー)が改装を受けるようです.

 計画が順調に進めば,4隻揃うのは,2020年代になります.
 4隻揃えば,北方艦隊と太平洋艦隊に,2隻ずつ配属される事になるでしょう.

ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課
2011/11/27(日) 午後 2:38

 【関連リンク】

「六課」:巡洋艦「アドミラル・ナヒモフ」の近代化改装は準備される

「六課」:巡洋艦「アドミラル・ナヒモフ」は,2012年までに復帰する


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