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「YouTube」:Project 661 "Anchar"
Russian submarine part1
「YouTube」:Project 661 "Anchar"
Russian submarine part2
「ロシア・ソ連海軍」:シエラII型原潜「ニジーニー・ノヴゴロド」復帰
【質問】
ヴィクターIII型原潜B-305(K-305) について教えられたし.
【回答】
かつてロシア海軍太平洋艦隊に所属していたプロジェクト671RTM原子力潜水艦B-305(Б-305)
西側では,ヴィクターIII型(Victor-III)のコード名で知られているタイプです.
コムソモリスク・ナ・アムーレ市のアムール造船所で建造.
1979年1月23日,「潜水巡洋艦(КрПЛ)」として海軍籍に登録
1980年7月27日起工
1981年5月17日進水
1981年9月30日就役
就役時の名前はK-305(К-305)でした.
1981年11月23日,太平洋艦隊に編入.
本艦は,沿海州のパヴロフスキー湾(бухта
Павловского)を基地として活動しており,
1986年,海軍総司令官より海上ロケット射撃功労賞および対潜戦闘功労賞を受賞,
1990年にも,海軍総司令官より海上ロケット射撃功労賞を受賞しました.
1992年6月3日,B-305と改称され,艦種も「原子力大型潜水艦(АБПЛ)」に変更されました.
1994年8月,訓練中のB-305に訓練弾が命中して火災が発生しましたが,間もなく鎮火.
1995年春,修理を終えた本艦は,予備役となりました.
1996年7月末,ウラジオストクで挙行されたロシア海軍創設300周年記念観艦式に参加.西側報道陣および海軍関係者の前に姿を見せました.
これが,B-305の最後の花道となりました.
1998年5月30日,B-305は,海軍籍から除かれました.
本艦が駐留していた沿海州パヴロフスキー湾の原潜基地は閉鎖され,除籍された原潜の保管場所となりました・・・・
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/20567919.html
[本艦の歴代艦長]
・初代(1981〜1988年):V.K.ボンダレンコ
・2代目(1988〜1990年):S.P.ポターニン
・3代目(1990〜1994年):D.G.ポガダエフ
・4代目(1994〜除籍まで):S.P.ボーエフ
2枚目:原潜B-305艦内

3〜5枚目:パヴロフスキー湾の原潜B-305

6,7枚目:1996年7月末,ウラジオストクのロシア海軍創設300周年記念観艦式に参加する原潜B-305

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/5/7(水) 午後 5:28
【質問】
原潜「クルスク」の略歴を教えられたし.
【回答】
プロジェクト949A原子力潜水巡洋艦の10番艦・K-141「クルスク」К-141"Курск"は,セヴェロドヴィンスク市のセヴマシュ・プレドプリャーチェで建造.
1990年3月22日起工,
1994年5月16日進水,
1994年12月30日就役.
1995年3月1日,北方艦隊に編入.
1998年までは,訓練に明け暮れた.
1999年7月5日〜10月19日,大西洋及び地中海で行動.
2000年5月,洋上行動.
同年,「ロケット射撃功績賞」授与.
2000年8月12日,北方艦隊演習に参加したクルスクが,魚雷発射訓練を行おうとした所,突如,第1区画(魚雷発射管区画)で爆発が起こった.
この時に爆発した魚雷は,
650mm対艦重魚雷であるという説,
533mm対潜ミサイルであるという説,
高速水中ロケット「シュクヴァール」であるという説
が有る.
(ロシア国内においては,650mm対艦重魚雷説が有力らしい)
どれを「犯人」にするのかはともかく,この第一次爆発により,第1区画,第2区画(発令所)は10秒で全滅.
この爆発で空気供給がストップした第3,第4区画の乗員は脱出しようとしたが,間に合わず全滅.
爆発から130秒後,2基のOK-650B型原子炉は自動停止したが,魚雷発射管室の魚雷が誘爆,第1〜第5区画までが破壊された.
第6区画(原子炉室)では,生き残った乗員が原子炉を閉鎖したが,その直後,第6区画も侵水.
残った最後の23名は,最後尾の第9区画へ退避したが,8月12日午後6時以降,艦内の酸素が尽きて絶命.
K-141クルスクは,北緯69度40分,東径37度35分の海域に没した.
118名の乗員全てを道連れにして・・・
それから1年が経った2001年8月より,引揚作業が開始された.
爆発事故が起こった艦首部分は切断され,10月には船体の浮揚に成功した.
クルスクは,ムルマンスク郊外ロスリャコヴォ町の浮きドックPD-50へ曳航された.
2002年4月14日,クルスクは,PD-50を出渠.
4月26日,船舶修理工廠「ネルパ」に到着した.
クルスクは,同工廠で2003年までに解体された.



Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/8/14(火) 午前 10:00
【関連リンク】
kursk(クルスク事故ニュース映像,『ロシアの注射』の元ネタ)
【質問】
オスカーII型原潜「トムスク」の略歴を教えられたし.
【回答】
プロジェクト949A原子力潜水巡洋艦の11番艦・K-150「トムスク」は,西側では,オスカーII型巡航ミサイル原潜(SSGN)として知られています.
セヴェロドヴィンスク市のセヴマシュ・プレドプリャーチェで建造.
1991年8月27日起工,
1996年7月20日進水,
1996年12月30日就役.
1997年3月17日,北方艦隊に編入.
1998年9月,北氷洋経由で太平洋方面に回航.20日で5,100海里を航行し,この内3,500海里は,氷の下でした.
同年10月9日,太平洋艦隊に編入.
現在,太平洋艦隊の第16潜水艦戦隊・第10潜水艦師団に所属しております.
なお,K-150の艦名については,一時期,「サンクト・ゲオルギー・ポベドノーセッツ」と言われており,『世界の艦船』では,何故か英訳名「セント・ジョージ・ザ・ヴィクトリアス」と表記されていました(笑)
(何でロシア海軍の艦艇が英語名なんだよ(^^;)
どうも,同じく太平洋艦隊所属の戦略原潜K-433「シヴァトイ・ゲオルギー・ポベドノーセッツ」(常勝聖人ゲオルギー)と混同されていたようです.
949A型原潜は,本艦に続いて2隻が起工されましたが,1隻は工事中止,
もう1隻も工事中断しましたが,2000年8月のクルスク爆沈事故に建造が再開されました.
しかし,80パーセント完成した2006年7月,国防省は同艦の建造中止を決定.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/1723651.html
今度は,再開される事は無いでしょう.
従って,この「トムスク」が,949A(オスカーII)型ミサイル原潜の最終艦になります.
ちなみに,949A(オスカーII)型ミサイル原潜は,ウォーターラインシリーズ(1/700スケール)でタミヤからプラモデルが発売されています.
商品名は「クルスク」ですが,「トムスク」と「オムスク」(K-186)のデカールも付属しており,「トムスク」として作る事も出来ます.


Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/8/9(木) 午後 7:25
【質問】
オスカーII型の未成艦「ベルゴロド」について教えられたし.
【回答】
プロジェクト949A(オスカーII型)ロケット原子力潜水艦の12番艦K-139(К-139)は,
1992年4月20日,ロシア海軍籍に登録
1992年7月24日,セヴェロドヴィンスク市セヴマシュで起工(建造番号664)
1993年4月6日,「ベルゴロド」Белгороодと命名
1995年〜1997年,V.アブハリモフが初代艦長に任命.
しかし,当時のロシア海軍の極度の財政難の為,1997年に建造工事はストップ,本艦は,ロシア海軍籍から抹消されました.
この時,「ベルゴロド」は75パーセント完成していました.
2000年9月,改正型のプロジェクト949AMとして建造再開.
949AMは,ミサイル複合体の誘導装置が改良されています.
2006年7月20日,セルゲイ・イワノフ国防相(当時)は,報道機関に対し本艦の建造中止を示唆.
(http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/1723651.html参照)
2日後の7月22日,正式に工事中止を決定.
この時,「ベルゴロド」は85パーセント完成していました.
『世界の艦船』2007年6月号「再生図るロシア海軍」(アンドレイ・ポルトフ)では,本艦は「竣工した」と書かれていますが,間違いです.
その後,ロシア日刊紙『コメルサント』は,ロシアが本艦のインドへのリースを提案したと報じました.
・・・・実現する可能性は,限り無くゼロに近いでしょうが・・・・


Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/3/29(土) 午後 10:34
【質問】
小型核動力プラント式AIP潜水艦「K-68」について教えられたし.
【回答】
ジュリエット型のコード名で呼ばれるプロジェクト651巡航ミサイル潜水艦K-68(К-68)は,ロシア内陸部のニジーニー・ノヴゴロド(旧ゴーリキー)市にあるクラスエ・ソルモヴォ造船所で建造.
1962年1月25日起工
1963年4月30日進水
1965年12月28日就役
1966年,北方艦隊へ配属.ザーパドナヤ・リッツァのマラヤ・ロパトカ基地へ配備
1969年10月,アラ・グバ基地に配置換え
1977年7月25日,B-68(Б-68)と改称
1985年,651E計画改造の為,クラスエ・ソルモヴォ造船所に入渠.
小型核動力プラント(湯沸し型原子炉)VAU-6(ВАУ-6)を搭載する改装工事を実施.
円筒型のVAU-6モジュールは,B-68の艦尾に挿入された.
旧ソ連は,原子力と通常動力(ディーゼルエレクトリック)の「ハイローミックス」で潜水艦の整備を進めてきたが,「ロー」である通常動力潜水艦の能力向上策として,小型核動力プラント方式AIP(Air-Independent
Propulsion非大気依存推進)が考案され,1960年代に開発計画がスタートした.
(潜水艦を全て原子力推進艦に統一する事は,財政的にも,そして地理的条件からも,不可能であった)
湯沸し型原子炉(Реактором Кипящего
Типа)と発電機で構成されるVAU-6プラントは1971年に完成.
これを受けて,ディーゼル潜水艦651型を改造してVAU-6プラントを搭載する計画が立てられ,ラズリート設計局(クラスエ・ソルモヴォ造船所付属設計チーム)は,651E(651Э)改造計画の図面を引き始めた.
VAU-6を搭載して洋上テストを行う艦として,たまたまこの時,バッテリーが壊れて修理する必要があったB-68に白羽の矢が立てられた.
1986年,B-68の改装工事終了,北方艦隊復帰
以後,小型核動力プラントVAU-6の洋上テストに従事
1990年除籍
2004〜2005年,第85船舶修理工廠「ネルパ」で解体.
小型核動力プラント方式のAIP潜水艦は,今のところ本艦のみであり,西側では,フランスにおいて「提案」はされているが,実際に製造されてはいない.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/1/6(日) 午前 9:49
【質問】
ジュリエット型潜水艦K-77について教えられたし.
【回答】
プロジェクト651(ジュリエット型)ミサイル潜水艦K-77(К-77)は,ロシア内陸部のニジーニー・ノヴゴロド(旧ゴーリキー)市にあるクラスエ・ソルモヴォ造船所で建造.
1963年1月31日起工
1965年3月11日進水
1965年10月31日就役
1965年11月19日,北方艦隊の第35潜水艦師団(ポリャールヌイ基地)へ編入
1966,1968,1969年,北方艦隊の演習に参加
1969年9月,ウラ・グバ(ヴィジャエヴォ基地)へ移動
1970年4月〜6月,地中海へ進出し,「オケアン」演習に参加
1971年10月28日〜1973年1月23日,第35船舶修理工廠セヴモルプートでオーバーホール
1974年5月3日〜11月23日,地中海で行動
アメリカ第6艦隊の空母「アメリカ」「フォレスタル」「インディペンデンス」を追跡
(7月26日〜8月4日,エジプトのアレクサンドリアへ寄港して小修理)
1975年12月20日〜1976年4月10日,大西洋および地中海で行動
(1976年3月10日,エジプトのアレクサンドリアへ寄港)
1977年4月4日〜1978年12月24日,第10船舶修理工廠シュクヴァールでオーバーホール
オーバーホール最中の1977年7月25日,B-77(Б-77)と改名.
1979年12月〜1980年6月,地中海で行動
1981年6月10日〜9月29日,地中海で行動
1989年9月20日〜1991年3月19日,第35船舶修理工廠セヴモルプートでオーバーホール
1991年8月,バルト海へ回航
1991年9月6日,バルト艦隊の第58潜水艦旅団へ転属
1993年6月30日,ロシア海軍籍抹消
1994年,ラトビアへ回航され,U-184と改名
1997年,20万ドルでアメリカへ売却
1998年1月,アメリカへ回航
2000年,キャスリン・ビグロー監督の映画『K-19:The
Widowmaker』で,「主役艦」K-19役を務める事が決定.
外見をK-19に似せる「メイク」を施された後,映画に「出演」.
本艦がK-19役に「抜擢」された理由は,キャスリン・ビグロー監督によると,K-19と同時期に造られた本艦は,K-19とよく似ており,最小限の「メイク」でK-19に「変身」出来るから,という事であった.
(キャスリン・ビグロー監督とスタッフは,ロシアへ行って本物のK-19を見学している)
本艦が「主演」した『K-19:The Widowmaker』は,2002年7月19日からアメリカで公開.
日本では,2002年12月14日から公開された.
2002年3月,ロードアイランド州プロヴィデンス市へ回航
(プロヴィデンス市公式サイト http://www.providenceri.com/)
2002年8月,「潜水艦博物館U-184」としてオープン
2007年4月17日,暴風で沈没
2007年8月,修理のため,ニューオリンズへ回航
3〜7枚目:潜水艦博物館U-184




Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/5/5(月) 午前 8:57
【質問】
タンゴ型って何?
【回答】
タンゴ型(641B型)は,ソ連海軍がフォックストロット型の後継として開発した潜水艦です.
ディーゼル・エンジンで動き,主な武器は魚雷でした.
1970年代に18隻が建造されました.
モスクワ市北西行政管区北トゥシノ地区の「北トゥシノ公園」海軍博物館では,潜水艦B-396「ノヴォシビルスキー・コムソモーレッツ」
Подводная Лодка Б-396 "Новосибирский
комсомолец"
(プロジェクト641B,1980年9月就役:)が一般公開されています.
プロジェクト641Bは,タンゴ型のコード名で知られるディーゼル潜水艦であり,1972年から1982年に掛けて18隻が建造されました.

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/6/15(日) 午前 11:06
より再構成
【質問】
タンゴ型潜水艦B-380について教えられたし.
【回答】
西側では,タンゴ型のコード名で呼ばれている,プロジェクト641B「ソム」型ディーゼル・エレクトリック潜水艦の最終艦(18番艦)B-380(Б-380)
ロシア内陸部のニジーニー・ノヴゴロド(旧ゴーリキー)市にあるクラスエ・ソルモヴォ造船所で建造
1981年10月15日起工
1982年8月進水
1982年12月25日就役
18隻建造された641B型の中で,本艦とB-498は黒海艦隊へ配属された.
(ただし,B-498は1988年11月に北方艦隊へ転属)
1982年11月から1992年2月15日まで,「ゴリィコフスキー・コムソモーレッツ」Горьковский
комсомолец(ゴーリキー共産党青年団)という個艦名を付けられた.
1984年,黒海で2度の戦闘演習に参加.
1985年および1986年,初代艦長V.パナセンコ2等海佐が指揮するB-380は,海軍総司令官より「魚雷攻撃最優秀賞」を授与された.
1988年,艦長はA.ゴリャチェフと交代した.
1991年,セヴァストポリのセヴモルザヴォートでオーバーホールが開始されたが,財政難の為,資金の割り当てはストップし,工事は停滞した.
B-380の乗組員は,最低限に減らされ,岸壁に係留されたまま動く事は無かった.
この期間,V.スミルノフが艦長を務めた.
2000年,ロシア政府は本艦の復帰を決定. 潜水艦の修理および近代化の為の費用が拠出される事になった.
2004年3月1日,本艦の乗組員は,再び定数を満たした.
本艦の艦長は,2000年〜2005年頃までボリス・レズニク2等海佐が務め,2006年以降,K.タバチュニィー2等海佐が務めている.
2007年12月25日,B-380は就役25周年を迎えた.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/27857448.html
現在,潜水艦B -380は,第247独立潜水艦大隊に所属しており,セヴモルザヴォートで近代化改装中である.
改装終了は,2008年秋を予定している.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/28248829.html
本艦以外の641B型は,全てロシア海軍から除籍された.
B-515,B-396,B-307の3隻は,記念艦として保存,公開されている.
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/1/13(日) 午前 8:30



Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/1/10(木) 午後 8:25
【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍」:原子力潜水艦「コムソモーレッツ」19周忌
【質問】
なぜデルタ型原潜には4つものサブ・バリエーションがあるのか?
【回答】
ミサイルの改良に従って,船体が大型化するなどしたため.
デルタI型:R-29(SS-N-8)ミサイル搭載=単弾頭,発射筒12基
↓
デルタII型:R-29Uミサイル搭載.発射筒が16基に.北極海対応.
↓
デルタIII型:R-29R(SS-N-18)ミサイル=弾頭3個.
↓
デルタW型:R-29RM(SS-N-23)ミサイル=弾頭4個.
以下は,岡部いさくによる解説.
ソ連海軍のSSBNにとっては,西側の強力な対潜哨戒網をかいくぐって,ミサイルの射程まで西側本土に接近するのは容易ではなく,より安全なソ連本土に近い海域から西側主要目標を射程内に収めうる,長射程の水中発射弾道ミサイルが必要とされた.
そこで開発されたのが,1973年から実用配備になったR-29(SS-N-8ソーフライ)ミサイルである.
R-29は相変わらず液体燃料で単弾頭だったが2段式で,射程は4300浬に伸び,精度も向上し,新型の発射システムにより,ヤンキー型のR-27よりも戦力としての効率は2.5倍に強化されたとされている.
これを搭載するSSBNがデルタ Delta I型で,1970〜76年に18隻が建造され,1973〜78年に就役した.
デルタI型は基本配置はヤンキー型を踏襲しているが,さらに大型とされ,静粛性も向上し,電子装備も強化・合理化された.
デルタI型はミサイル区画の背が高く,フェアリング部分はセイルの高さの半分ほどにまで達しているのが外形上の特徴である.
そのミサイル区画には12基の発射筒が並び,ヤンキー型よりもミサイル搭載数は減っているが,ミサイルと発射システムの性能向上により,戦力としてはむしろ強化されていると評価されたようである.
18隻のうち8隻は,さらに射程4400浬に延長したR-29Uミサイルを搭載した.
このミサイルの搭載を前提に,デルタI型の拡大改良型として,デルタII型4隻が1973〜74年に起工され,1975〜76年に就役した.
デルタII型ではミサイル区画が延長されて発射筒が16基となり,静粛性が向上し,さらに,主な作戦海域となる北極海での運用を考慮して,セイルの潜舵は90度に回転できるようになった.
その一方,ソ連は水中発射ミサイルの多弾頭化を進め,1979年に射程3600浬のR-29R(SS-N-18 スティングレイ)ミサイルを実戦化した.
このミサイルの初期型は単弾頭だったが,改良型は3個,さらに7個の個別誘導再突入弾頭を装備するようになった.
ただしSTART I条約の制限により,7個弾頭装備型は実際には配備されなかった.
このミサイルの搭載艦として,さらに大型化したデルタIII型が,1977年から82年にかけて14隻就役した.
デルタIII型は水中排水量が1万tを超え,ミサイルの全長が大きくなったのに伴い,発射筒も長くなり,ミサイル区画の高さはセイルの半分以上に達することとなった.
静粛性や居住性にも改良が加えられており,単弾頭ミサイルを搭載するデルタI,II型の殆どが退役しているのに対し,こちらはまだ現役にとどまっている.
1987年には,R-29Rに続くミサイルとして,射程を4,600〜5,100浬に延長し,精度を向上させ,4個の弾頭を装備する新型,R-29RM(SS-N-23 スキッフ)が実戦化され,それを搭載するデルタW型が,1987〜90年に7隻就役した.
デルタW型はミサイル区画の高さがさらに増し,静粛性の向上のために機関のラフト装備などを施して,船体はまた大型化し,水中排水量18,200tと,アメリカのオハイオ級に匹敵する巨艦となった.
船尾の形状も,推進器周辺の水流の整流のために延長されている.
デルタW型は現在のロシア海軍の主力SSBNで,1998年にはK-407が史上初めて水中からの人工衛星打ち上げに成功している.
しかし2隻は予算難から修理に長くかかっており,事実上現役を離れている.
さらにK-64は海洋調査潜水艦への改造途中のままとなっている.
(岡部いさく from 「世界の艦船」2004年10月号,p.85-86)
以下の写真は,セヴェロドヴィンスク市のズヴェズドチカ工廠でオーバーホール中の667BDRM(デルタIV)型戦略原潜.
K-18カレリアと推定されます.
ロシア海軍の667BDRM型は,昨年(2006年)1月にK-114ツーラが,10月9日にK-117ブリャンスクが,それぞれオーバーホールを終えて艦隊に復帰しております.



Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/4/6(金) 午後 8:50
【質問】
デルタII型原潜「リャザン」について教えられたし.
【回答】
タス通信,(2007年12月13日10時56分付によれば,弾道ミサイル原潜リャザン(戦術番号K-44)は,セヴェロドンヴィスクのセヴマシュ造船所で1982年に建造された.
プロジェクト667BDR「カリマール」弾道ミサイル原子力潜水艦(NATOの分類では「デルタII」)は,
全長155m,
水上排水量10,600t,
水中速力24ノット(44.5km/h),
兵装は,弾道ミサイル発射筒16基.
2007年12月,「リャザン」は,セヴェロドンヴィスクの「ズヴェズドチカ」造船所で定期整備の後,テストの為,洋上に去った.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/12/14(金) 午後 5:07
【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍」:デルタIII型戦略原潜「リャザニ」,弾道ミサイル試射
【質問】
デルタIV型原潜「カレリヤ」について教えられたし.
【回答】
プロジェクト667BDRM原子力弾道ミサイル潜水艦(暗号名「デリフィン」)「カレリヤ」は,セヴェロドヴィンスクのセヴマシュ造船所で建造され,1989年にロシア海軍へ就役した.
北方艦隊配属.
1994年,潜水艦は北極ヘの航海を完了し,国旗およびアンドレイ旗を打ち立てた.
この航海により,60人の乗組員が,国家から栄誉と報酬を与えられた.
2000年4月,同艦は,ウラジーミル・プーチンを乗せて出港した.
2006年11月,セヴェロドヴィンスクの艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」で中規模修理と近代化改装が始められた.
2009年に再就役の予定.
公式データによれば,
排水量約12,000トン,
全長167m,
幅12m
最大潜航深度400m,
水中速力24ノット(44,5km/h),
乗組員 140人.
SLBM16基搭載.
詳しくは
原子力潜水艦(APL)K-18「カレリヤ」は,近代化改装後,2009年に再就役する
アルハンゲリスク,11月5日(イタル・タス)
および,その翻訳である
Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/11/6(木) 午後 7:58
を参照されたし.
【質問】
原子力潜水艦「トゥーラ」について教えられたし.
【回答】
ノーボスチ,2007年12月25日15時16分付によれば,原子力潜水艦K-114「トゥーラ」(デルタIV型)は,1987年建造.
その後,アルハンゲリスク州セヴェロドヴィンスク市のズヴェズドーチカ(小さな星)工廠で近代化改装.
同艦は,16基の「シネーワ」弾道ミサイルおよび12基の魚雷を装備しているという.
2007年12月17日&25日,「シネーワ」弾道ミサイルの発射テストを行なった.
RSM-54「シネーワ」(NATOコード名SS-N-23スキフ)は,2007年6月にロシア海軍へ就役した第3世代の液体燃料推進大陸間弾道ミサイル.
5,500マイルの射程距離を有し,4個の核弾頭を搭載する.
***
補足説明すると,本文中に登場する「シネーワ」Синеваは,以前から配備されていたRSM-54(R-29RM)の最新改良型です.
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/12/26(水) 午後 4:52
【質問】
戦略原潜「ブリャンスク」について教えられたし.
【回答】
イタル・タス,2007/11/30付によれば,K -117「ブリャンスク」 はプロジェクト667BDRM「デリフィン」型の戦略任務ロケット巡洋潜水艦(NATOの分類では「デルタ-IV」).
この型の艦は,
全長167m
幅12m,
水上排水量12,000t,
最大潜航深度400m,
水中速力24ノット(44km/h),
乗組員140名,
潜水艦用弾道ミサイル16基.
K -117は,セヴェロドンヴィスクのセヴマシュ造船所で1989年に建造された.
1985年から1992年までの期間に,セヴマシュは7隻の同型艦を海軍へ引き渡した.
戦闘任務を10年間に渡って遂行した後,修理のため,2002年7月に「ズヴェズドチカ」へ到着した.
広報室によると「ブリャンスク」の修理及び近代化改装は,艦の戦術上及び技術上の問題を改善する為,83ヶ所に渡って実行され,
「潜水艦の騒音レベルは敵に探知される可能性を低くする程に低下し,戦闘力および原子力機器の安全性の保証は,かなり高められた」
という.
2007年11月30日,「ブリャンスク」は,セヴェロドンヴィスクの「ズヴェズドチカ」工廠で近代化改装後の最初の洋上テストを完了し,弾道ミサイル原潜は停泊地へ戻った,と企業の広報室長ナデジェダ・シェルビニナは発表した.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/12/2(日) 午後 4:12
を元に,文章を再構成
【質問】
パパ型原潜K-222について教えられたし.
【回答】
プロジェクト661原子力潜水艦K-222は,西側では「パパ」型のコード名で知られています.
プロジェクト661は,チタニウム合金製の船体を持つ最初のソ連原子力潜水艦です.
当初の艦名はK-162でしたが,1978年,K-222と改名されました.
同艦は
1963年12月28日に「セヴマシュ」で起工され,
1968年12月21日進水,
1969年12月31日就役,
1970年,北方艦隊へ編入されました.
1971年,艦は,実地テストに移行し,水中速力44.7ノットの記録を打ち出しました.
1989年,除籍.
1999年,解体の為に「セヴマシュ」へ曳航されました.
しかし「他の艦型の潜水艦解体によって,経験が蓄積されるまで」,ほぼ10年間,「セヴマシュ」の民間乗務員は,艦を保持しました.
同じチタン製のアルファ型は,少なくともK-64,K-432,K-493,B-123がセヴェロドヴィンスクで解体されております.
「経験が蓄積」とは,この事でしょう.
2008年7月,同艦は解体の為,「ズヴェズドーチカ」造船所へ移動しました.
そういえば,パパ型原潜は『レッド・ストーム作戦発動』にも出ていましたね.
確か,こんな感じのやり取りだったような・・・
――――――
「パパ級だと思わんか?」
「あれは1隻しか無いでしょう」
「だからと言って,飾っているわけでは無いだろう?」
――――――
661は,高速「だけ」が取り柄であり,水中雑音は高かったので,発見は容易だったでしょう(^^;
オスカー型の船体設計は,パパ型を引き継いでおります.
(まあ上の図面からも一目瞭然ですが)



Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/7/24(木) 午後 8:41
【質問】
シエラ Sierra 型とアクラ 型は,同じ目的でほぼ同程度の性能を持つのに,両型が同時に整備されたのは何故か?
【回答】
一言で言えば,海の「ハイ&ロー・ミックス」
〔略〕これはヴィクター型後継の本命であったシエラ型が,チタン船体のために建造費用が高く,隻数の整備が困難であったため,建造費用が安く,同等の性能を持つ鋼製船体のアクラ級〔原文ママ〕を併せて整備したものと言われている.
(大塚好古〔軍事史研究家〕 from 「世界の艦船」2004年10月号,p.92)
〔アクラAkula型は〕建造コストを抑えるため,耐圧殻を鋼製としており,水中速力もシエラ型より低いが,静粛性の向上に力が注がれたため,実用性の点では評価が高い.
(from「世界の艦船」2004年12月号,p.25)
【関連動画】
「ワレYoutube発見セリ」:Project 941 Russian
Akula class submarine
【質問】
なら,アクラ型だけでいいじゃん,と思うのは素人考え?(消印所沢)
【回答】
そりゃ「結果論」というモノ.
「ソ連ロシア原潜史」によると,ソ連海軍は,数々の「実験作」を経て,ようやく実用的なチタン製原潜となった945(シエラ型)を,671(ヴィクター)シリーズの後継にするつもりだったが,1979年のアフガニスタン侵攻以降,そっちの方に軍事費が喰われ,海軍の予算は減らされる一方となり,とてもじゃないが,多数の建造は無理と判断された.
(ちなみに,アフガン侵攻以降,ソ連海軍の艦艇建造のペースが急に下がったコトについては,当時から田岡俊次氏などが指摘していた)
で,945の設計を流用した「安価な」鋼製原潜971(アクラ型)が「ピンチヒッター」として建造されるコトになったわけだね.
945はラズリート設計局というマイナーなトコロが設計したが,それをベースにした971は,ソ連の攻撃原潜を手がけていたマラヒート・サンクトペテルブルク海洋工学設計局に設計が移管された.
で,マラヒートは,船体とかはそのまんまで,セイルだけマラヒート設計艦の特徴である流線形のモノにすげ替えた.
945は,内陸部のクラースノエ・ソルモーヴォ造船所(ニジーニ・ノヴゴロド市)でのみ建造されたが,当初は,極東のザヴォード・イメーニ・レニンスキー・コムソモール(直訳すれば「レーニン共産党青年団にちなんで命名された工廠」,コムソモリスク・ナ・アムーレ市)でも建造する計画だった.
が,「レーニン共産党青年団にちなんで命名された工廠」では,チタンを加工するコトが出来なかったので,クラースノエ・ソルモーヴォだけの建造となった.
もしも「レーニン(中略)工廠」にチタンの加工技術が有れば,945は太平洋艦隊にも2隻くらいは配備されたかもしれない.
(ちなみに,「レーニン(中略)工廠」は,現在では「アムール造船所」と改名されております)
それで,945を受注し損ねた「レーニン(中略)工廠」に,971の建造が発注され,後には,北方艦隊向けにセヴマシュ・プレドプリャーチェ(直訳すれば「北方機械建造会社」,セーヴェロドヴィンスク市)でも造られるようになった.
「次期主力攻撃原潜」になり損ねた945だが,チタン原潜を諦められないロシアは5隻起工し,4隻が竣工した.
最初の2隻は945「バラクーダ」型,次の2隻は改良型の945A「コンドル」型,未完に終わった最後の1隻は,更に改良した945B「マルス」型となるはずだった.
ちなみに,一般には,945の方が971よりも「高速」というのが「定説」だが,ロシア側の公式データでは,両タイプとも,あんまり変わらない.どちらも33ノット前後.
更に付け加えると,西側コード名「アクラ」型こと971型の1番艦の名前は「アクラ」(マジで).つまり,同型は「アクラ」級と呼んでもいいコトになるね.
ただこれは西側の情報収集能力が優れていたわけでは無い.
1番艦(K-284)が「アクラ」と命名されたのは,ソ連崩壊後の1993年.
これはもう,同型のコード名がアクラだと知ったロシア海軍が,「遊び心」で命名したとしか考えられないね.
【質問】
チタンは溶接が困難とのことですが旧ソ連のチタン製潜水艦は原子炉の炉心交換やオーバーホールの際,船体を切断してまた繋げる作業が鋼製の潜水艦と比べて時間と手間がかかったのでしょうか?
それとも,鋼製との差を気にしない程の溶接技術や,切断しなくて済むような工夫があったのですか?
【回答】
ハイ,おっしゃる通り,チタンは普通の鋼鉄と比べて加工が難しいね.
だから旧ソ連・ロシアでも,チタン加工(溶接)技術の有る造船所は限られていた.
(ニジーニー・ノヴゴロド,セヴェロドヴィンスク,アドミラルティの3箇所のみ)
従って,チタン原潜の整備や修理も,この3箇所でしか出来なかった.
(実際には,修理などは北洋方面のセヴェロドヴィンスクのみで行われた)
太平洋艦隊にチタン原潜が配備されなかったのも,極東にチタン加工(溶接)の出来る造船所が無かったからなんだね.
チタン原潜の大規模修理の例は二件ほど有って,
1982年に原子炉事故を起こしたアルファ型K-123は9年掛けて修理(原子炉は新品に交換).
1992年に米原潜と衝突して大破(セイルがグチャグチャになった)したシエラ型B-276の修理は1年くらい掛かっている.
この他,1980年にパパ型のK-222が原子炉の炉心交換を実施したが,作業中に1次冷却水配管を壊してしまい,原子炉室汚染.
チタンの溶接技術云々以前の問題だね.
ちなみにアルファ型は,当初は100年間使う構想であり,20年ごとに船体をバラして改装工事を行い,再溶接して復帰させるつもりでいた.
少なくとも,705計画(アルファ型)スタート時には,マジだったようです(笑)
しかしながら,現実には100年どころか20年も使われずに早期退役しました.
(実質,現役にあったのは10年くらい)
シア・クァンファ(夏光華)◆23wgJy2eAo
【質問】
アクラ級原潜の現況は?
【回答】
ロシア海軍の原子力潜水艦プロジェクト971「シチューカB」
(Атомная-Подводная-Лодка
Проекта-971"Щука-Б")
は,西側では,アクラ級原潜(Akula Class SSN)として知られています.
(ただし一部では,セヴマシュ建造艦を「バルス級」と呼称していますが)
プロジェクト971シリーズは,20隻が起工され,14隻がロシア海軍に就役しました.
971シリーズは,前期建造型の971,後期建造型の09710の2タイプが有ります.
【アムール(第199)造船所(コムソモリスク・ナ・アムーレ)建造艦】
(アムール造船所 http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/9953989.html)
太平洋艦隊へ配備
[K-284「アクラ」К-284"Акула"](工場番号501):971
1983年11月11日起工,1984年6月22日進水,1984年12月30日就役
1996年頃退役.クラシェニンニコフ湾で保管中
[K-263「バルナウル」(旧デリフィン)К-263"Барнаул"(Дельфин)](工場番号502):971
1985年5月9日起工, 1986年5月28日進水, 1987年12月30日就役
アムール造船所で修理中
[K-322「カシャロート」К-322"Кашалот"](工場番号513):971
1986年9月5日起工, 1987年7月18日進水,1988年12月30日就役
アムール造船所で修理中
[K-391「ブラーツク」(旧キート)К-391"Братск"(Кит)](工場番号514):971
1988年2月23日起工, 1989年4月14日進水,1989年12月29日就役
修理中
[K-331「マガダン」(旧ナルヴァール)К-331"Магадан"(Нарвал)](工場番号515):971
1989年12月18日起工,1990年6月23日進水,1990年12月31日就役
[K-419「クズバス」(旧モルジュ)К-419"Кузбасс"(Морж)](工場番号516):09710
1991年7月28日起工, 1992年5月18日進水,1992年12月31日就役
修理中
[K-295「サマーラ」(旧ドラコン)К-295"Самара"(Дракон)](工場番号517):09710
1993年11月7日起工, 1994年8月15日進水,1995年7月17日就役
1998年5月1日,B-133(プロジェクト627A)から親衛称号を引き継ぐ.
[K-152「ネルパ」К-152"Нерпа"](工場番号518):09710→971I
1993年起工,2006年6月24日進水
完成後はプロジェクト971Iとしてインドにリース予定
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/21855314.html
[工場番号519号艦]:09710→971I
1994年起工
2002年の工事進捗度42パーセント
完成後はプロジェクト971Iとしてインドにリース予定
[工場番号520号艦]:09710
1990年起工
1992年3月18日,工事進捗度25パーセントで建造中止
[工場番号521号艦]:09710
1991年起工
1992年3月18日,工事進捗度12パーセントで建造中止
【セヴマシュ・プレドプリャーチェ(第402造船所,セヴェロドヴィンスク)建造艦】
(セヴマシュ http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/6643350.html)
北方艦隊へ配備
[K-480「アク・バルス」К-480 "Ак Барс"](工場番号821):971
1985年2月22日起工,1988年4月16日進水, 1989年12月29日就役
1998年頃退役.2007年,解体の為,ズヴェズドーチカ工廠へ回航
[K-317「パンテーラ」К-317"Пантера"](工場番号822):971
1986年11月6日起工, 1990年5月21日進水,1990年12月27日就役
[K-461「ヴォルク」К-461"Волк"](工場番号831):971
1987年11月14日起工, 1991年6月11日進水,
1991年12月29日就役
修理中
[K-328「レオパルト」К-328"Леопард"](工場番号832):971
1988年10月26日起工, 1992年6月28日進水,
1992年12月30日就役
[K-154「チグル」К-154"Тигр"](工場番号833):971
1989年10月10日起工, 1993年6月26日進水,1993年12月29日就役
[K-157「ヴェプリ」К-157"Вепрь"](工場番号834):09710
1990年7月13日起工, 1994年12月10日進水,1995年11月25日就役
[K-335「ゲパルト」К-335"Гепард"](工場番号835):09710
1991年9月23日起工,1999年9月17日進水, 2001年12月4日就役
1997年12月4日,K-22(プロジェクト675)から親衛称号を引き継ぐ.
修理中
[K-337「クーグアル」К-337"Кугуар"](工場番号836):09710
1992年8月18日起工
1998年5月1日工事中止,解体
[K-333「ルイシ」К-333"Рысь"](工場番号837):09710
1993年8月31日起工
1997年12月1日工事中止,解体
……というわけで,就役した14隻の内,2隻は除籍されており,現在,ロシア海軍に在籍するのは12隻です.
この他,極東方面のアムール造船所で建造中の2隻は,完成後,インドにリースされる予定です.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/26514499.html
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/26698601.html
現在はロシア連邦首相のウラジーミル・プーチンが,ロシア連邦大統領に就任した直後(2001年頃),彼の指示により,工事が中断していたアクラ型原潜の建造が再開された,と報じられた事が有りましたが,これは,アムール造船所で建造されていたK-152「ネルパ」と工場番号519号艦を指しているようです.
ちなみに,雑誌『世界の艦船』で連載された「ソ連/ロシア原潜建造史」(アンドレイV.ポルトフ)では,アムール造船所で建造されていた工場番号519〜521号艦3隻が無視されています(^^;
あと,インドにリースされるのは,アムール造船所のK-152「ネルパ」と,セヴマシュのK-337「クーグアル」だと書かれていたし・・・
アンドリューシャは,アムール造船所の工場番号519号艦とセヴマシュのK-337を取り違えていたようです(^^;
なお,「ソ連/ロシア原潜建造史」では無視されている「工場番号519号艦」ですが,艦名は「カバン」Кабанだという情報も有ります.
2002年と2005年,浮きドックに載せられて宗谷海峡を西に向かう971が海上自衛隊に目撃されましたが,この2隻は,修理の為アムール造船所へ回航されたK-263「バルナウル」とK-322「カシャロート」でしょう.
セヴマシュの未完成艦2隻は解体され,その資材は,新造戦略原潜「ユーリー・ドルゴルキー」建造に流用されたようです.
後継となる筈の「ヤーセン」型多用途原潜の建造が遅れている為,現在就役中の12隻は,今後も,長期に渡って維持されるでしょう.
1枚目:太平洋艦隊所属のK-391「ブラーツク」

4,5枚目:2005年に宗谷海峡で撮影された浮きドック上の971型


Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/7/3(木) 午後 9:32
【質問】
最後のアクラ型「ネルパ」の略歴を教えられたし.
【回答】
現在,艤装中の多用途原子力潜水艦K-152「ネルパ」Нерпаは,1980年代半ばから就役を始めたプロジェクト971(アクラ型)シリーズの最終艦で,正確には改型のプロジェクト09710(アクラII型)になります.
1991年1月31日:原子力大型潜水艦としてソ連海軍籍に登録.
1992年4月28日:起工を前にして原子力潜水巡洋艦に艦種変更.
1993年初頭:極東方面コムソモリスク・ナ・アムーレ市アムール造船所で起工.
建造番号は518であり,同造船所で起工された8隻目の971シリーズでした.
(一部で「1986年起工」と書かれていますが,間違いです)
1993年4月13日:「ネルパ」と命名.
1997年12月4日:除籍された675型(エコーII型)原子力潜水艦K-56からロシア海軍旗を継承.
しかし財政難により工事は進まず,起工から9年後の2002年1月の時点における完成度は68パーセントでした.
2004年に至り,本艦はロシア海軍への就役を断念,竣工後はインドへリースされる事になりました.
工事費をインドが援助した事もあり,2006年6月24日にようやく進水に漕ぎ着けました.
(上の写真は,2006年6月24日の進水時のネルパです)
ロシア側の報道によると,インド海軍の本艦の乗員予定者及び関係者は,既にロシア国内のオブニンスク市のロシア海軍の原子力潜水艦乗員訓練センターで訓練を行なっているそうです.
アムール造船所では,本艦以降にも3隻の09710型(建造番号519,520,521)を起工しましたが,全て建造中止,解体されております.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/7/9(月) 午後 6:38
【質問】
α級は他の潜水艦と用途がどう違うんですか?
【回答】
アルファ級はアメリカの空母機動部隊を迎撃する高速攻撃原潜として建造された.
最大水中速力は約40ktで,この速力を生かして敵に向かって接近し,魚雷を発射したらダッシュで逃げるという作戦だった.
この時高速で激しい三次元機動を行うために大きな水圧がかかる.
普通の原潜よりも大きく安全航行深度を取る必要があり,そのためにチタニウム船殻を採用した.
当初の構想では20年ごとにオーバーホールを行って装備を更新し,100年使用することを考えていた.
以上,世界の艦船別冊の『ソ連/ロシア原潜建造史』より要約.
この本はソ連の原潜に関するすごい話からトホホな話までを網羅した名著.
某ラノベ/アニメに登場するスーパー潜水艦の元ネタになった強襲揚陸原潜なんていうゲテモノまで紹介してるので,書店で見かけたら買い.
あとチタンに関しては価格だけでなく工作にも高い技術力が要求される.
アルファ級も完成後に溶接部分に亀裂や気泡が発生している.
最終的には原子炉の信頼性に問題があったために,建造された7隻は全艦十数年で退役している.
【質問】
ヴィクターIII型について教えられたし.
【回答】
西側ではヴィクターIII型攻撃原潜のコード名で知られるプロジェクト671RTM多用途原子力潜水艦は,1978年から1992年の長期に渡り,合計26隻が建造されました.
1968年から1974年に掛けて15隻が建造された671(ヴィクターI)型原潜,
1975年から1978年に掛けて7隻が建造された671RT(ヴィクターII)型原潜
に続く671シリーズの最終タイプで,旧ソ連海軍の攻撃原潜のワークホースでした.
ソ連邦解体後も,本型の後に建造された971(アクラ)型と共に,ロシア海軍の原子力潜水艦隊のワークホースとして活動を続けるはずでしたが,極度の財政難はそれを許さず,1996年以降,次々と除籍されて行きました.
特に1998年には,1年間で12隻の671RTM型が除籍されてしまいました.
1990年代には,ちょうどオーバーホールや原子炉の炉心・燃料棒の交換時期に差し掛かかったものの,予算不足で実施されないまま除籍される671RTM型が多かったようです.
加えて,971型に比べて乗員数が多い事も,人手不足に悩むロシア海軍にとっては,本型の大量維持を難しくしたでしょう.
(水中排水量7,250トンで乗員数98名の671RTM型に対し,971型は水中排水量12,770トンで乗員数73名)
そして現在,ロシア海軍籍に留まっているのは,最終建造グループの671RTMK型5隻だけです.
なお671RTMKは,671RTMよりも静粛性が向上しています.
[671RTMK型]
全て北方艦隊所属
・B-292「ペルミ」(Б-292"Пермь")1987年11月27日就役
・B-388「ソスノヴイ・ボーリ」(Б-388)1988年11月30日就役
・B-138「ポリャールヌイ・ゾーリ」(Б-138"Полярные
зори")1990年5月10日就役
・B-414「ダニル・モスコフスキー」(Б-414"Даниил
Московский")1990年12月30日就役
・B-448「タンボフ」(Б-448"Тамбов")1992年9月24日就役
B-292は,予算不足でオーバーホールが実施されないまま除籍されようとしていたところ,ロシアのペルミ市が資金援助を申し出て,2002年7月27日,B-292艦長とペルミ市長の間で支援協定が結ばれ(一番下の写真),ようやく修理に取り掛かる事が出来ました.
これを契機に,名無しだった同艦は,「ペルミ」という個艦名を付けられました.
「ペルミ」は現在も修理中ですが,修理が終わった後,2015年まで現役に留まる予定です.
B-414「ダニル・モスコフスキー」は,行動可能状態にある数少ない671RTMK型でしたが,2006年9月6日,作戦任務中に火災事故を起こして損傷,予備役になりました.
B-388とB-138も行動は不活発のようであり,最終艦のB-448「タンボフ」だけが稼働状態にあると見られます.




Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/7/16(月) 午後 6:22
【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍」:ヴィクターIII型原潜「ダニル・モスコフスキー」その1
「ロシア・ソ連海軍」:ヴィクターIII型原潜「ダニル・モスコフスキー」その2
「ロシア・ソ連海軍」:ヴィクターIII型原潜「ダニル・モスコフスキー」その3
【質問】
ヴィクターIII型原潜B-524の略歴を教えられたし.
【回答】
671RTM型(ヴィクターIII型)多用途原子力潜水艦B-524は,レニングラード(サンクトペテルブルク)市のアドミラルティ造船所で建造され,
1976年5月7日起工,
1977年7月31日進水,
1977年12月28日就役.
就役後は北方艦隊に所属し,ザーパドナヤ・リッツァ基地に配備されました.
なお,就役当初はK-524(К-524)という番号でした.
本艦は,1982年10月11日から1992年8月まで「60リェート・シェフストヴァVLKSM」60
лет шефства ВЛКСМ(VLKSM後援60周年)」という個艦名が付けられました.
1986年3月25日から1996年4月18日まで潜水艦修理工廠「ネルパ」に入渠し,最終建造グループの671RTMK型に準ずる近代化改装工事が行われました.
1992年6月3日,改装工事中にB-524(Б-524)に番号変更.
改装終了直後の1996年4月18日,「ザーパドナヤ・リッツァ」Западная
Лицаと命名.
本艦の写真を見ると,他の同型艦と違って,セイルの前方に細長い鉛筆ケースのようなケーシングが有りますが,これは,シレーナСирена(セイレーン)と呼ばれる小型潜水艇の搭載スペースです.
シレーナは,直径532mm,全長8600mm,重量1,367kg,乗員2名の「人間魚雷」ですが,旧日本海軍の「回天」のような自殺兵器ではなく,工作員の運搬用潜水艇です.
サイズ的には魚雷発射管からも撃ち出せますが,本艦のみは,シレーナ搭載スペースが別に設けられました.
最終建造グループと同等の能力を付与されたB-524でしたが,2002年に除籍され,2006年に解体されてしまいました.




Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/7/17(火) 午後 8:34
【質問】
「アムール」型のヴァリエーションについて教えられたし.
【回答】
ロシアの輸出用潜水艦「アムール」型ファミリーには,以下の6タイプが存在します.
・アムール550
・アムール750
・アムール950
・アムール1450
・アムール1650
・アムール1850
この内,アムール1650型が,ロシア海軍用の新型潜水艦プロジェクト677「ラーダ」型として建造が進められているタイプです.
この他,アムール950型(巡航ミサイル潜水艦)も,模型が作られて売込みが図られています.
上記2タイプ以外の「アムール」型ファミリーの詳細は明らかにされていませんが,大まかな主要目は以下の通りです.
●【アムール550型】
水上排水量:550t
水中排水量:750t
全長:46.0m
幅:4.4m
全高:5.2m
速力:水中18ノット
航続距離:1,500海里(シュノーケル航行時)/250海里(水中航行時)
潜航深度:200m
兵装:400mm魚雷発射管×4門
(400mm魚雷×8本)
乗員:18名
行動日数:20日
●【アムール750型】
水上排水量:750t
水中排水量:900t
全長:48.0m
幅:5.0m
全高:5.8m
速力:水中17ノット
航続距離:3,000海里(シュノーケル航行時)/250海里(水中航行時)
潜航深度:200m
兵装:400mm魚雷発射管×4門
(400mm魚雷×16本)
乗員:21名
行動日数:20日
●【アムール1450型】
水上排水量:1,450t
水中排水量:2,100t
全長:58.0m
幅:7.2m
全高:8.2m
速力:水中17ノット
航続距離:4,000海里(シュノーケル航行時)/300海里(水中航行時)
潜航深度:250m
兵装:533mm魚雷発射管×6門
(魚雷,クラブ対艦ミサイル,91RE1対潜ミサイルなど合計16本)
乗員:34名
行動日数:30日
●【アムール1850型】
水上排水量:1,850t
水中排水量:2,600t
全長:68.0m
幅:7.2m
全高:8.2m
速力:水中22ノット
航続距離:6,000海里(シュノーケル航行時)/500海里(水中航行時)
潜航深度:250m
兵装:533mm魚雷発射管×6門
(魚雷,クラブ対艦ミサイル,91RE1対潜ミサイルなど合計16本)
乗員:37名
行動日数:50日
と,このように,顧客のニーズに合わせて大小さまざまなタイプの潜水艦を用意する,と言うのが「アムール」シリーズのセールスポイント・・・・だったはずですが,現実には,アムール型よりも前の世代になる636(キロ改)型潜水艦の購入を望む国が多いです.
877/636シリーズは,1980年以来,合計で50隻以上も建造され,ロシアをはじめとして世界各国で使われているという実績を重視するユーザーが多いのでしょう.
加えて,自国で潜水艦を建造する能力を持つ中国が,2002年に8隻の636型を発注した事も大きいでしょう.
この時点で,ロシア海軍向けのラーダ(アムール1650)型の1番艦は建造されており,中国としては,より新しいアムール1650型を発注するという選択肢も有ったはずです.
しかし中国は,実績のある「キロ級」を発注するという道を選びました.
アムール型の購入を望む国は,今のところ,インドネシアとベネズエラの2ヶ国のみであり,しかもロシア海軍用と同一規格のアムール1650型を導入する予定です.
こちらも,ロシア海軍向けに数隻が建造されているという「実績」が大きいのでしょう.
(現時点では,まだ正式にロシア海軍には引き渡されていませんが)

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/6/21(木) 午後 8:26
【質問】
「レーニネッツ」について教えられたし.
【回答】
戦略任務原子力潜水巡洋艦K -137「レーニネッツ」(К-137"Ленинец")は,「ヤンキー」型のコード名で知られるプロジェクト667A戦略原潜の1番艦であり,1967年11月6日,海軍へ引き渡されました.
http://www.mil.ru/info/1069/details/index.shtml?id=33102
によれば,
>セヴマシュプレドプリャーチェで1966年に進水し,1970年4月,「レーニネッツ」Ленинецという名前を与えられた.
〔略〕
>2003年,潜水巡洋艦は,艦艇修理企業「ズヴェズドチカ」で解体された.
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/11/3(土) 午後 7:38・改
【質問】
ソ連のヤンキー型潜水艦にはいくつバリエーションがあるんですか?
【回答】
英文Wikipediaに詳しいですが,制式名があるものが6種,他に1種で7種類のようです.
軍事板
青文字:加筆改修部分
ただしポルトフの本とか見ると,英wikiにも記載されてない型がある模様.
ヤンキーI型(667A型)
ヤンキーII型(667AM型)
ヤンキー・ノッチ型(667AT型「グリシャ」)
ヤンキー・サイドカー型(667M型「アンドロメダ」)
:巡航ミサイル実験艦
ヤンキー・ポッド型(667AN型):海洋調査・潜水艇母艦バージョンで,09774型「アクソン-2」とも
ヤンキー・ポッド型(667AK型「アクソン-1」)
:実験艦バージョン
ヤンキー・ストレッチ型(09780型) :実験艦,667AK型の改良型
667AU型:667A型にR-27Uミサイル搭載改修を行ったもの
◆r8yFQ7I3po in 軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ヤンキー・ストレッチ型原潜「オレンブルク」について教えられたし.
【回答】
セヴェロドヴィンスク造船所に係留されている特務原潜BS-411「オレンブルク」(旧K-411)は,西側では,「ヤンキー・ストレッチ」型というコード名で呼ばれています.
1960年代後半〜1970年代初頭に掛けて34隻が建造された667A型戦略原潜(ヤンキー型)の内,北方艦隊所属のK-411(1970年就役)は,1983年10月から1990年12月に掛け,セヴェロドヴィンスクで「09774号計画」による特殊任務原潜への改造工事が行われました.
BS-411は,海洋調査・研究を目的とした潜水艦ですが,この他に,小型潜水艇2隻を搭載し,特殊工作員運搬用の潜水艇母艦としての役割も持っておりました.
2002年以降は予備役保管状態となり,海軍は,本艦の代替として,667BDRM(デルタIV)型のK-64(1987年就役)を戦略任務から外し,特務原潜に改造中です.
K-64の改造に当たっては,BS-411の研究設備・潜水艇格納庫区画(船体中央部)が流用されます.
この写真を見ると,セイルのすぐ後ろで船体が切断されており,船体中央区画は切り取られたようです.
ただ,セイル上にはロシア海軍旗(聖アンドレイ旗)が掲揚されており,本艦は,まだ海軍籍に有る事を示しています.
「ヤンキー」型原潜は,この他に,同じく特務原潜に改造されたKS-403「カザン」(旧K-403)が海軍籍に残っておりますが,こちらも,2005年11月9日付で予備役編入されています.


Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/3/23(金) 午後 11:53
【質問】
ロメオ型潜水艦について教えられたし.
【回答】
ロメオ型 Romeo class とは,ソ連海軍 Project
633 型潜水艦のこと.
ウィスキイ型の拡大改良型.ウィスキイ型に比べてやや大型になったほか,前部乾舷がやや高くなり,上部にハーキュリーズおよびフェニックス・ソナーを装備.
また,セイル前縁上部が前方に張り出し,中央部にシュノーケル給気筒支基が突き出ている.
ズール型に引き続いて,ゴーリキー造船所(クラスノエ・ソルモヴォ)にて1959〜1964年にかけて22隻建造.
当初500隻建造の予定が,原潜実現のめどがついたため,その程度の数に縮小されたと見られている.
同型艦は中国,北韓でも建造.
1960年代後期から
エジプトに6隻(1966-69年),
ブルガリアに2隻(1971-72年),
アルジェリアに2隻(1982-83年),
シリアに2隻(1985年),
引渡された.
ロシアでは1987年までに全艦退役,中国でも退役間近と見られる.
北韓には20隻以上残っているらしいが,特攻用にもなるまい.
| 全長 | 77m |
| 幅 | 6.7m |
| 吃水 | 4.9m |
| 水上排水量 | 1330t |
| 水中排水量 | 1700t |
| 主機 | 水上 4000hp 水中 2700hp |
| 速力 | 水上 15.5knot 水中 13 knot |
| 兵装 | 533mm魚雷発射管 艦首 6門 艦尾 2門 機雷搭載可能 |
| 乗員 | 55 |
【参考文献】
『ソ連海軍』(海人社,1987/9/15)
&「グローバル・セキュリティ」などネット・ソース
消印所沢
1,2,5枚目でB-871「アルローサ」の横に停泊している潜水艦は,海上充電池PZS-50です.
元々は633(ロメオ)型潜水艦S-49でしたが,1995年に退役,浮かぶ充電器として使われるようになりました.
1枚目:2006年9月25日撮影

2枚目:2006年10月11日撮影

5枚目:2007年7月26日撮影

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/10/14(日) 午後 4:57
【質問】
ソ連海軍の原子力潜水強襲揚陸艦について教えてください.
【回答】
「717型」というのを60年代に計画している.
全長190m
排水量17600t
搭載可能な兵員256名+戦車/装甲車20両,または1000名+4両
30日間の航海が可能.
図で見るとタイフーン型の艦首に,2つの揚陸用ドアがついているようなスタイルで,これで海岸にのし上げて部隊を上陸させる計画だったようだ.
アホみたいなプランだが,建造に着手するところまでいっている.
すぐに海軍の方針が変更されて中止になったが.
ニュー速+板
※こちらは情報精度不明につき,
その点は留意されたし.
時間的余裕があれば,
ポルトフ本でクロス・チェックの予定.
【質問】
プロジェクト1855型小型潜水艇AS-28について教えられたし.
【回答】
この潜水艇は,プロジェクト940(インディア型)搭載用として造られました.
http://deepstorm.ru/DeepStorm.files/45-92/dss/940/list.htm
AS-28は,プロジェクト1855と呼ばれるタイプです.
http://deepstorm.ru/DeepStorm.files/45-92/sass/1855/list.htm
940搭載用としては,この他に,プロジェクト1837/1837Kというタイプも有りました.
http://deepstorm.ru/DeepStorm.files/45-92/sass/1837/list.ht
2005年8月4日,カムチャツカ沖で遭難し,8月7日,イギリスの無人潜水艇「スコーピオン」に救助されました.
ロシア連邦国防省公式サイトによれば,AS-28は救助された後,ロシア内陸部ニジーニー・ノヴゴロド市に有るザヴォート「クラスノエ・ソルモヴォ」へ送られ,近代化改装が行われていました.
この改装で,AS-28は,最新の航行補助装置を装備し,20年前のアナログ・システムは,デジタルに換装され,10ミリのワイヤーロープ切断と水中溶接が出来る新型マニピュレーターが装備されました.
2008年4月,ロシア海軍太平洋艦隊へ復帰しました.
改装を終えたAS-28は,鉄道でウラジオストクへ運ばれ,カムチャツカへ移送されました.
1855型ですが,現在の母艦は,プロジェクト05360救助艦です.
http://warfare.ru/?lang=&catid=302&linkid=2157



Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/4/25(金) 午後 7:41
青文字:加筆改修部分
【質問】
一等自営業せんせーの漫画に,旧ソ連の脅威を描く事例として,新潟の海岸(海底だったか)にソ連の海底戦車のキャタピラのあとが・・・うんぬんというのがありますが,正体はいったいなんでしょうか?
【回答】
当時の資料なんぞを引っ張り出してみると,これはソ連軍情報部(GRU)が70年代に,WW2時のドイツが設計開発した小型潜水艇の資料を元にして製造したもので,スペツナズの海軍部隊に所属して秘密浸透・攪乱・破壊工作を行っていたとされています.
1982年10月,スウェーデンのストックホルム近くのバルト海海底で履帯の痕が発見され,同時に太い竜骨(キール)の痕も発見されたことから,キャタピラ付の小型潜水艇が母艦とランデブーし,スペツナズが秘密工作を行ったのではないかと当時話題になりました.
また,日本でも1983年4月頃に,津軽海峡の海底で同様の履帯の痕が発見されたと言う報道があり,同じくスペツナズの秘密工作ではないかと言われました.
一応写真などもあり(海底探査用とされている),それらしきものがあったのは確かなんでしょうが,本当に上記の秘密工作に使われていたかどうかは分かりません.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE in 軍事板
◆◆◆◆◆キロ型
【質問】
中国も導入しているキロ型潜水艦って,どの程度のものなのか?
【回答】
一言で言えば「優秀な平凡作」.
ディーゼル潜水艦の「西の横綱」がドイツの209型シリーズなら,「東の横綱」はキロ型,と言ったところか.
キロ型の正式名称は,プロジェクト877「パルトゥース」型と言うが,ロシアにおいては「ワルシャヴァンカ」型という呼び名の方が広く用いられている.
「ワルシャヴァンカ」型は,大きく分けて,以下の4タイプが有る.(この他にもサブタイプが幾つか有るが省略)
・877:ロシア(ソ連)海軍向けの基本型
・877EKM:輸出用ダウングレード版
・877(4B):ロシア海軍向け後期型
・636:4Bの輸出用バージョン
変り種としては,あまりというか全然知られていないが,試験的にポンプジェット推進を導入した877V型が1隻だけ建造されている.
(現在,ロシア黒海艦隊所属のB-871)
877(4B)と636をゴッチャにしている資料が多いようだが,上記のように,まったくの別物.
なぜゴッチャにされるようになったのかと言うと,1997年のタイ国際兵器見本市に,ロシアが877(4B)のBN-529を,636の「見本」として「出品」したためと思われる.
この時点では,ホンモノの636は,中国向けにロシア国内で建造中だったので,タイまで持ってきて展示する事は不可能だね.
1番艦の就役が1982年で,最終艦は1994年頃の就役.
輸出型の最新版636は1998年の就役.
……といった具合に,長期間に渡り改良されながら建造されてきたタイプなので,初期型と最新型では,かなり能力に差が有ると見るべきだろう.
1980年代の艦,といって侮っちゃいけません.
(そんなコト言ったら,1番艦が1976年就役で,今なお米海軍原潜の主力であるロサンゼルス級も「旧式艦」という理屈になる(笑))
速力や航続距離などと言った,目に見えるスペックはショボイが,数字には表れない静粛性には優れている.
(スペックだけ見れば,「ワルシャヴァンカ」よりも旧日本海軍の水中高速潜水艦伊二〇一型の方が速いし,航続距離だって,旧日本海軍の巡潜型や海大型の方が長い(笑))
自国近海で敵の潜水艦とかを待ち伏せするのには最適の艦と言える.
(逆に言えば,外洋での攻勢任務には不向き)
兵装は基本的には魚雷のみで,533mmウェーキ・ホーミング魚雷(航跡追尾魚雷)も運用可能.
イランには,「ワルシャヴァンカ」と533mmウェーキ・ホーミング魚雷がセットで売られ,さらにイランが,米海軍が見ている鼻先で,これ見よがしにウェーキ・ホーミング魚雷の発射訓練を行って見せ,アメリカの神経を逆撫でしたコトもあった.
ちなみに,巷で話題の「シュクヴァール」の運用能力は無い模様.
さらに今後,インドと中国の「ワルシャヴァンカ」には,ロシア版GPSのGLONASSで誘導される対艦巡航ミサイル「クラブS」(射程300km)の運用能力が付与される.
インドの艦は,最終艦が新造時から搭載,それ以前の艦は,ロシアで順次改装工事を行って搭載される.
中国の艦は,今後就役する8隻は新造時から搭載,既に就役済みの4隻には,今後導入される.
これにより,潜水艦のみならず,水上艦艇にとっても「怖い存在」になる.
中国海軍は,導入当初,「ワルシャヴァンカ」を使いこなせずにトラブルが続出していたが,これは,今まで博物館行きの超骨董品潜水艦を使っていたのに,いきなり「最新鋭艦」を導入したための技術ギャップと,本来,このような新鋭艦を導入する場合,乗員予定者を全員ロシアに派遣してみっちり訓練すべきなのに,将兵の派遣費用をケチって艦長予定者や一部の幹部予定者だけを留学させたために,末端の乗員が操作に慣れていなかった事などが挙げられよう.
軍艦は,艦長以下乗員が一体とならなければ,まともに動かせない.キャプテンだけ分かっていたってダメ(笑)
さすがに,導入からかなり経っているので,最近ではどうにか使いこなせるようになった模様.
ただ上記のように,基本的には「待ち伏せ用潜水艦」なので,これで日本近海まで行って海上自衛隊に挑むのは,不可能ではないが,極めて無謀な行為と言わざるを得ない(笑)
(つーかハッキリ言って,本型の長所を殺す自殺行為でしか無い)
まあ,日本が再び中国本土上陸でも目論むのなら,「重大な障害」となって立ち塞がる事であろうが(笑)
AIP搭載のオプションも有るけど,これは,船体を中央あたりでブッタ切り,その間に全長20mのAIP区画を挿入するというモノ.
設計主任マカロフ技師曰く「私個人としては,あまりお勧め出来ない」とのコト.
そこまで大規模な改造工事を行い,船体を延長してまでAIPを導入するのは割りに合わない,というコトだろうね.
さすがにコレは,どこの国も導入していないし,今後も,誰も導入しないと思われ.

【質問】
キロ型を使っている国を教えてください.
【回答】
ロシアを初め7ヶ国で使われている.
プロジェクト877「ワルシャワンカ」型(キロ型)使用国一覧
・ロシア(24隻建造,5隻除籍)
・インド(10隻)
・ポーランド(1隻)
・ルーマニア(1隻)
・アルジェリア(2隻,更に2隻購入?)
・イラン(3隻)
・中華人民共和国(6隻就役済み,更に6隻購入予定)
★「ワルシャワンカ」の写真
・ロシア海軍
http://tuku.military.china.com/military/html/3/33/106/3-33-106-345_1.html
・中国海軍
http://tuku.military.china.com/military/html/1/13/182/1-13-182-443_1.html
アメリカは,1995年に「潜水艦脅威の拡散」などというレポートを書いたくらい,「ワルシャヴァンカ」型の「拡散」に神経を尖らせていたものだが,さすがに今後,これ以上ユーザーが増える事は無いと思われ.

シア・クァンファ in mixi
【質問】
キロ型はロシア海軍向けには何隻作られたのですか?
【回答】
ロシア(旧ソ連邦)海軍の「ワルシャワンカ」全リスト
●現役艦
B-445:1988年1月30日就役(アムール造船所),太平洋艦隊・第19潜水艦旅団
B-187:1991年12月30日就役(アムール造船所),太平洋艦隊・第19潜水艦旅団
B-260:1981年12月30日就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所),太平洋艦隊・第19潜水艦旅団
B-345:1994年1月22日就役(アムール造船所),太平洋艦隊・第19潜水艦旅団
B-494 :1990年12月30日就役(アムール造船所),太平洋艦隊・第182潜水艦旅団
B-190:1993年就役(アムール造船所),太平洋艦隊・第182潜水艦旅団
B-394:1988年12月就役(アムール造船所),太平洋艦隊
・第182潜水艦旅団
B-402「ヴォログダ」:1984年12月就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所),北方艦隊・第161潜水艦旅団
B-459「ウラジカフカース」:1990年9月30日就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所)北方艦隊・第161潜水艦旅団
B-471「マグニトゴルスク」:1990年12月30日就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所)北方艦隊・第161潜水艦旅団
B-800「カルーガ」:1989年9月30日就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所)北方艦隊・第161潜水艦旅団
B-808「ヤロスラヴリ」:1988年就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所),北方艦隊・第161潜水艦旅団
B-177「リペツク」:1991年12月30日就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所)北方艦隊・第161潜水艦旅団
B-806:1991年就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所),バルト海艦隊・潜水艦大隊
B-227:1983年2月23日(就役アムール造船所),バルト海艦隊・潜水艦大隊
B-871「アルローサ」:1990年12月30日就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所),黒海艦隊・第247潜水艦大隊
B-401「ノヴォシビルスク」:1984年10月30日就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所),2002年よりオーバーホール,北方艦隊
B-439:1986年12月30日就役(アムール造船所),2004年よりダーリザヴォートでオーバーホール,太平洋艦隊
B-340:2004年竣工?(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所)
このうち,
オーバーホール中のB-401「ノヴォシビルスク」,
B-439,
2004年にいちおう竣工したらしいB-340
以外の艦は稼動状態に有ると見て良いでしょう.
各艦隊合計で16隻になりますね.
●退役艦
B-248:1982年9月就役(アムール造船所),太平洋艦隊,2001年除籍
B-229:1983年10月30日就役(アムール造船所),太平洋艦隊,2002年10月除籍
B-404:1984年(?)就役(アムール造船所),太平洋艦隊,2002年10月除籍
B-405:1984年12月30日就役(アムール造船所),太平洋艦隊,2002年10月除籍
B-464:1990年1月30日就役(アムール造船所),太平洋艦隊,2002年10月除籍
「ワルシャワンカ」も,1990年代末から2000年代初頭には稼動率が落ち込み,リストにあるように,太平洋艦隊所属の877型が2001年〜2002年に5隻除籍されております.
太平洋艦隊のウラジオストク(ウリス湾)駐留潜水隊は,1998年には稼動隻数は2隻にまで減少し,「潜水艦大隊」に「格下げ」されたそうですが,その後,稼動隻数が増えた為か(4隻)「今現在」では「第19潜水艦旅団」なる部隊が存在しているようです.
2002年に巡洋艦ワリャーグ,ミサイル艇R-29と共に横須賀を訪問したB-345も,「第19潜水艦旅団」所属です.
●仮番号艦
上記の他,外国向けに建造された877型が,引渡し前,仮にロシア海軍のBナンバーを付与されていたケースも有ります.
B-888:インド海軍 S-55「シンドゥゴーシュ」
B-898:インド海軍S-56「シンドゥヴァジ」
B-860:インド海軍S-58「シンドゥヴィル」
B-804:インド海軍S-60「シンドゥケサリ」
B-468:インド海軍S-61「シンドゥキルティ」
B-597:インド海軍S-62「シンドゥヴィジャイ」
B-477:インド海軍S-63「シンドゥラクシャク」
B-470:インド海軍 S-64「シンドゥシャストラ」
B-175:イラン海軍「タレク」
B-224:イラン海軍「ヌール」
B-220:イラン海軍「ユネス」
B-185:中国海軍364号
B-188:中国海軍365号
ネットなどで
「ロシア向けの877型は30隻以上造られた」
などと書かれているサイトが有りますが,それは,外国向け建造艦の仮のBナンバーもゴッチャにしている為と思われます.
特に,イラン海軍向けの877に関しては,
「ロシア海軍の中古艦が引き渡された」
などと記されているサイトを目にしますが,事実は上記の通り.
シア・クァンファ in mixi
【質問】
キロ型潜水艦B-187について教えられたし.
【回答】
ロシア海軍のプロジェクト877ディーゼル・エレクトリック潜水艦B-187(Б-187)は,西側ではキロ型(Kilo
class)というコード名で知られています.
極東方面のアムール造船所で建造.
1991年5月7日起工
1991年10月5日進水
1991年12月30日就役
1992年,太平洋艦隊編入.ペトロパブロフスク・カムチャツキーの第182潜水艦旅団配属.
本艦は,プロジェクト877後期建造型(4B型)です.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/10945814.html
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/15324588.html
就役から5年後の1997年10月,本艦は,タイ国際兵器展示会
に「出展」されました.
『世界の艦船』1998年(平成10年)1月特大号でも取り上げられています.
http://www.ships-net.co.jp/detl/199801/indexj.html
http://www.ships-net.co.jp/detl/199801/thai97j.html
この時,本艦のタラップには「БН-529 РОССИЯ」と書かれており,これを見た西側観測筋は,本艦の名前を「BN-529"ロシア"」だと勘違いしてしまいました.
『グローバルセキュリティー』より
http://www.globalsecurity.org/military/world/russia/877-list.htm
>Project 636, NATO code "Kilo"(export
type)
>1 BN-529 Rossiya display ship of Rosvoorouzhenie
「プロジェクト636の1番艦BN-529"ロシア"は,ロシア兵器輸出公社の展示艦である」
と記載されています.
もちろん,これはウソです.
1998年,ウラジオストクのウリス湾の第19潜水艦旅団に転属.
B-187は,現在,修理中です.
5〜7枚目:B-187艦内



Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/7/2(水) 午後 9:09
【質問】
キロ型潜水艦B-227について教えられたし.
【回答】
・B-227(Б-227):
極東アムール造船所で建造
1982年2月23日起工,
1982年9月16日進水,
1983年2月23日就役
当初は太平洋艦隊へ配属され,1986年2月14日,バルト艦隊へ転属
2004年,オーバーホール
ロシア海軍バルト艦隊の第123独立潜水艦大隊所属.
Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/5/24(土) 午後 8:29
【質問】
キロ型潜水艦B-806について教えられたし.
【回答】
・B-806(Б-806)
:ロシア内陸部クラスノエ・ソルモヴォ造船所で建造
1984年10月15日起工,
1986年4月30日進水,
1986年9月25日就役
黒海で公試が行われ,当初は黒海艦隊へ配属される予定だったが,就役後はバルト艦隊へ配備
2000〜2003年,アドミラルティ造船所でオーバーホール
ロシア海軍バルト艦隊の第123独立潜水艦大隊所属.
Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/5/24(土) 午後 8:29
【質問】
「アルローサ」について教えられたし.
【回答】
プロジェクト877Vの B-871「アルローサ」Б-871"Алроса"は,ロシア内陸部のゴーリキー(現ニジーニー・ノヴゴロド)にあるクラースノエ・ソルモーヴォ造船所で建造され,1988年5月17日起工,1989年9月進水,1990年12月30日に就役しました.
水面上だけ見れば,他の877型(キロ級)と変わりませんが,写真で見ればお分かりの通り,艦尾だけが異なっています.
ポンプジェット推進は,静粛性の点では有利ですが,推進効率は悪いので,パワーの有る原子力潜水艦向けと言えます.
ディーゼル潜水艦877型にポンプジェットを付けたのは,単なる実験用です.
1隻だけ建造された877V型は,黒海艦隊に配備されました.
同艦隊は,ソ連邦時代には,各種新型機器の実験試作も行なっており,ウクライナのフェオドシヤ軍港には,ソ連海軍の新型機器実験センターが置かれていました.
ポンプジェット試作艦が黒海艦隊に配備されたのも当然でしょう.
黒海艦隊に配属されたB-871でしたが,配備から1年後にはソ連邦解体.本艦もロシア・ウクライナ間の「黒海艦隊帰属問題」に無関係で居られるはずも無く,おまけにバッテリーの調子が悪かった事も重なり,1990年代前半は,港に係留されたまま時を過ごしていました.
まともに動けるようになったのは,1996年以降でした.
この事が,例によって西側には曲解されて伝わり,
「ポンプジェット推進のキロ級は運用実績が悪かった」
などと誤解されている事が多いようです.
2004年1月5日,B-871は,「アルローサ」の個艦名を付けられました.
ちなみに,「アルローサ」は,ロシアのサハ共和国にある貴金属・宝石製品の会社名です.
「АК "Алроса"」
ロシアの潜水艦には,地名を付けている艦が多いのですが,稀に企業名を付けているのも有ります.
本艦以外では,タイフーン型原潜の「セヴェルスタル」も会社名です.
なお,2005〜2006年頃には,セイルの横に艦名の"АЛРОСА"が書かれていましたが,2007年の最新の写真(いちばん下)では見当たらず,消されたようです.
(会社名を宣伝していたんでしょうか?(^^;)
ロシア海軍は,B-871以外にはポンプジェット潜水艦を建造していませんでしたが,今年4月15日に進水した新型戦略原潜ユーリー・ドルゴルキィ(955型)は,これまでの予想を覆すポンプジェット推進である事が判明しました.
877V型のテストの成果が,ようやく日の目を見ることになったわけです.
1枚目:プロジェクト877V

2枚目:B-871のポンプジェット推進器

3枚目:航行中のB-871(2005年7月31日撮影)

5〜7枚目:ドック入りしたB-871(2005年12月10日撮影)


Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/4/28(土) 午前 11:29
【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍」:今月のアルローサ(2008年6月23日)
「ロシア・ソ連海軍」:潜水艦B-871「アルローサ」Б-871"АЛРОСА"
「ロシア・ソ連海軍」:潜水艦B-871「アルローサ」Б-871"АЛРОСА"その2
「ロシア・ソ連海軍」:ポンプジェット実験艦「アルローサ」近影(2008年1月25日)
「ロシア・ソ連海軍」:ポンプジェット実験艦「アルローサ」近影(2008年2月〜3月)
「ロシア・ソ連海軍」:ポンプジェット実験潜水艦「アルローサ」近影(2008年4月)
【質問】
AIP潜水艦「サロフ」について教えられたし.
【回答】
ブリテンのメディア『デイリー・テレグラフ(The
Daily Telegraph)』が,9月12日付けでこんなニュースを報じました.
大失敗-ロシア人は,ウェブ上に「秘密」の潜水艦計画を公表した
ロシアに居る外国のスパイは,サロフ市の職員から,予想外の贈り物を貰った.
彼らは,地方行政府のウェブサイトにおいて,極秘の新型潜水艦の詳細を誤って公表してしまったのである.
・ロシアは,ウラジーミル・プーチンの第1の選択に茫然とした.
厄介なリークは,ロシアの主要核研究施設が在る閉鎖都市で行われた機密潜水艦の艦長と市当局職員の間の秘密の会合に続いて起こった.
過度に熱心な職員は,会合の内容を詳細に記したプレス・リリースを書いてしまった.
試作型潜水艦の艦長セルゲイ・クロシュキン大佐の名前を出しただけに留まらず,プロジェクトのコード番号20120まで明らかにした.
.
潜水艦の排水量が3,950トンである事を含め,他の技術的・戦術上の仕様書も公表された.
この話が地元新聞によって取り上げられるまで,職員は誤ちに気が付かなかった.
問題のプレス・リリースは,今,ウェブサイトから削除されている.
また,ロシア海軍,国防省,及び軍需産業は全て,プロジェクト20120の存在を否定した.
データを検討した軍事評論家は,「サロフ」という名の新しい潜水艦の外見は,遥かに大型ではあるものの,最も静粛な潜水艦の1つとして世界でも定評がある,伝説的なソ連のキロ型潜水艦「タルボット」に類似している事を示唆した.
ロシアの主要な新聞である「コメルサント」は,漏らされた20120型の詳細は,就役中の他の潜水艦と根本的に異なる技術が含まれている事を示唆している,と報じた.
同紙は,ロシア海軍が,ディーゼル機関潜水艦に小型原子炉を搭載し,20日間浮上せずに水面下をパトロール出来るようにするソ連時代の計画を成功裡に復活させたのではないかと見ている.
現用のロシア潜水艦は,少なくとも3〜4日に一度は海面に浮上しなければならない.
〔略〕
======================
本文記事中で,ソ連のキロ級潜水艦「タルボット」Soviet
Kilo Class “Turbot”と書かれていますが,この「タルボット」は個艦名では無く,プロジェクト877のロシア側計画名「パルトゥス」Paltus(Палтус)の英語訳です.
あと,これまたブリテンの軍事掲示板でも,20120型について触れられています.
http://forum.keypublishing.co.uk/showthread.php?t=74256
[プロジェクト20120「サロフ」Саров主要目]
全長:72.6m
幅:9.9m
喫水:7m
排水量:水上2,300t/水中3,950t
潜航深度:300m
速力:水上10ノット/水中17ノット
最大行動日数:45日
排水量以外は,877型と変わりません.
これらの情報を総合すると,20120型は,877型に「小型核動力プラント」を搭載したAIP(Air-Independent
Propulsion非大気依存推進)潜水艦のようです.
上記掲示板では"Nuclear Submarine"(原子力潜水艦)などと書かれていますが,これは「通常動力潜水艦」です.
「小型核動力プラント」は,あくまでも「補助機関」です.
現在,通常動力潜水艦用AIP(非大気依存推進)としては,以下の5種類が考えられています.
閉サイクル・ディーゼル
閉サイクル蒸気タービン
スターリング機関
燃料電池
小型核動力プラント
小型核動力プラントは,フランスで「提案」されていますが,同国はこれの実物を製造していません.
フランスは実用AIPとして,閉サイクル蒸気タービン「MESMA」を開発し,パキスタン向けのアゴスタ90B型に搭載しています.
ロシアは,燃料電池式AIP「クリスタール27E」を開発していますが,原子力大国だけに,小型核動力プラント方式AIPを開発していたとしても不思議では無い.
旧ソ連は,1985年,小型核動力プラント「VAU-6」ВАУ-6を開発し,通常動力潜水艦B-68(プロジェクト651E,ジュリエット型)に搭載してテストを行いました.〔下図〕
つまり,小型核動力プラントVAU-6或いは,その改良型を,877型に搭載したのがプロジェクト20120「サロフ」という事でしょう.
おそらく,ロシア海軍に在籍するプロジェクト877前期建造型の近代化改装プランとして考えられたものでしょう.
ちなみに,サロフ(旧アルザマス16)は,ロシアの核兵器開発の中心地で,モスクワから東へ約500キロ,ソ連最初の原爆が製造された軍事機密都市です.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/9/17(月) 午後 8:00
【関連リンク】
◆◆◆◆タイフーン型
【質問】
タイフーン型の正式名称は?
【回答】
プロジェクト941「アクラ」型.
フツー,「"アクラ"型原潜」と言えば,ロシア最新の攻撃原潜を思い浮かべる人が多いよね.
でも現実は上記の通り.
当然ロシア側の資料では,タイフーン型を「"アクラ"型原潜」と呼称しているケースが多い.この点,注意が必要だね.
このクラスが「タイフーン」のコード名を付けられたのは,元々,ソ連側の発表によるもの.
同型の出現当初,西側はこのタイプを「シエラ」型と呼称するつもりだったが,当時のソ連邦軍参謀総長オガルコフ元帥が
「この度,新型原潜タイフーンが就役した」
と発表した,と伝えられたので,タイフーン型と呼ぶコトになった.
が,繰り返すように,同型のロシア側名称は「アクラ」型だ.
じゃ,「タイフーン」はナニ?というコトになるが,どうもコレは,「"アクラ"型戦略原潜」が搭載する弾道ミサイルの名前だったらしい.
オガルコフ元帥は,おそらく,
「この度,"タイフーン"(ミサイル)を搭載した新型原潜が就役した」
と言ったのではないだろうか.
それが誤って伝えられ,「"タイフーン"型戦略原潜」になってしまったのではないか?と推測される.
【質問】
なぜタイフーン型原潜は,あんな大型艦となったのか?
【回答】
「世界の艦船」2004年10月号(p.31)によれば,
ソ連初の固体推進SLBMであるSS-N-20(射程4,500浬)を搭載するため.1基90tに達するこのミサイルを,タイフーン Typhoon 型は20基搭載している.
かつ,氷海における浮上発射を可能とするため.
だという.
しかし,肝心のSS-N-20の運用実績が芳しくなく,既に3隻が現役を退いている
というオチがついている.
以下は岡部いさくによる,もう少し詳しい解説.
ソ連は液体燃料のR-29シリーズよりも即応性が高い固体燃料の長距離射程複数弾道ミサイルを,多くの困難の末に開発し,1984年から実戦化した.
これがR-39(SS-N-20)で,射程は4600浬,10個の弾頭を装備できるが,直径,全長共にR-29RMを上回る物となった.
これを搭載する潜水艦も当然大型化せざるを得ず,従来からの配置では船型が過大になるため,全く新しい配置を採用した.
2本の耐圧船体を左右に並べ,その中間の前部にミサイル発射筒20基を並べ,後部には発令所を含む,もう一つの耐圧部分を載せるというものである.
こうして設計されたのがタイフーン Typhoon 型で,排水量は水上23,200t,水中48,000tと史上最大の潜水艦となった.
この巨体と強固なセイル構造により,タイフーン型は北極海の,厚さ2.5mの氷を割って浮上することが可能であった.
氷海では西側の水上艦艇や対潜哨戒機による探知を受け難く,しかも巨大なタイフーン型は魚雷1,2本の命中では撃沈されにくいため,タイフーン型の出現は西側にとっては大きな脅威であった.
巨大なだけあって,タイフーン型の居住性は非常に高く,艦内にはサウナやプールまで設けられていた.
タイフーン型は1976〜85年に6隻が起工され,1982〜1990年に就役した.
当初の構想では20隻を建造するはずだったが,R-39はアメリカのトライデントに比べて性能が劣るとされ,建造経費も高価だったために6隻で打ち切られた.
運用経費も高くつき,冷戦後のロシア体制では予算が得られず,既に1隻が除籍され,3隻が予備役となり,現役とされているのは1隻のみという.
( from 「世界の艦船」2004年10月号,p.86-87)
【質問】
タイフーン型は何隻建造されたのですか?
【回答】
タイフーン型戦略原潜として知られている,史上最大の潜水艦(水中排水量48,000トン!)プロジェクト941重原子力戦略任務ロケット潜水巡洋艦「アクラ」型は6隻建造されています.
941型全艦リスト
★TK-208「ドミトーリー・ドンスコイ」
1981年12月12日就役.1992年,ミサイル試射中に爆発事故を起こし,船体を損傷.
以降,修理及び改装工事を行い,2003年現役復帰.
新開発の弾道ミサイル「ブラーワ」の試験艦として各種テストに従事している.
★TK-202
1983年12月28日就役,既に退役,解体.
★TK-12
1984年12月27日就役,既に退役.
★TK-13
1985年12月29日就役,既に退役.
★TK-17「アルハンゲリスク」
1987年11月6日就役.1992年,弾道ミサイル搭載作業中に火災発生,船体損傷.
2004年初頭に行われた戦略原潜のミサイル発射演習においてプーチン大統領が乗艦し,演習を視察.
既に予備役編入.
★TK-20「セヴェルスタル」
1989年9月4日就役
★TK-210
建造中止
現在,「Google Earth」でタイフーン型6隻全てを見ることができます.
ザーパドナヤ・リッツァ基地ニェールピチャ湾には現役艦3隻(ドミトリー・ドンスコイ,アルハンゲリスク,セヴェルスタル)が,
セーヴェロドヴィンスク市には退役艦3隻(TK-202――解体中――,TK-12,TK-13)が係留されています.
941型の写真
http://tuku.military.china.com/military/html/3/32/102/3-32-102-330_1.html
シア・クァンファ in mixi
▼ 下の写真は,ザーパドナヤ・リッツァのニェールピチャ湾に停泊する5隻のプロジェクト941(タイフーン型)戦略原潜.
(ニェールピチャ湾 http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/28076805.html)
撮影時期は不明ですが,以下の941型6隻の行動記録から推察すると・・・
[TK-208]1981年12月29日就役,1982年12月22日配備
1989年9月,改装のためセヴマシュ造船所へ回航
[TK-202]1983年12月28日就役,1984年1月18日配備
1989〜1994年,ズヴェズドーチカ工廠で修理
1995年3月,ニェールピチャ基地へ戻る
1999年8月,セヴマシュ造船所へ回航,そのまま除籍
[TK-12]1984年12月26日就役,1985年1月15日配備
1991年9月,セヴマシュ造船所へ回航
1998年,ニェールピチャ基地へ戻る
2005年,解体の為セヴマシュ造船所へ回航
[TK-13]1985年12月26日就役,1986年2月15日配備
2007年,解体の為セヴマシュ造船所へ回航
[TK-17]1987年12月15日就役,1988年2月19日配備
2002年,修理の為セヴマシュ造船所へ回航
[TK-20]1989年12月19日就役,1990年2月28日配備
2001年,修理の為セヴマシュ造船所へ回航
……というわけで,5隻がニェールピチャ基地に揃っている時期は,1998年後半〜1999年7月末に限られており,この期間に撮影された写真でしょう.
ニェールピチャ湾に停泊する941型を撮影した写真は結構ありますが,たいていは2,3隻程度しか停泊しておらず,5隻も停泊している写真は珍しいでしょう.

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/5/25(日) 午後 7:33
▲
【関連リンク】
「Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜」:タイフーン型戦略原潜「ドミトリー・ドンスコイ」作戦配備25周年
「ワレYouTube発見セリ」:Русская Акула (ロシア海軍、941型タイフーン級戦略ミサイル搭載原子力潜水艦)
【質問】
戦略原潜「アルハンゲリスク」について教えられたし.
【回答】
http://www.severnyflot.ru/news.php?extend.754
によれば,プロジェクト941「アクラ」型,西側が呼称するところのタイフーン型で,1987年11月6日就役.
1987年12月,海軍に引き渡され,北方艦隊所属となった.
当初の艦名は「TK-17」.
1992年,弾道ミサイル搭載作業中に火災発生,船体損傷.
アルハンゲリスク市が(TK-17に対する)多大の支援を決定したことから,2002年12月,ロシア連邦海軍総司令官によって「アルハンゲリスク」と命名された.
2004年2月に行われた戦略部隊演習において,ロシア大統領ウラジーミル・プーチンが「アルハンゲリスク」に乗艦.
2007年10月7日には,「アルハンゲリスク」の将校達は,国家元首の55歳の誕生日パーティーに招待された.
2007年12月2日,艦の就役20周年及び「アルハンゲリスク」命名5周年の記念日を祝う行事が,ザオゼルスク市役所で行われ,潜水艦の乗組員は代表団より贈り物を受け取ったという.
ザオゼルスク市Заозёрскは,TK-17が駐留するザーパドナヤ・リッツァ海軍基地が所在する閉鎖都市で,人口は2005年1月1日現在で13,075人です.
TK-17アルハンゲリスクは,2002年1月8日から11月9日に掛けてセヴマシュ(セヴェロドヴィンスク造船所)で改修が行われており,艦自体は行動可能状態に維持されているようです.
ただ,搭載ミサイルR-39は既に運用期限を過ぎているので,事実上の予備役といって宜しいでしょう.
(弾道ミサイルの無い戦略原潜なんて・・・・)


Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/12/3(月) 午前 7:06
青文字:文章改修部分
【質問】
タイフーン型の現状は?
【回答】
タイフーン型のコード名で知られるプロジェクト941アクラ型戦略任務重原子力海中巡洋艦(ТАПКСН)
同型は6隻が就役しましたが,3隻は除籍,うち2隻は解体されています.
現在もロシア海軍籍に有る3隻の状況は,以下の通りです.
【TK-208「ドミトリー・ドンスコイ」】(1981年12月29日就役)
1989年9月20日,セヴマシュへ回航,バルク(R-39M)を搭載する941U改装へ着手
1991年,改装中止
1996年,ブラヴァーMを搭載する941UM改装へ着手
2002年6月26日,941UM改装工事終了
2002年6月30日,海上テスト開始
翌2003年も引き続き海上テスト続行
2005年9月,ブラヴァーM海上発射テスト成功
【TK-17「アルハンゲリスク」】(1987年12月15日就役)
2002年1月8日〜11月9日,セヴマシュで修理
2003年10月15日,カムチャツカ(クラ)へミサイル発射
2004年2月17日,ロシア大統領ウラジーミル・プーチン乗艦
2004年4月29日,予備役
「ブラヴァーM」を搭載する941UM改装が計画されている.
【TK-20「セヴェルスターリ」】(1989年12月19日就役)
2001年10月〜2002年12月,セヴマシュで修理
2004年4月29日,予備役
「ブラヴァーM」を搭載する941UM改装が計画されている.
3隻は,ニェールピチャ湾を母港とする第18潜水艦師団に所属しています.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/28076805.html
改装されたTK-208は無論の事,TK-17とTK-20も,2000年代初頭に修理を受けており,艦の状態は良好のようです.
新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルキーの初代艦長コンスタンチン・ミトキン氏(1969年生まれ)は,艦長に任命される前は,ずっとTK-17で勤務しておりました.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/24971635.html
改装済みのTK-208の他,TK-17とTK-20の2隻も「ブラヴァーM」搭載艦(941UM)に改装する計画が有り,当面はロシア海軍に留まり続けるようです.
Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/5/25(日) 午前 11:25
【質問】
「タイフーン」型「セヴェルスターリ」について教えられたし.
【回答】
プロジェクト941「アクラ」戦略任務重原子力海中巡洋艦(ТАПКСН)TK-20「セヴェルスターリ」ТК-20"Северсталь"
西側では,「タイフーン」型のコード名で知られる史上最大の潜水艦です.
本艦は,その「タイフーン」型の最終艦になります.
「セヴェルスターリ」は,ロシアの鉄鋼会社です.
http://www.severstal.com/
1985年1月12日,海軍籍登録
1985年8月27日,起工
1989年4月11日,進水
1989年12月19,日就役
1990年2月28日,北方艦隊の第18潜水艦師団へ配属.
1995年8月25日,北極海でR-39弾道ミサイル発射テスト.
1999年7月24日,セヴェロモルスクでパレードに参加.
2000年5月31日,株式会社「セヴェルスターリ」は,TK-20と支援協定を締結.
2000年6月20日,ロシア海軍総司令官,TK-20を「セヴェルスターリ」と命名.
2001年10月〜2002年12月,セヴマシュで修理
2004年4月29日,予備役
2004年8月,セヴマシュへ回航
2007年8月,当時のロシア海軍総司令官ウラジーミル・マソリン上級大将は,在籍する941型を,2015年までに「ブラヴァーM」搭載艦へ改造する意向を明らかにした.
2008年1月18日,株式会社「セヴェルスターリ」は,2008年もTK-20への後援を継続する事で同意.
そして今も,「セヴェルスターリ」は第18潜水艦師団に所属し,ニェールピチャ湾に駐留しています.
上述のように,弾道ミサイルを「ブラヴァーM」に換装する941UM改造を行なう構想は有りますが,まだ実行に移されてはいません.









Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/4/13(日) 午後 7:39
【質問】
「タイフーン」型の輸送船改造案について教えられたし.
【回答】
ロシア海軍の「タイフーン」型弾道ミサイル原子力潜水艦(SSBN)(プロジェクト941重戦略任務原子力ロケット潜水巡洋艦)は,既に3隻が除籍され,2隻が解体されています.
同級は運用コストの高さもあって,1990年代後期から活動は不活発となり,90年代末には動ける艦は2隻だけ(TK-17とTK-20)という有様でした.
そこで事実上退役状態にある941型戦略原潜の「民間転用」策として,輸送船への改造案が出てきました.
これは,ロシアのニッケル採掘企業「ノリルスク・ニッケル」の原子力砕氷/潜水輸送船として,シベリア地方のドゥディンカ(Дудинка)-ディクソン(Диксон)からムルマンスクまでニッケル鉱石輸送を行なうというものでした.
このルートは,原子力砕氷船アルクチカ級で航路を啓開しながらニッケル鉱石を輸送する必要がありました.
つまりニッケル鉱石を運ぶには,原子力砕氷船と鉱石輸送船が必要となるのですが,941型戦略原潜改造の潜水(砕氷)輸送船を造れば,原子力砕氷船は要らなくなるから,その分,輸送コストは安くなるだろう,と考えられたわけです.
この941型戦略原潜改造輸送船は,
"Подводное Транспортное
Судно"(Submarine Cargo Vessel)
と呼ばれていました.
941型戦略原潜を設計したルビーン設計局が作成した設計案(上の図面)によると,同型の弾道ミサイル発射筒及び魚雷発射管区画を撤去し,代わりに鉱石搭載スペースを設け,船首を砕氷構造にする予定でした.
鉱石搭載量は15,000tです.
改造費用は1隻当たり約8,000万ドルと見積もられていました.
当時,ロシア海軍は財政難に喘いでおり,「副業」として貨物輸送の「アルバイト」をする弾道ミサイル原潜まで居る有様だった事もあり,戦略原潜を輸送船に改造するアイディアが出てくる素地は有ったと言えます.
しかし,海軍が運用コストの高さから手放す巨大原潜を,民間企業が運用して採算が取れる筈が無く,構想倒れに終わりました.



Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/11/9(金) 午後 9:19
ちょっと残念.
◆◆◆◆◆「ボレイ」型
【質問】
「ボレイ」型戦略原潜について教えられたし.
【回答】
★プロジェクト955「ボレイ」型戦略原潜
現用のプロジェクト677B(デルタ型)シリーズ及びプロジェクト941(タイフーン型)の後継となる第4世代の戦略原潜.
戦略弾道ミサイル12基を搭載する17,000tクラスの大型原潜.
1番艦ユーリー・ドルゴルキィ:1996年10月起工.2006年中に公試開始予定.885型多用途原潜よりも優先して工事が進められている模様.2006年の就役を目指していると言う.
2番艦アレクサンドル・ネフスキィ:2004年3月起工
3番艦ウラジミール・モノマーノフ:2006年3月起工
搭載弾道ミサイルは,当初予定していた「バルク」が発射実験に失敗して開発中止,代わりに地上用「トーポリM」の艦載型「ブラーワ」を作る事になり,2005年9月,ようやく発射実験に成功.
当初の設計では,同じ第4世代の885をベースにして戦略原潜化したような艦型だったが,搭載ミサイルの変更に伴い,建造中だった艦の設計も改められ,建造計画に遅延を生じた.
ロシア海軍は,将来も戦略原潜12隻体制を維持したい意向であり,2006年現在は,667BDRM(デルタIV)型×6隻,667BDR(デルタIII)型×6隻が維持されている.
(941(タイフーン)型も,いちおう3隻が在籍しては居るものの,もはや海洋核抑止力として機能しているとは言い難い)
このうち,667BDRMは順次改装工事が行われ,艦齢が35年程度に延長されており,2020年代までは現役に留まる.
一方の667BDRは,2010年代に入ると寿命を向かえ,次々と退役していく事になろう.
従って,戦略原潜12隻体制を維持したいのならば,「ボレイ」型は少なくとも6隻は建造する必要が有り,近い将来,4〜6番艦も順次起工されるものと思われる.
「ボレイ」型

これまで艦尾付近の写真しか出て来なかったロシア海軍最新鋭戦略原潜「ユーリー・ドルゴルキィ」ですが,艦全体の写真が出てきました.
写真で見ると,弾道ミサイル(SLBM)区画は盛り上がっては居るものの,現用の667BDRM(デルタIV)型や667BDR(デルタIII)型ほど極端ではなく,SLBM区画を中心に,艦首部分を除いた全体が多少盛り上がっており,その上にセイルが載っている格好になっています.
・・・・とりあえず,本艦の進水前に公表されていた完成予想図や完成模型は,すべて"Fake(フェイク)"だったわけですね(^^;



Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/5/7(月) 午後 7:09
なお,
http://www.sevmash.ru/?id=1749&lg=en
によれば,955型(ボレイ型)戦略原潜3番艦「ウラジミール・モノマーノフ」が3月19日にセヴェロドヴィンスク造船所で起工.
下の写真の手前右で,右手に何かを持っている人が,
ロシア海軍総司令官ウラジミール・マソリン大将です.

夏光華(シア・クァンファ) i n mixi
2007年4月15日の「ユーリー・ドルゴルキィ」進水の件について,イタル・タス通信の報道を抜粋
【弾道ミサイル原潜(PLARB)「ユーリー・ドルゴルキィ」は進水した】
モスクワ4月16日(イタル・タス)
によれば,潜水艦の総建造費用は230億ルーブル.
要目は全長170m,幅13.5m,潜航深度450m,乗員107名,弾道ミサイル「ブラヴァー」12基搭載.
ちなみに,モスクワ市が「ユーリー・ドルゴルキィ」の建造費用を援助している.
むろん,建造費全てをモスクワ市が出しているわけではありませんが・・・
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/4/16(月) 午後 7:53・改
【質問】
「ボレイ」型戦略原潜の建造予定は?
【回答】
以下の記事によれば,デルタIV型を代替する形で,8隻建造する予定だという.
ロシアは,2017年までに8隻の「ボレイ」型潜水艦を建造する
セヴェロドヴィンスク,4月15日(インタファックス-AVN)
「2017年までに,8隻のプロジェクト955「ボレイ」型戦略原子力潜水艦がロシア海軍に就航するでしょう」
連邦軍兵器調達部長(国防次官)アレクセイ・モスコフスキー陸軍上級大将は語った.
「軍備計画の下に,あと7隻の「ボレイ」型原子力ミサイル潜水艦が,2015年〜2017年までに建造される予定です」
モスコフスキーは,日曜日にセヴェロドヴィンスクにて報道陣を前に語った.
同型の潜水艦アレクサンドル・ネフスキーの建造は2009年,ウラジーミル・モノマーフの建造は2011年に終了する予定である,と彼は言った.
これら2隻の潜水艦は,それぞれ54パーセントおよび12パーセントの建造工程を終えている,と潜水艦を建造しているセヴマシュ・プレドプリャーチェの幹部はインタファックス-AVNに伝えた.
「ボレイ」型潜水艦は,667BDRM型(NATOコード名デルタIV)潜水艦を代替するだろう,とモスコフスキーは語った.
〔略〕
仮訳:Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/4/15(日) 午後 6:19
上の写真の人物が,アレクセイ・ミハイロヴィッチ・モスコフスキーАлексей
Михайлович Московскийです.
(大将時代の写真)

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/4/15(日) 午後 6:19
1番艦ユーリー・ドルゴルキィの進水式典(2007/4/15)に出席したロシア軍高官等から明らかにされた情報を纏めると・・・
[ユーリー・ドルゴルキィЮрий Долгорукий(1996年11月6日起工)]
2007年4月15日進水,2008年就役予定
[アレクサンドル・ネフスキーАлександр
Невский(2004年3月19日起工)]
2007年4月現在の完成度54パーセント,2009年就役予定
[ウラジーミル・モノマーフВладимир
Мономах(2006年3月19日起工)]
2007年4月現在の完成度12パーセント,2011年就役予定
この他,4番艦〜8番艦の建造が計画されており,2017年までに全て就役予定.
「ボレイ」型に搭載される弾道ミサイル「ブラーワ」の発射テストは6月より再開される予定.
ちなみに,1番艦ユーリー・ドルゴルキィの初代艦長は,コンスタンチン・ミトキン一佐だそうです.
今まで「ボレイ」型は12隻建造されると言われてきましたが,8隻で打ち止めになるのでしょうか.
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/4/15(日) 午後 8:04
まあ,ロシア海軍の他の新造艦艇の状況を鑑みるに,スケジュール通りいくとはとうてい思えないが.
戦略原潜の優先順位は高いだろうことを考慮しても.
【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍」:ロシア最新戦略原潜「ユーリー・ドルゴルキィ」,最終艤装段階へ
【質問】
「ボレイ型はポンプジェット推進」説の真偽は?
【回答】
〔下掲写真は,2007年〕4月15日に行なわれたユーリー・ドルゴルキィ進水式典の模様.
いまいち分かりにくかった艦尾付近が良く分かります.
この形は・・・・・(^^;



Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/4/18(水) 午後 7:23
〔下掲写真は〕ボレイ型戦略原潜の最新模型
どう見てもポンプジェット推進です(^^;
これまでに公表されていたボレイ型の模型(スクリュー1軸タイプ&スクリュー2軸タイプ)って一体・・・・(^^;


Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/4/17(火) 午後 8:46
【質問】
以下の記事のように,本当にボレイ型戦略原子力潜水艦の2番艦(アレクサンドル・ネフスキー)は太平洋艦隊に配備されるのか?
『朝鮮日報』より.
http://www.chosunonline.com/article/20070526000023
【世界第2位の海軍力誇る日本,戦略原潜の配備急ぐロシア】
(前略)
◆ロシア,戦略ミサイル原潜の建造に拍車
(中略)
これとともにロシア海軍は,戦略ミサイル原潜の建造に力を注いでいる.
ロシアは4月,ボレイ(北極の風)級原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルキィ」を進水させた.
この潜水艦の最も大きな特徴は3M14「ブラヴァー」大陸間弾道ミサイルだ.
射程距離8,000キロ,最大10個の核弾頭を搭載できる能力を持ち,米国のミサイル防衛(MD)網を無力化することができる.
現在ロシアは15年までに8隻のボレイ級原子力潜水艦を建造し,このうち09年に建造予定の「アレクサンドル・ネフスキー(中世ロシアの名将の名前)」を太平洋艦隊に配備するとしている.
モスクワ=権景福(クォン・ギョンボク)特派員
【回答】
そんな事は,ぶっちゃけ,ありえない(^^;
この文脈からすると,1番艦ユーリー・ドルゴルキィは北方艦隊に配備されるようですが,(当然だけど)就役したばかりの戦略潜水艦を,遠く離れた北方艦隊と太平洋艦隊に分散する事はありえない.
確かに,ソ連海軍においては,新型艦艇が就航すると,1番艦が北方艦隊,2番艦が太平洋艦隊に配備されるという「慣習」が存在したが,それは大型水上艦艇に限った事であり,潜水艦には当て嵌らない.
潜水艦,特に戦略原潜は,同型艦を揃えて運用しなければ戦力を発揮できない.
上記のように,ボレイ型は,「ブラヴァー」弾道ミサイルを初めとする各種新型装備を搭載する潜水艦であり,従来のロシア海軍の戦略原潜とは全く違う代物です.
そのような新鋭艦の2番艦だけを,インフラで劣る太平洋艦隊に配備するのは,大いに不安が有るでしょう.
ボレイ型は,北方艦隊の基地に近いセヴェロドヴィンスク造船所で建造されているので,少なくとも初期建造艦は,北方艦隊に置いておかないと,何か不具合が生じた時に対処できない.
現在,ロシア北方艦隊には,667BDRM(デルタIV)型及び941(タイフーン)型戦略原潜が所属しておりますが,近代化して現役に留まる667BDRMに対し,941型は早期退役が進み,現在では,もはや海洋核抑止戦力として機能しているとは言い難い.
さらに付け加えると,北方艦隊及び太平洋艦隊の弾道ミサイル輸送艦(給兵艦)の問題も有ります.
北方艦隊には,941型の弾道ミサイルに対応した「アレクサンドル・ブリキン」(11,440トン,1987年就役)が所属しているのに対し,太平洋艦隊には,それよりも一世代古い667BDR(デルタIII)型の弾道ミサイルにしか対応できない「ダウガーワ」(6,200トン,1981年就役)しか居ない.
弾道ミサイル原潜の基地には,予備の弾道ミサイルを運んで貯蔵しておく必要が有りますが,アレクサンドル・ブリキンはともかく,ダウガーワで新型のブラヴァーを輸送できるのでしょうか?
まさか,太平洋艦隊に配備されるアレクサンドル・ネフスキーは,自分でせっせとブラヴァーをルイバチーに運んで貯蔵するとでも?
ちなみに,弾道ミサイル輸送艦「アレクサンドル・ブリキン」は,現在,改装中です.
おそらくは,ブラヴァーを搭載できるようにする為でしょう.
というわけで,上記の記事は,権景福(クォン・ギョンボク)特派員とやらの誤解というか曲解でしょうね.
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/5/28(月) 午後 7:41
【珍説】
ロシア,最新ミサイル原潜基地カムチャッカ半島に建設
2007. 8/6
――新型ミサイル原潜『ユーリー・ドルゴルスキー』級,全隻配備.オホーツク海の核戦力,飛躍的増大へ――
ロシア海軍が最新の弾道ミサイル(SLBM)搭載原潜用の基地をカムチャッカ半島に建設する.
アナトリー・セジューコフ国防相,ウラジミール・マローシン海軍参謀総長がこのほど明らかにした.
核弾頭120発を装備する次世代原潜『ユーリー・ドルゴルキー』級,3隻すべてを配備する,まったくの新根拠地で太平洋を挟んで米西岸ワシントン州バンゴールに潜むライバルの『トライデント』ミサイル原潜と対峙する.
〔略〕
90億ルブールを投じ2~3年以内にSLBM積載最新原潜『ユーリー・ドルゴルキー』,『アレクサンドル・ネフスキー』,『ウラジミール・モノワクー』の三隻が常時,停泊する海軍基地を整備する.
〔略〕
プーチン政権のSLBM 戦力強化は欧米VS.ロシア艦の"新冷戦"が始まっている証拠に他ならない.
航空評論家・小河正義
【事実】
「ロシア国防相」が,新型ミサイル原潜を太平洋へ配備すると発言したという話は,以前にも出ました.
2回も話が出るくらいだから,海軍はともかく,国防省(国防相個人)としては,新型ミサイル原潜ボレイ型を太平洋艦隊にも配備したい意向が有る事は確かでしょう.
ちなみに,ロシア側報道(アルムス・タス)では
http://arms-tass.su/?page=article&aid=42300&cid=25
「今年中に太平洋艦隊で,最新型戦略潜水艦"ボレイ"の為の乗組員が育成される」
であって,『ユーリー・ドルゴルキー』,『アレクサンドル・ネフスキー』,『ウラジミール・モノワクー』の三隻を太平洋に持って来るなどとは,少なくとも,ロシア海軍総司令官ウラジーミル・マソリン上級大将は言ってない.
が,2ちゃんねる軍事板では,これ(ボレイ型3隻極東配備)を無条件で信じ込むヤツが多いようです.
そもそも,
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/23604402.html
でも取り上げているように,この「航空評論家・小河正義」は,話に尾びれを付けて大袈裟に騒ぎ立てる傾向があるのに,それを無条件で信じ込む2ちゃんねらーどもには,思考というものが無いようだ(笑)
第一,上の記事だけでは,ソースとするには,ちょっと弱いな.
やはりここは,ロシア側の「一次報道」記事を持ってきて欲しいわけだ.
例えば,「インタファクス」とか「RIAノーボスチ」とか「イタル・タス(アルムス・タス)」とか.
どうも2ちゃんねらーは,ロシア側の生の報道(一次報道)よりも,西側経由のバイアス掛かりまくりの記事の方を信じる傾向が強いようです.
そうか,道理で,2ちゃんねる軍事板には,ロシアに詳しい人が居ないわけだ(失笑)
〔略〕
彼らは,来年就役するユーリー・ドルゴルキーが,すぐに太平洋艦隊へ来ると思っているようです.
そういや,10年ほど前,当時就役したばかりの原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーが太平洋艦隊に配属されると報じられ,ボクも,ピョートル・ヴェリキーが来るのを楽しみしていたものだった.
しかし結局,ピョートル・ヴェリキーは北方艦隊に配属され,ボクはガッカリした.
今,ユーリー・ドルゴルキーが太平洋艦隊へ来ると思っている2ちゃんねらーどもは,10年前のボクと同じ・・・・・
ボクも,ユーリー・ドルゴルキーが太平洋艦隊へ来れば良いとは思うが,今のロシア海軍を取り巻く状況を考えると,それが実現する可能性は,ゼロに近い・・・
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/8/21(火) 午後 10:41
【質問】
今年の7月末,こんなニュースが報道されたが・・・
国防相が北方領土初視察 「原潜配備」牽制も
【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのイワノフ国防相は二十九日,極東視察の一環として北方領土(ロシア名・南クリール諸島)の択捉島を訪問した.
同国防相の北方領土訪問は初めて.同国防相はこれに先立ち,周辺海域をにらむロシア海軍の太平洋艦隊に対して,最新型の原子力潜水艦二隻を来年末から配備するなど,艦隊の近代化と増強を優先的に進める意向を明らかにした.
二十八日から五日間の日程で極東軍管区各地の視察を始めた国防相は,カムチャツカ州で,北方領土のロシア軍が「日本に敵対するものではない.部隊の削減も増強もしない」と述べた.
この訪問で,国防相は択捉島のブレベスニク航空基地などを視察する.
プーチン大統領の最側近の一人である国防相の北方領土初訪問は,十一月の大統領訪日をにらみ駐留部隊の装備や待遇の改善を約束して領土問題での譲歩の可能性を打ち消し,日本を牽制(けんせい)する意図があるとみられる.
このところ,パトルシェフ連邦保安局長官ら,ロシア高官による北方領土視察が続いていた.
また,国防相は北方領土視察に先立ち,来年末には最新型ミサイル原潜「ユーリー・ドルゴルーキー」を配備し,二年後には原潜「アレクサンドル・ネフスキー」の試験に入ると述べ,
これら最新型原潜に,同じく最新の多弾頭核ミサイルを搭載する計画であることを明らかにした.
http://www.sankei.co.jp/news/050730/morning/30pol002.htm
(現在はリンク切れで閲覧不能だが,サンケイの記事)
つまり,「ユーリー・ドルゴルーキー」「アレクサンドル・ネフスキー」の2隻(ボレイ型戦略ミサイル原潜)が太平洋艦隊に配備されるという事なのか?
【回答】
ぶっちゃけ,ありえない(^^;
この2隻は,現在,セーヴェロドヴィンスク造船所で建造中の最新鋭原潜だが,従来のデルタ型シリーズとはぜんぜん違う全くの新型を,
いきなり,建造場所から遠く離れた太平洋艦隊に配備なんかしたら,何か不具合が起こった時にどうするのか?
ボレイ型は,搭載する弾道ミサイルも全くの新型,フネそのものも,原子炉を始めとして,デルタ型シリーズとは全く違う.
同型に搭載される弾道ミサイル「ブラーワ」は,2005年9月末,ようやく試射に成功したが,これはタイフーン型を改造した艦からの発射であり,ボレイ型が就役すれば,今度は,同型でも発射実験を繰り返す必要が有るだろう.
他にも,新型原子炉や各種新型機器も,実際に航行してテストする必要が有ろう.
つまり,「ユーリー・ドルゴルーキー」が就役しても,まずは「テスト漬け」の日々を送ることになる.
常識的に考えて,そのような新型艦は,まず,建造場所に近い北方艦隊に配備して各種のテストを行うのではなかろうか?
そうすれば,何かトラブルが起こった場合でも,すぐに対処出来るだろう.
さらには,基地設備(インフラ)の問題も有る.
北方艦隊の原潜基地は,「ザパドナヤ・リッツァ」「ガジェーヴォ」の二ヶ所に集約されており,戦略原潜に関して言えば,ガジェーヴォにデルタIV型,ザパドナヤ・リッツァにタイフーン型戦略原潜が配備されているが,タイフーン型は早期退役が進んでいる.
ちなみにザパドナヤ・リッツァには,1980年代にタイフーン型原潜用の各種設備が建設された.
タイフーン型が退役すれば,せっかく多額の費用と人手を掛けて建設した基地施設が空いてしまう事になるので,ここにボレイ型を配備するのがいちばん合理的だろう.
あと,これもインフラに関連するが,ボレイ型が搭載する弾道ミサイル「ブラーワ」の輸送の問題も有る.
北方艦隊のザパドナヤ・リッツァにせよ,太平洋艦隊のルイバチーにせよ,現実には「陸の孤島」と言うべき状態で,基地を維持するには,海路か空路での補給が必要不可欠だ.
弾道ミサイル原潜の基地には,当然,予備の弾道ミサイルを備蓄する必要が有るが,これも,フネで運ぶしか無い.
そこで問題になってくるのが,両艦隊に配備されている弾道ミサイル補給艦の能力だ.
北方艦隊には,ミサイル給兵艦「アレクサンドル・ブリキン」(11,440t,1987年就役)が在籍する.
同艦は,941(タイフーン)型用のR-39(SS-N-20,90t)及び667BDRM(デルタIV)型用のR-29RM(SS-N-23,40.3t)を積載出来る能力を持つロシア海軍唯一の給兵艦.
これに対し太平洋艦隊には,ミサイル給兵艦「ダウガーヴァ」(6,200t,1981年就役)「ヴェトルーガ」(4,480t,1976年就役)の2隻が在籍しているが,これらは,R-39やR-29RMよりも古い667BDR(デルタIII)型用のR-29R(SS-N-18,35.3t)しか積載出来ない.
周知のように「ブラーワ」は,ICBM「トーポリM」(47.2t)を潜水艦発射用に手直ししたミサイルで,サイズ自体は,ベースとなった「トーポリM」よりは小型化されているようだ.R-39(SS-N-20)よりは「コンパクト」だろうが,R-29RM(SS-N-23)とほぼ同等,あるいは若干大型となっているものと推察される.
したがって「ブラーワ」は,北方艦隊の「アレクサンドル・ブリキン」には積載可能だが,太平洋艦隊の「ダウガーヴァ」「ヴェトルーガ」には積めないのではないか.
そうなると,ボレイ型を太平洋艦隊に配備するには,「アレクサンドル・ブリキン」も回航しなければならなくなる.
が,北方艦隊唯一の弾道ミサイル補給艦を極東に持っていったら,北方艦隊の戦略原潜はどうするのか?
それともボレイ型は,自分でせっせと弾道ミサイルを輸送し,基地に備蓄するとでも言うのか?(笑)
太平洋艦隊には,現在,デルタIII型が配備されているが,同型は1970年代末期に就役した艦で,北方艦隊のデルタIV型やタイフーン型よりも古い.
同型は,2010年代以降には艦齢に達し,退役していくコトになろう.
その代わりの戦略原潜が,ルイバチー(カムチャツカ半島に有る太平洋艦隊の原潜基地)に来るコトは,おそらく無いだろう.
ロシア海軍は,将来的には太平洋艦隊の戦略原潜部隊を廃止する意向と伝えられているし.
ちなみに,イワノフ国防相の略歴
http://www2.odn.ne.jp/~cae02800/russia/person/ivanov.htm
を見る限り,海軍について理解している人だとは,到底思えないんだけどねえ・・・・(笑)
・・・・というか,またサンケイお得意の,外国(中国とかロシアとか)の脅威を煽る記事にしか見えないんだけどねえ・・・・(笑)
▼ ちなみに,ユーリー・ドルゴルキィ(ボレイ型,2008年就役予定)の初代艦長はコンスタンチン・ミトキン一等海佐.(Капитан-1ранга"Константин
Митькин")
今年(2007年)で38歳になるそうです.
ユーリー・ドルゴルキィ進水前日(2007年4月14日),ロシア新聞『ロシースカヤ・ガゼータ』Российская
газетаに,コンスタンチン・ミトキン氏へのインタビューが掲載されました.
http://www.rg.ru/2007/04/14/a152900.html
この記事から,彼の経歴を纏めてみました.
コンスタンチン・ミトキンは,1969年,ドゥブナに生まれた.
両親は,ドゥブナ市に在る設計局「ラドゥーガ」および「ドゥブナ機械製造工場」で働いていた.
コンスタンチンは,1986年に中学校を卒業した.
コンスタンチンは,民間船の船員を志望しており,中学校卒業後は航海学校へ進学するつもりでいたが,
父親の助言により,海軍高等学校を受験し合格.
レニングラード市のフルンゼ名称海軍高等学校に入学した.
1991年に海軍高等学校を卒業後は,潜水艦乗りの道を選択し,重戦略原子力潜水艦(タイフーン型)で勤務した.
1993年にセヴェロドヴィンスク市で出会った女性と結婚.
1999年,TK-17「アルハンゲリスク」(タイフーン型)重戦略原子力潜水艦の戦闘班長を務める.
同年,海軍大学校入校.
2年後(2001年)に卒業後,再びTK-17で勤務.
2007年,コンスタンチン・ミトキンは,「ユーリー・ドルゴルキィ」艦長に任命された.
現在,コンスタンチン・ミトキン一等海佐に率いられるユーリー・ドルゴルキィ乗組員は,オブニンスク市の原子力潜水艦乗員訓練センターで訓練中である.
というわけで,コンスタンチン・ミトキン氏は,元々は海軍志望では無かったのですが,38歳で一等海佐(大佐),しかも最新鋭戦略原潜の艦長に抜擢されるくらいですから,ロシア海軍では高く評価されているようです.
なお,このインタビュー中で,次のようなやり取りが有りました.
[quote]
ロシースカヤ・ガゼータ:
モスクワ市が,あなたの艦を後援するそうですね. どのような援助を期待しますか?
ミトキン:
近い将来,「ユーリー・ドルゴルキィ」と私たちが赴かなければならない「ガジェーヴォ」Гаджиево
における乗組員と家族の為のアパートの修理及び改善です.
[/quote]
というわけで,2008年就役予定の「ユーリー・ドルゴルキィ」は,北方艦隊の原潜基地「ガジェーヴォ」に配備されるそうです.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/6746915.html
一部で,「ユーリー・ドルゴルキィ」は,太平洋艦隊(カムチャツカ)に配備されると言われていますが,それがガセである事は,このインタビューからも明白でしょう.
さらに,ロシア国防省公式サイトより
http://www.mil.ru/848/1045/1274/8948/8949/sf/19366/index.shtml?id=29953
2007年8月31日,北方艦隊基地において,「モスクワの日」を祝う行事が執り行なわれたという事ですが,この祭典には他の北方艦隊所属艦の艦長と共に,コンスタンチン・ミトキン一佐も出席しました.
この事からも,「ユーリー・ドルゴルキィ」の北方艦隊配備は確実です.
コンスタンチン・ミトキン

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/9/25(火) 午後 9:33▲
▼ さらに……
――――――
ロシア連邦海軍は,新世代原子力潜水艦のグループを創設する-海軍総司令官
モスクワ,7月25日(RIAノーボスチ)
金曜日,ロシア連邦海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー海軍大将は,RIAノーボスチに対し表明した.
〔略〕
極めて近い将来,北方艦隊の戦闘編制に,新型弾道ミサイル「ブラヴァーM」を装備するプロジェクト955原子力潜水巡洋艦の1番艦「ユーリー・ドルゴルキィ」の編入を計画すると報告された.
〔略〕
――――――
というわけで,今年就役予定の新型戦略原潜「ユーリー・ドルゴルキィ」は,北方艦隊へ配備される事が,ロシア海軍総司令官から明言されました.
一部で言われていた,「ユーリー・ドルゴルキィ」の太平洋艦隊配備の可能性は,これで完全に消えました.
まあ当ブログで以前に触れたように,「ユーリー・ドルゴルキィ」初代艦長が,昨年4月の時点で,同艦のガジェーヴォ(北方艦隊の原潜基地)配備を明言していたから,そんな可能性は最初から無かったんだけど(^^;
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/24971635.html
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/28192320.html
Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/7/27(日) 午前 7:44
▲
◆◆◆◆◆ラダ型
【質問】
ロシア海軍最新鋭潜水艦ラダ Lada 型の建造目的は?
【回答】
本型は1番艦 Sankt Petersburg が1997年に起工,2004年4月に進水した,最新の通常動力潜水艦で,2005年中に就役すると伝えられている.
ただし,2番艦以降の建造計画はないようで,1番艦も輸出用のデモンストレーターとの見方が強い.
輸出ヴァージョンはアムール Amur 型と呼ばれている.
同型は開発元のルビン設計局とアドミラルティ造船所にとっては重要な輸出商品で