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◆◆◆潜水艦隊編制
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ロシアFAQ目次

オレーニヤ基地

「ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課」
2010/1/6(水) 午後 6:51


 【link】

「六課」◆(2012/02/07)ロシア黒海艦隊は2017年に7隻の潜水艦を有する


 【質問】
 ソ連/ロシア潜水艦隊の編制は?

 【回答】
 最小単位は分隊.
 分隊には通常,潜水艦が2〜5隻編入される.
 分隊が2〜5個集まって,通常潜水艦の場合は旅団,原潜の場合は師団となる.潜水艦師団は原潜登場によって新たに生まれた単位である.
 以上は原則,同型艦より成る.

 1961年,最初の原潜師団である第3原潜師団(627/627A型,November型)が北方艦隊に編成され,同年,第31戦略原潜師団(658型;Hotel型)も編成された.
 以後,1963〜72年にかけて,攻撃原潜の師団が3個,巡航ミサイル原潜の師団が同艦隊に2個誕生.

 太平洋艦隊では,1961年,62年にそれぞれ原潜師団1個が新編.同艦隊司令官の直轄部隊となった.

 一方,複数タイプの潜水艦で構成される編成としては,
作戦・戦術レベルの潜水小艦隊,
作戦レベルの潜水中艦隊,
戦略レベルの潜水(大)艦隊がある.

 小艦隊は,第2次大戦後,狼群戦法を行うために編成された.
 原潜および通常潜水艦の隻数が増加すると,旅団や師団を基盤とする小艦隊の数も増え,旅団/師団と小艦隊から中艦隊が編成された.

 1961年,北方艦隊に629型戦略潜水艦と658型戦略原潜による第12戦略潜水艦小艦隊が編成され,北方艦隊司令官の直轄となった.
 これは1969年,第3中艦隊に再編された.
 1974年には,627A型の第17および第41原潜師団を基盤に,第11潜水中艦隊が編成された.
 70年代中期〜ソ連崩壊までは,第3・第11原潜中艦隊と第2潜水小艦隊が配置された.

 太平洋艦隊では1963年,2個原潜師団を基盤に第15潜水小艦隊が編成された.
 これは1973年,第2潜水中艦隊に再編成された.
 70年代中期〜ソ連崩壊までは,
第2原潜中艦隊(カムチャッカ,5個原潜師団),
第4原潜中艦隊(沿海地方ウラディミール湾,3個原潜師団),
第6潜水小艦隊(沿海地方コニュシコボ湾),
第1潜水旅団(ソビエツカヤガワニ),
第2潜水旅団(ウラディウォストーク)
んどがあった.

 1979年には,第29作戦原潜小艦隊(カムラン湾)が,太平洋南部〜インド洋における常備作戦任務を果たすために新編された.

 しかし現在は,
北方艦隊に原潜中艦隊,潜水艦旅団,各1,
太平洋艦隊に第16原潜小艦隊(カムチャッカ,2個師団)と第182旅団(カムチャッカ),第19旅団(ウラディウォストーク)
があるに過ぎない.

 戦略原潜は最初,艦隊司令官の直轄艦だったが,1960年代終期から総司令部隷下となり,中央指揮センターがその作戦任務を指揮していた.
 ただし,基地に停泊している時は,艦隊司令官や中艦隊司令官の管理下にあり,作戦任務のため埠頭を離れると指揮権は中央指揮センターに移った.
 なお,潜水小艦隊と潜水中艦隊の司令官は,専用の通信センターを持っていないため,潜水(大)艦隊司令官あるいは参謀長の指令部を経由しないと,命令を下すことができない.

 以上,ソースは「世界の艦船」2005年7月号,p.84-85(A. V. Polutov著述)より.


 【質問】
 ロシア海軍北方艦隊に所属する各種潜水艦の,部隊編制と配備基地は?

 【回答】
 2010.1.5現在,以下の通りです.

<第11潜水艦戦隊>
司令部:ロパトキナ

【ロパトキナ】
[第11潜水艦師団]
巡航ミサイル原潜K-410スモレンスク,K-266オリョール,K-119ヴォロネシ(修理中),K-148クラスノダール(予備役)<オスカーII級>
多用途原潜B-448タンボフ,B-388ソスノヴイ・ボル<ヴィクターIII級>

【アラ・グバ】
[第7潜水艦師団]
多用途原潜B-336プスコフ,B-534ニジーニー・ノヴゴロド<シエラII級>
多用途原潜B-276コストロマ(修理中)<シエラI級>
多用途原潜B-138ポリャールニイ・ゾーリ,B-414ダニル・モスコフスキー,B-292ペルミ(修理中)<ヴィクターIII級>


<第12潜水艦戦隊>
司令部:ガジェーヴォ

【ガジェーヴォ】
[第24潜水艦師団]
多用途原潜K-328レオパルト,K-157ヴェプリ,K-335ゲパルト,K-317パンテーラ,K-461ヴォルク,K-154チグル<アクラ級>

[第31潜水艦師団]
戦略ミサイル原潜K-51ヴェルホトゥーリエ,K-84エカテリンブルク,K-114トゥーラ,K-117ブリャンスク,K-18カレリア,K-407ノヴォモスコフスク(修理中)<デルタIV級>

【ニェールピチャ】
[第18潜水艦師団]
戦略ミサイル原潜TK-208ドミトリー・ドンスコイ,TK-17アルハンゲリスク(予備役),TK-20セヴェルスターリ(予備役)<タイフーン級>

【オレーニャ】
[第29独立潜水艦旅団]
特務原潜KS-129オレンブルク<デルタIII級>
特務原潜BS-64(改装中)<デルタIV級>
特務原潜AS-13,AS-15,AS-33<ユニフォーム級>
特務原潜AS-21,AS-23,AS-35<エックス・レイ級>
特務原潜AS-12<プロジェクト10831>

【ポリャールヌイ】
[第161潜水艦旅団]
潜水艦B-471マグニトゴルスク,B-808ヤロスラブリ,B-177リペツク,B-402ヴォログダ,B-401ノヴォシビルスク,B-459ウラジカフカース(修理中),B-800カルーガ(修理中)<キロ級>

 ただし,書類上はニェールピチャの第18潜水艦師団に所属しているタイフーン級原潜3隻は,実際にはセヴェロドヴィンスクに居ます.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/40653175.html

 特務原潜に改装中のBS-64も,セヴェロドヴィンスクに居ます.

 ポリャールヌイの第161潜水艦旅団は,コラ異種兵力小艦隊の指揮下にあります.

 2008年8月7日に就役した試験潜水艦B -90サロフは,上記の部隊の何れにも編入されておらず,セヴェロドヴィンスクに居ます.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/33567822.html

 2009年11月12日,ロシア大統領ドミトリー・メドベージェフが上下両院合同会議において年次教書演説を行なった際,ロシア軍は,2010年に「3隻の原子力潜水艦」を受領すると述べました.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/40360064.html

 3隻の原潜のタイプには言及しませんでしたが,ボレイ級戦略原潜は,就役後,ガジェーヴォへ配備されます.

 ヤーセン級原潜セヴェロドヴィンスクは,第11潜水艦師団(ロパトキナ)から乗員を集めている事から,ロパトキナへ配備される可能性が高いでしょう.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/40211682.html



「ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課」
2010/1/6(水) 午後 6:51


 【質問】
 ヴィデャエヴォ町とは?

 【回答】
 ムルマンスク州にある閉鎖行政領域体で,原潜基地.
 人口6,307人.
 町名は,第2次大戦中に活躍した,北方艦隊の潜水艦艦長,Ф. А. ヴィデャエフ(1912-1943)に因む.

 【参考ページ】
片桐俊浩『ロシアの旧秘密都市』(東洋書店,2010.6.20),p.14

【ぐんじさんぎょう】,2012/02/02 20:40
を加筆改修


 【質問】
 オレーニヤ湾基地について教えられたし.

 【回答】
 Olenya湾 ( Оленья Губа)は,「ザーパドナヤ・リッツァ」フィヨルドの中にある北方艦隊の原潜基地の一つ.[1]
 ムルマンスクの領域に含まれ,また,ガジェーヴォから4km南に位置する.[3]

 2009年現在、ロシア海軍北方艦隊所属,第29独立潜水艦旅団の配備基地となっている.[1]

 1961年に事故で沈没したヤンキー・ダブルシリンダー型(プロジェクト644型)潜水艦S-80の乗員の墓は,この近くの村にあるといわれている.[2]

 【参考ページ】
[1]http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/40679261.html
[2]http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%A1-80
[3]http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%9E%D0%BB%D0%B5%D0%BD%D1%8C%D1%8F_%D0%93%D1%83%D0%B1%D0%B0

【ぐんじさんぎょう】,2010/01/20 23:00
に加筆改修


 ロシア海軍北方艦隊基地オレーニヤ湾
Губа Оленья
は,ガジャーヴォ基地の南方に位置しています.

 ロシア海軍では,
Атомных подводных станций(原子力水中ステーション)
Атомная Подводная Лодка Специального Назначения(特殊任務原子力潜水艦)
に類別されている,特務原子力潜水艦の基地です.

 この画像〔都合により割愛〕では
・プロジェクト1910原子力水中ステーション(ユニフォーム型)Проект-1910
・プロジェクト09786特殊任務原子力潜水艦(デルタストレッチ型)KS-129「オレンブルク」
(Проект-09786 КС-129"Оренбург")
・プロジェクト1124M(グリシャV型) Проект-1124-М
が停泊しています.

 これらの艦は,特務原潜が,第29独立潜水艦旅団
29-я отдельная бригада подводных лодок
プロジェクト1124Mが,第270小型対潜艦大隊
270-й гвардейский дивизион малых противолодочных кораблей
に所属しています.

 KS-129「オレンブルク」は,デルタIII型(667BDR)戦略原子力潜水艦K-129として就役しましたが,1994年5月からズヴェズドーチカ工廠で「09786」改装を受け,特殊任務原子力潜水艦KS-129に変身しました.

 戦略原潜を改造した「特殊任務原子力潜水艦」は,KS-129の他,ヤンキー型を改造したKS-403,BS-411が有りましたが,退役しました.

 現在,デルタIV型戦略原潜K-64が,ズヴェズドーチカ工廠で「特殊任務原子力潜水艦」への改造工事中です.

(2007年6月15日の状態)
1枚目:オレーニヤ周辺

2枚目:オレーニヤ全景

3枚目:艦艇停泊地

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/6/30(月) 午後 5:12


 【質問】
 ロシア海軍北方艦隊の原子力潜水艦基地「ガジェーヴォ」について教えられたし.

 【回答】
 位置はムルマンスク市の北方です.

 旧名=私書箱名,ムルマンスク130.
 1956年6月,ディーゼル潜水艦基地として開設.
 現在も閉鎖行政領域体となっており,人口未公表.

 現在,ガジェーヴォ基地には,デルタIV級戦略ミサイル原潜,アクラ級多用途原潜が駐留しています.

<第31潜水艦師団>プロジェクト667BDRM(デルタIV級)戦略用途原子力水中巡洋艦
K-51ヴェルホトゥーリエ,K-84エカテリンブルク,K-117ブリャンスク,K-114トゥーラ,K-18カレリア,K-407ノヴォモスコフスク

<第24潜水艦師団>プロジェクト971(アクラ級)多用途原子力潜水艦
K-335ゲパルト,K-157ヴェプリ,K-154チグル,K-328レオパルト,K-461ヴォルク,K-317パンテラ

 2010.1.1,他の2秘密都市スネジノゴルスク,ポリャールヌイと統合し,「アレクサンドロフスク市」となりました.

「ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課」
2010/1/3(日) 午後 10:31

青文字:加筆改修部分

ガジェーヴォ基地

「ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課」
2010/1/6(水) 午後 6:51

 【参考ページ】
 加筆において,
片桐俊浩『ロシアの旧秘密都市』(東洋書店,2010.6.20),p.14
を参照した.


 【質問】
 グレミハ基地について教えてください.

 【回答】
 コラ半島東端に位置する潜水艦基地グレミハGremikhaは,ロシア北方艦隊の潜水艦基地としては最も新しく,1980年代初頭あたりから建設が始まったようです.

 1980年代半ばにフランスの民間衛星が発見するまで,その存在は西側には全く知られていませんでした.

 おそらくは,ソ連原子力潜水艦隊の拡張により,ムルマンスク地域周辺の潜水艦基地だけでは足りなくなると判断され,新たに建設されたものと推察されます.

 しかし,基地が完成してから間もなくソ連邦は解体され,原潜艦隊も大幅に縮小,従来の基地だけでも事足りるようになった為,現在グレミハ基地に駐留する潜水艦は居ません.

 現在は,除籍原潜の保管場所として使われているようです.

 グレミハ基地が置かれているのは,閉鎖行政地域オストロヴノイ市であり,同市の人口は,2005年で4,712人です.

http://www21.tok2.com/home/tokorozawa/faq/faq39m07g.jpg
http://www21.tok2.com/home/tokorozawa/faq/faq39m07g02.jpg

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜


 【質問】
 ザオジョルスク市とは?

 【回答】
 ノルウェー国境から約45kmの位置にある,ムルマンスク州の旧秘密都市であり,原潜基地.
 人口12,687人.
 私書箱名,ムルマンスク150.
 ノルウェー等の資金援助による,使用済み核燃料の廃棄場も存在.

 【参考ページ】
片桐俊浩『ロシアの旧秘密都市』(東洋書店,2010.6.20),p.14

【ぐんじさんぎょう】,2012/02/04 20:50
を加筆改修


 【質問】
 セヴェロモルスク市とは?

 【回答】
 ムルマンスク州にある旧秘密都市で,原潜基地.
 人口75,337人.
 市の管轄下に「セヴェロモルスク3」飛行場が置かれている他,管轄下にあるロスリャコヴォ町に,北方艦隊第82修理工場を擁する.

 【参考ページ】
片桐俊浩『ロシアの旧秘密都市』(東洋書店,2010.6.20),p.15

【ぐんじさんぎょう】,2012/02/07 20:00
を加筆改修


 【質問】
 ニェールピチャ湾基地とは?

 【回答】
 ニェールピチャ湾(Guba Nerpich'ya) は,「ザーパドナヤ・リッツァ」フィヨルドの中にある北方艦隊の原潜基地です.
「ザーパドナヤ・リッツァ」は,「ニェールピチャ」「ボリシャヤ・ロパトカ」「マラヤ・ロパトカ」の3つの湾で構成されるフィヨルドで,1960年代初頭から原子力潜水艦の基地として使用されております.[1]

 ニェールピチャ湾は,一般には「タイフーン型」として知られる941型戦略原子力潜水艦専用の原潜基地であり,1980年代に,同型を運用する為の各種設備が構築されました.
 941型原潜が入渠出来る大型の浮きドックも備え付けられています.[1]
 同基地には核廃棄物倉庫は小型のものしかありませんが,それは核廃棄物はAndreeva湾に転送されるためです.[3]

 東に6km行ったLisaフィヨルドの内側には,乗員やその家族が住む都市もあります.
 1980年代初めまで「Severomorsk-7」と呼ばれた,現在ではZaozerskと呼ばれる街がそれです.[3]

 今年就役予定の新世代戦略弾道ミサイル原潜ユーリー・ドルゴルキィ(ボレイ型)は,ガジェーヴォに配備されるとの事ですし,ボレイ型の数が揃って行けば,それと引き換えに,タイフーン型は除籍されて行く事でしょう・・・・
 近い将来,この基地は放棄されるかもしれません.[2]

 【参考ページ】
[1]http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/6665961.html
[2]http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/28076805.html
[3]http://www.globalsecurity.org/military/world/russia/nerpichya.htm

【ぐんじさんぎょう】,2010/01/17 23:00
に加筆改修


「ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課」
2010/1/6(水) 午後 6:51


 【質問】
 ポリャールヌイって何?

 【回答】
 ポリャールヌイ(Полярный,Polyarnyy)は北方艦隊のディーゼル潜水艦基地であり,原潜基地ガジェーヴォより南東に有ります.

 元はアレクサンドロフスクという名前の商業港で,1896年に開港しました.[3]

▼ 1930年代の北方艦隊の主力基地であり,1950年代末からはソ連北西部の領空防衛部隊が置かれ,現在はS-300を配備.[4]▲

 2009年現在,同基地には,「キロ」型のコード名で知られる877型ディーゼル潜水艦部隊「第161潜水艦旅団」が駐留しております.

 デルタ型(プロジェクト667B)原潜K-279が1976年3月,ポリャールヌイ修理工場で点検中に爆発事故を起こしていることから,原潜修理工場もある模様.[2]

 ちなみに,閉鎖行政地域ポリャールヌイ市の人口は,2005年で17,590人です.

 近郊には小さな空軍基地もあり,Su-27フランカー戦闘機が配備されています.[1]

▼ 2010.1.1,他の2秘密都市ガジェヴォ,スネジノゴルスクと統合し,「アレクサンドロフスク市」となりました.[4]▲

 【参考ページ】
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/6840793.html
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/30526893.html
[1]http://m3i.nobody.jp/military/satellite/rafmenu.html
[2]http://www.geocities.jp/aobamil/KL.html
[3]http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%9F%D0%BE%D0%BB%D1%8F%D1%80%D0%BD%D1%8B%D0%B9
[4]片桐俊浩『ロシアの旧秘密都市』(東洋書店,2010.6.20),p.15

faq39m20p.jpgへのリンク
faq39m20p02.jpgへのリンク
faq39m20p03.jpgへのリンク

【ぐんじさんぎょう】,2010/01/24 23:20
に加筆改修

 冷戦崩壊,ソ連崩壊後も軍事閉鎖都市が多数存在するのは驚かされますな.
 てっきりゴルビーの時代に消滅したと一昨年まで思っていましたが.

 まだインツーリストによる旅行案内に従うシステムは存在するし,シベリア鉄道も途中下車厳禁だし.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年01月22日 21:41


 【質問】
 ロパトキナ基地について教えられたし.

 【回答】
 北方艦隊の原潜基地ロパトキナ湾<Guba Lopatkina(「ボリシャヤ・ロパトカ」とも呼ばれる)は,「ザーパドナヤ・リッツァ」フィヨルドの中に有り,ニェールピチャ湾よりも北東に位置します.

 上の写真〔割愛〕では,
949A(オスカーII)型巡航ミサイル原潜4隻,
671RTM(ヴィクターIII)型多用途原潜3隻,
705K(アルファ)型攻撃原潜と思われる小型の原潜が2隻(おそらくはB-123とK-373)
写っております.
 これらの原子力潜水艦は「第11潜水艦師団」という部隊に所属しております.

 2000年8月に爆発事故を起こして沈没した巡航ミサイル原潜K-141「クルスク」も,このロパトキナ湾を母港としておりました.

 高速原潜705K型は,1990年代半ばまでに全て現役を退いたのですが,K-373(1979年就役)だけは係留保管され,2002年1月以降は「第11潜水艦師団」に移管,停泊試験艦として使われているようです.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2006/11/21(火) 午後 7:03

 以前も紹介した北方艦隊の原潜基地ロパトキナ湾<Guba Lopatkina(ボリシャヤ・ロパトカ)
 ここも先月,"Google Earth"画像が更新されました.

 以前は,
949A(オスカーII)型巡航ミサイル原潜×4隻
671RTM(ヴィクターIII)型多用途原潜×3隻
705K(アルファ)型攻撃原潜×2隻
が写っておりました.

 今回,更新された画像には
949A(オスカーII)型巡航ミサイル原潜×4隻
671RTM(ヴィクターIII)型多用途原潜×2隻
705K(アルファ)型攻撃原潜×1隻
が見えます.

 というわけで,以前より微妙に減っています.

 ここに写っているのは,以下の潜水艦です.

[第11潜水艦師団]
949A型:K-266オリョール,K-410スモレンスク,K-119ヴォロネシュ,K-148クラスノダール
671RTM型:B-138ポリャールニイ・ゾーリ,B-388ソスノヴイ・ボル
705K型:K-373(係留試験艦)

 アルファ型攻撃原潜K-373は,「退役」後もボリシャヤ・ロパトカ基地に留まり,係留試験艦として使われています.

1枚目:ボリシャヤ・ロパトカ基地


2枚目:原潜停泊地

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/1/5(土) 午後 9:49


 【質問】
 ロシア北方艦隊の潜水艦隊の現状は?

 【回答】
 かつてソ連邦時代には,原子力,通常動力合わせて多数の潜水艦を擁していた北方艦隊でしたが,ソ連解体後,その勢力は急激に減少していきました.

 しかし,数は減ったものの,今現在もなお,その戦力は強大と言って良いでしょう.

 まずは原子力潜水艦

【第11潜水艦戦隊】(司令官アレクサンドル・スメルコフ中将)

[第11潜水艦師団](ザーパドナヤ・リッツァ,ボリシャヤ・ロパツカ湾)
K-119ヴォロネシュ,K-266オリョール,K-410スモレンスク,K-148クラスノダール(予備役)
<949A(オスカーII)型巡航ミサイル原潜
B-138ポリャールニイ・ゾーリ,B-388ソスノヴイ・ボル<671RTM(ヴィクターIII)型多用途原潜
K-373(係留試験艦)<705K(アルファ)型攻撃原潜

[第18潜水艦師団](ザーパドナヤ・リッツァ,ニェールピチャ湾)
TK-208ドミトリー・ドンスコイ,TK-17アルハンゲリスク,TK-20セヴェルスタル<941(タイフーン)型戦略原潜

[第7潜水艦師団](ヴィジャエヴォ)
B-276コストロマ,B-336プスコフ,B-534ニジーニー・ノヴゴロド<945/945A(シエラ)型多用途原潜
B-292ペルム,B-414ダニル・モスコウスキー,B-448タンボフ<671RTM(ヴィクターIII)型多用途原潜

【第12潜水戦隊】(司令官ニコライ・マクシーモフ中将)

[第31潜水艦師団](ガジェーヴォ,ヤーゲリナヤ湾)
K-117ブリャンスク,K-51ヴァルホツリエ,K-84エカテリンブルク,K-114ツーラ,K-18カレリア,K-407ノヴォモスコウスク
<667BDRM(デルタIV)型戦略原潜)
K-496ボリソグレブスク,K-44リャザン(予備役)<667BDR(デルタIII)型戦略原潜

[第24潜水艦師団](ガジェーヴォ,ヤーゲリナヤ湾)
K-328レオパルト,K-461ヴォルク,K-154チグル,K-157ヴェプリ,K-335ゲパルト,K-480アク・バルス(予備役),K-317パンテーラ(予備役)
<971型(アクラ)多用途原潜

[第49潜水艦旅団](ガジェーヴォ,オレーニャ湾)
BS-411<09780(ヤンキー・ストレッチ)型特務原潜
AS-13,AS-14,AS-15<1910(ユニフォーム)型特務原潜
AS-12<1083.1(パルタス)型小型特務原潜
KS-129<667BDR(デルタストレッチ)型特務原潜


 戦略原潜の中核は,第31潜水艦師団の667BDRM型6隻という事になります.
 「タイフーン」のコード名で知られる重戦略原潜941型は,3隻が在籍しているものの,もはや海洋核抑止力として機能しているとは言い難い.
 戦略原潜の実働数は,667BDRM型と667BDR型を合わせた7隻と見るべきでしょう.

 長距離対艦巡航ミサイルを主兵装とする949A型原潜は,4隻が在籍しておりますが,1隻は予備役となっており,実働数は3隻です.
 北方艦隊には,2000年8月まで,949A型原潜がもう1隻居たのですが,同月に爆発事故を起こして沈没しました.これがK-141「クルスク」です.

 多用途原潜(攻撃原潜)は,3つのタイプが在籍しておりますが,主力は971型でり,旧ソ連海軍時代のワークホースだった671RTM型は,最盛期には16隻居たものの,現在では5隻にまで減勢しております.
 主力攻撃原潜である971型も,7隻が在籍しているものの,2隻は長期修理中であり,実働数は5隻です.
 この他,チタン製船体の原潜945型が3隻居ます.
 合計で15隻,実働数は13隻と言ったところでしょうか.

 この他,667BDRM型戦略原潜K-64「ウラジミール」が,BS-411の後継の特務原潜に改造中であり,改造完成後は,BS-64と改名されて再就役します.

 新型戦略原潜ボレイ型1番艦「ユーリー・ドルゴルキィ」は2007年就役予定であり,就役後は北方艦隊に配備されます.

 「アルファ」のコード名で知られた高速原潜705K型は,1990年代半ばまでに退役しましたが,K-373だけは第11潜水艦師団に所属しており,係留試験艦として使用されているようです.

 この他,「コラ小艦隊」には,北方艦隊唯一の通常動力潜水艦部隊が所属しております.

[第161潜水艦旅団]
B-401ノヴォシビルスク,B-459ウラジカフカース,B-471マグニトゴルスク,B-808ヤロスラブリ,B-177リペツク,B-402ヴォログダ,B-800カルーガ(予備役)
<877(キロ)型潜水艦
B-225(予備役)<641B(タンゴ)型潜水艦

 ディーゼル潜水艦8隻が在籍しているものの,実働数は6隻と見られます.ソ連邦時代に大量建造された641B型は,最後の1隻がいちおう在籍はしているものの,2001年12月以降は予備役となっており,除籍も時間の問題でしょう.

 ロシア海軍は,新型のディーゼル潜水艦「ラーダ」型を建造中ですが,こちらはバルト艦隊に優先的に配備されるらしく,北方艦隊は後回しにされるのではないでしょうか.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜,2006/12/16(土) 午後 8:47


 【質問】
 ロシア太平洋艦隊の潜水艦隊の現況は?

 【回答】
 ソヴィエト連邦海軍時代には,多数の原子力及び通常動力の潜水艦を擁し,日本のシーレーンに対する脅威と見られていた太平洋艦隊の潜水艦隊ですが,例によって,ソ連邦解体後は急激に戦力を減少させていきました.

 そして,現在の潜水艦勢力は,以下の通りです.

 まずは原子力潜水艦部隊.
 全てカムチャツカ半島のルイバチー基を母港としております.

「ミサイル原潜」(SSGN)は全て949A(オスカーII)型
「多用途原潜」(SSN)は全て971(アクラ)型
「戦略原潜」(SSBN)は全て667BDR(デルタIII)型です.

【第16潜水艦戦隊】

[第10潜水艦師団]
ミサイル原潜:K-132イルクーツク,K-456ヴィリュチュンスク,K186オムスク,K-150トムスク,K-183クラスノヤルスク,K-442チェリャビンスク
多用途原潜:K-391ブラーツク,K-331マガダン,K-419クズバス,K-295サマーラ,K-263バルナウル,K-322カシャロート,K-284アクラ

[第25潜水艦師団]
戦略原潜:K-223ポドルースク,K-211ペトロパヴロフスク・カムチャツキィ,K-433シヴァトイ・ゲオルギー・ポベドノノーセッツ,K-506ゼレノグラード

[保障船舶大隊]
ミサイル給兵艦ダウガーワ,工作艦BTB-6など

 この内,K-183クラスノヤルスク,K-442チェリャビンスク,K-263バルナウル,K-322カシャロート,K-284アクラは,オーバーホール待ちなどにより,即時作戦可能状態には無いようです.

 [第25潜水艦師団]の667BDR型戦略原潜は,「世界の艦船」誌などでは稼動状況に疑問が持たれておりますが,上記の4隻は稼動状態に維持されております.
 [保障船舶大隊]のミサイル給兵艦ダウガーワは,667BDR型の弾道ミサイルR-29R(SS-N-18)を輸送する為の特務艦艇です.

 次に,通常動力(ディーゼル)潜水艦(SSK)
 全て877(キロ)型です.
 こちらは沿海州方面とカムチャツカ方面に分かれています.

【プリモーリェ(沿海州)諸兵科連合小艦隊】
[第19潜水艦旅団](ウラジオストク市ウリス湾)
ディーゼル潜水艦B-445,B-187,B-260,B-345

【カムチャツカ小艦隊】
[第182独立潜水艦旅団](ペトロパヴロフスク・カムチャツキィ)
ディーゼル潜水艦B-494,B-190,B-394

 この他,ディーゼル潜水艦B-439がオーバーホール中となっております.
 [第19潜水艦旅団]所属のB-345(1994年就役)は,2002年と2006年の二度に渡って日本を訪問しております.
 太平洋艦隊の877型は,この他にも5隻有ったのですが,2001年〜2002年に相次いで除籍されました.

 つまり,太平洋艦隊の即時作戦可能状態に有る潜水艦は,
戦略原潜4隻,
ミサイル原潜4隻,
多用途原潜4隻,
ディーゼル潜水艦7隻
の計19隻という事になります.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜,2006/11/12(日) 午後 11:08


 【質問】
 ヴィリュチンスク市とは?

 【回答】
 カムチャツカ地方にある旧秘密都市であり,ロシア太平洋艦隊戦略原潜の最大の拠点.
 人口,24,166人.
 旧名,というか私書箱名,ペトロパヴロフスク=カムチャツキイ50.
 原潜修理工場「北東修理センター」があり,また,ソ連が発射したミサイルの模擬弾頭や宇宙機器の回収を,海上で行うための船団の,活動拠点でもあった.

 【参考ページ】
片桐俊浩『ロシアの旧秘密都市』(東洋書店,2010.6.20),p.11

【ぐんじさんぎょう】,2012/02/01 20:40
を加筆改修

▼ 【追記】
 『ロシア通信社ノーボスチ』より

--------------------------------------------------------------------------------
【ヴィリュチンスク原潜基地の更新はスケジュール通りであるとプーチンは確言した】
モスクワ,12月13日-ロシア通信社ノーボスチ

 ヴィリュチンスク(カムチャッカ)における原子力潜水艦基地の更新は続けられている.
 ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは表明した.

 そこ(ヴィリュチンスク)には,太平洋艦隊の全ての原子力潜水艦の主要基地が所在する.
 現在,ヴィリュチンスクで進行中の近代化は,原子力潜水艦「ボレイ」型及び「ヤーセン」型を駐留させるための作業である.
 これら(の原子力潜水艦)は,来年に軍備採用されるだろう.

「ロシアは,我々の原子力潜水艦の為に,ちょうど2つの基地を必要としております〜ヨーロッパ方面と極東で.
 領域を確保し,我々の安全を保障する非常に協力でバランスのとれた国を作る事が必要です.
 これらの遠く離れた2つのセンターは,軍事戦略的見地から非常に重要であります」
 木曜日,プーチン氏は,立法議会の会議において話した.

 彼は,原子力潜水艦隊が発展する事を強調し,国家防衛力強化プログラムの枠組み内において,陸軍と海軍の軍備は更新され,新たな原子力ロケット艦が受領される.

「ヴィリュチンスク基地を含む装備更新計画は,全てスケジュール通りに進んでおります」
 プーチン氏は強調した.

更に,基地の海軍将兵の家庭の生活環境は改善されていると大統領は付け加えた.
(2012年12月13日17時06分配信)
--------------------------------------------------------------------------------

 カムチャツカ半島のペトロパブロフスク-カムチャツキー湾内にあるヴィリュチンスクには,ロシア太平洋艦隊の原子力潜水艦が配備されています.

 現在は,3タイプで計13隻の原子力潜水艦が配備されています.
(ただし,修理の為,沿海地方へ回航されている艦も有ります)

・プロジェクト667BDR(デルタIII級)原子力戦略用途水中巡洋艦×3隻
K-223「ポドリスク」
K-433「シヴィャトイ・ゲオルギー・ポベドノーセッツ」
K-44「リャザン」

・プロジェクト949A(オスカーII級)原子力水中巡洋艦×5隻
K-132「イルクーツク」
K-442「チェリャビンスク」
K-456「トヴェリ」
K-186「オムスク」
K-150「トムスク」

・プロジェクト971(アクラ級)原子力巡洋潜水艦×5隻
K-263「バルナウル」
K-322「カシャロート」
K-391「ブラーツク」
K-331「マガダン」
K-419「クズバス」

 将来的には,新世代の原子力潜水艦「ボレイ」級及び「ヤーセン」級が配備されます.

 ヴィリュチンスクでは,新世代原潜を配備する為の然るべきインフラ整備が行なわれます.
[カムチャツカ半島の基地設備はボレイ級戦略原潜に適していない]
[ボレイ級戦略原潜の為,カムチャツカ半島に新たな設備が建設される]

 2012年9月5日のヴィリュチンスク基地の画像を見ると,左端の原潜用桟橋に何かが増設されています.

 2010年4月17日の画像には見当たりませんから,この2年で増設されたようです.

 最初に太平洋艦隊へ配備される「ボレイ」級戦略原潜は,「アレクサンドル・ネフスキー」になります.
[2014年にロシア太平洋艦隊へ新世代戦略原潜ボレイ級が配備される]
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは2013年に就役する]

 「ヤーセン」級多用途原潜は,現在のところ,太平洋艦隊配備の具体的な計画は有りません.
 1番艦「セヴェロドヴィンスク」は北方艦隊へ配属されます.
 ただ,将来的には7,8隻以上の建造が予定されている「ヤーセン」級原潜の何隻かは太平洋艦隊へ配備されるでしょう.

 『ロシースカヤ・ガゼータ』より.
2012年2月20日配信
ウラジーミル・プーチン寄稿論文
【強くあれ:ロシアの為の確実な国家安全保障】

 この論文の中でプーチン氏は,「ボレイ」級戦略原潜と,同級のカムチャツカ半島への配備に言及しています.

「2002年当時の参謀総長は覚えている.むろん,良い印象ではなかったが.
 彼は,カムチャツカに配備されている全ての戦略潜水艦の撤収を提案してきたのだ.
 だが,それでは,我々は太平洋における海洋核戦力を失ってしまう.
 私は,そのような決断を下さなかった」
「そして今,我々は,すぐにでも新世代潜水艦ボレイ型が戦闘当直を実施できる最新の基地をヴィリュチュンスクに有している」
(註:「最新の基地」はプーチン氏の勘違いであり,実際には,福利厚生の為の施設がヴィリュチュンスクに建設された)

 更にプーチン氏は,今後10年で「8隻の戦略用途ロケット水中巡洋艦」「約20隻の多用途潜水艦」「約50隻の水上戦闘艦」を取得するとも述べています.

 プーチン大統領は,今年7月末,2020年までに51隻の水上艦と24隻の潜水艦を取得すると発言しています.
[ロシア海軍は2020年までに51隻の新型水上艦と24隻の新型潜水艦を取得する]

新「六課」,2012/02/14


 【質問】
 ボリショイ・カメニ市とは?

 【回答】
 沿海地方にある旧秘密都市で,人口39,356人.
 「スヴェズダ」船舶修理工場の所在地であり,造船所もある.
 ソ連崩壊後の1990年代,同工場では事実上唯一の顧客であった,ソ連政府からの注文が途絶えたため,操業に行き詰まり,労働者への給料未払いが常態化する事態に陥っていた.
 1997年にロシア人ジャーナリストによって問題が暴かれるまでは,放射性廃棄物を日本海に投棄する拠点だった.
 日本政府は老朽原潜解体を支援すべく,同工場に資金を拠出している.

 【参考ページ】
片桐俊浩『ロシアの旧秘密都市』(東洋書店,2010.6.20),p.15 & 56

【ぐんじさんぎょう】,2012/02/09 20:10
を加筆改修


 【質問】
 ルチバイエ海軍基地における将兵の生活状況は?

 【回答】
 アンナ・ポリトコフスカヤを信頼するならば,劣悪.
 水兵服は着古され,ベストはくたびれ,帽子は色褪せている.

 原潜「ヴィリュチンスク」艦長アレクセイ・ジーキイ大佐の家は,階段の吹き抜けの壁も剥がれているような,老朽化した将校用宿舎.
 町には娯楽施設もほとんど皆無.
 駐屯地の子供たちにあるものといえば,薄汚い中庭と,ビデオ観賞室だけ.備品はアニメ映画のビデオ数本.

 給与は貧困レベル.しかも遅配する.
 半年遅配も度々.
 夫人は放射化学専門家だが,軍関係者以外は入れない町に住んでいるため,職に空きがない.
 大佐は潜水艦内での食事を食べずに自宅に持ち帰り,家族と分け合っており,栄養失調状態にある.
 将校の多くは副業で家計を支えているが,艦長職ではそんな時間も持てない.
 将校同士で融通し合って辛うじて凌いでいる.
 中には不法な闇商売で金を稼ぐ,裕福な将校もいる.

 カムチャッカ小艦隊司令官ヴァレーリー・ドローギン少将は,海軍歴33年で,月給は3600ルーブル(100ドル強).
 年金を合わせて,やっと5000ルーブル足らずとなる.
 ちなみにペドロパヴロフスク・カムチャツキイのバス運転手は月収6000ルーブル.
 彼の住居もやはり将校用宿舎.ボイラーがなく,部屋には湯は出ず,部屋には隙間風が吹く.
 ダーチャの個人菜園の野菜で,少将の家族は冬を乗り切っている.

 基地は資金不足により,将校を送迎するための車のガソリンを買う金もない.
 地元のパン工場に対しては,ツケが溜まっており,食卓からパンがいつなくなっても不思議ではない.

 彼らの忠誠心の対象は母国であって,モスクワ政府ではない.

 詳しくは,アンナ・ポリトコフスカヤ著『プーチニズム』(日本放送出版協会,2005/6/25),p.169-190を参照されたし.

 もし日本で,すりきれた服を着ているロシア海軍潜水艦乗員を見かけたら,ウォッカの一杯でも奢ってやってください.


 【珍説】
ロシア海軍原潜,夜間浮上航行.宗谷岬西方海上で 2007. 8/21

ー哨戒中の海上自衛隊ロッキードP3C『オライオン』発見.日本周辺海域で今年初ー

 ロシア海軍の攻撃型原子力潜水艦が日本周辺海域で夜間浮上航行しているのが探知された.
 原潜は行動を秘匿するのが原則.
 今回,わざわざ浮上航行したのはロシア空軍戦略爆撃機の地球規模での常時,哨戒飛行飛行再開命令と呼応した海軍の対外示威行動の可能性が強い.
 〔以下略〕

航空評論家・小河正義

 【事実】
 ロシア海軍原潜が今回「わざわざ浮上航行した」のは,沿海州ボリショイ・カーメニ市に回航し,ズヴェズダー工廠で修理する為だと思われますが(笑)

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/8/21(火) 午後 10:09

▼ 以下,防衛省統合幕僚監部公式サイトより.

ロシア海軍艦艇の動向について
http://www.mod.go.jp/jso/press/p20070820.pdf

 海自第2航空群(八戸基地)所属「P-3C」および海自第25護衛隊(大湊)所属「じんつう」は,8月19日(日)午後23時頃,宗谷岬北西50kmの海域を西進するロシア海軍のKASHTAN級設標艦及びAKULA級原潜1隻を確認した.

[/quote]

 カムチャツカに駐留している971(アクラ)型原潜が,宗谷岬沖を「西進する」という事は,沿海州ボリショイ・カーメニ市に回航し,ズヴェズダー工廠で修理するのでしょう.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/8/20(月) 午後 11:14

 以前にも,浮きドックに載せられたロシア海軍原潜や,浮上航行するロシア海軍戦略原潜が,宗谷岬沖を西方へ向かう姿は何度も海上自衛隊が目撃しているぞ.

 ここまで尾びれを付けて大袈裟に騒ぎ立てる「評論家」って一体・・・・

 しかも,全く関係ない「ロシア戦略爆撃機の常時パトロール飛行再開の動き」と結び付けるとは・・・

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/8/21(火) 午後 10:09


 【質問】
 ロシア太平洋艦隊のディーゼル潜水艦の配備状況は?

 【回答】
 ロシア太平洋艦隊に在籍する「ディーゼル電気推進対潜潜水艦(SSK)」
(Дизель-Электрическая Подводная Лодка)
について,もう一度おさらいしてみましょう.

 現在,ロシア太平洋艦隊には,プロジェクト877(キロ級)ディーゼル潜水艦9隻が在籍しており,沿海州方面の第19潜水艦旅団とカムチャツカ方面の第182潜水艦旅団に配備されています.
 この9隻は,全て極東地域コムソモリスク・ナ・アムーレ市にあるアムール造船所で建造されました.

【第19潜水艦旅団(19-ой БрПЛ<Бригада Подводных Лодок)】
(ウラジオストク港ウリス湾)

・B-260「チタ」(Б-260"Чита")
1981年2月22日起工,9月16日進水,12月30日就役
1982年,太平洋艦隊配属

・B-439(Б-439) ※上の写真1枚目
1986年4月4日起工,7月31日進水,12月30日就役
1987年,太平洋艦隊配属
ウラジオストク市「ダーリ・ザヴォート」でオーバーホール中

・B-187(Б-187)
1991年5月7日起工,10月5日進水,12月30日就役
1992年,太平洋艦隊配属
近い内にオーバーホール予定

・B-190「クラスノカメンスク」(Б-190"Краснокаменск")
1992年5月8日起工,9月25日進水,12月30日就役
1993年,太平洋艦隊配属

・B-345(Б-345)
1993年4月22日起工,10月6日進水,1994年1月22日就役
1994年,太平洋艦隊配属

▼・B-464「ウスチィ・カムチャツスク」(Б-464"Усть-Камчатск")
1989年5月26日起工,9月23日進水,1990年1月30日就役
1991年,太平洋艦隊配属
 太平洋艦隊の再編制の一環として,2011.12.1付で,第182潜水艦旅団から転属.

【第182潜水艦旅団(182-ой БрПЛ)】
(ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港)

・B-445(Б-445)
1987年3月21日起工,9月26日進水,1988年1月30日就役
1988年,太平洋艦隊配属
近い内にオーバーホール予定

・B-394(Б-394)
1988年4月15日起工,9月3日進水,12月30日就役
1989年,太平洋艦隊配属

・B-464「ウスチィ・カムチャツスク」(Б-464"Усть-Камчатск")
1989年5月26日起工,9月23日進水,1990年1月30日就役
1991年,太平洋艦隊配属
近い内にオーバーホール予定

・B-494「ウスチィ・ボリシェレツェク」(Б-494"Усть-Большерецк")
1990年5月5日起工,10月4日進水,12月30日就役
1991年,太平洋艦隊配属

 〔略〕

 ところで,これら潜水艦は全て,起工から1年も経たずに就役まで漕ぎ着けています.
 恐るべき建造スピードです(^^;

 太平洋艦隊には,上記の9隻以外にも,5隻の877型潜水艦が配備されたのですが,2001〜2005年に除籍されました.

・B-248(第19潜水艦旅団へ配属)
1980年3月16日起工,9月12日進水,12月31日就役
2001年除籍,のちスクラップとして中国へ売却

・B-229(第182潜水艦旅団へ配属)
1983年2月23日起工,7月15日進水,10月30日就役
2002年6月除籍

・B-404(第182潜水艦旅団へ配属)
1983年5月7日起工,9月24日進水,12月30日就役
2002年10月除籍

・B-405(第182潜水艦旅団へ配属)
1984年4月20日起工,9月21日進水,12月30日就役
1998年から予備役保管,2002年10月除籍,2007年解体

・B-470(第182潜水艦旅団へ配属)
1985年5月6日起工,8月27日進水,12月30日就役
2003年からオーバーホールに取り掛かる予定だったが中止
2005年除籍,2007年解体

 つまり,「最盛期」には,沿海州方面に6隻,カムチャツカ方面に8隻,計14隻の877型潜水艦が配備されていたわけです.
 ロシア太平洋艦隊のSSKは,「増強」どころか「減少」しているのですよ.

B-439

B-345

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/2/6(水) 午後 11:03

ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課
2011/12/1(木) 午後 9:25
(2011.12.28更新分)


 【珍説】
[露太平洋艦隊増強「恐れるのは中国」 英国際戦略研]
2月5日20時32分配信 産経新聞

【ロンドン=木村正人】

 英国の国際戦略研究所(IISS)は5日,世界の軍事力を分析した年次報告書「ミリタリー・バランス2008」を発表.
 ロシア海軍で太平洋上の作戦を担当する太平洋艦隊に,この1年間に戦術潜水艦8隻が増強されたことが分かった.
 IISSの軍事専門家は「太平洋でロシアが恐れるのは米国ではない.中国だ」と極東の海軍力が急に強化された理由を分析した.

 〔略〕
 報告書によると,太平洋艦隊の弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(SSBN)は4隻.巡航ミサイル搭載型などの原潜(SSN/SSGN)が10隻,ディーゼル電気推進対潜潜水艦(SSK)は9隻で計23隻だった.
 07年版(潜水艦計15隻)と比べると,米国を攻撃目標とする戦略潜水艦のSSBNの増減はなかった.
 一方,中国など周辺国を対象にする戦術潜水艦のSSN/SSGNは1隻減ったものの,SSKは新たに9隻が配置されていた.
 〔略〕

 【事実】
 ・・・・・1998年以降,太平洋艦隊に新たな潜水艦は配備されていませんが(失笑)

 ちなみに,ロシア太平洋艦隊に「在籍」する「戦術潜水艦」全リスト.
 上記ニュースと原潜の隻数が違っていますが,これは,「ミリタリー・バランス」が,稼働状態にあると見られているロシア潜水艦しかカウントしていないからです.

・巡航ミサイル原潜(セヴェロドヴィンスクで建造され,極東へ回航)
K-173クラスノヤルスク:1986年12月31日就役,1991年極東回航(予備役)
K-132イルクーツク:1988年12月30日就役,1990年極東回航
K-442チェリャビンスク:1990年12月28日就役,1991年極東回航
K-456ヴィリュチュンスク:1992年8月18日就役,1993年極東回航
K-186オムスク:1993年12月10日就役,1994年極東回航
K-150トムスク:1996年12月30日就役,1998年極東回航

・攻撃原潜(極東で建造され,そのまま太平洋艦隊へ配備)
K-284アクラ:1984年12月30日就役(予備役)
K-263バルナウル:1987年12月30日就役
K-322カシャロート:1988年12月30日就役
K-391ブラーツク:1989年12月29日就役
K-331マガダン:1990年12月30日就役
K-419クズバス:1992年12月30日就役
K-295サマーラ:1995年7月17日就役

・ディーゼル電気推進対潜潜水艦(極東で建造され,そのまま太平洋艦隊へ配備)
B-260「チタ」:1981年12月30日就役
B-439:1986年12月30日就役(オーバーホール中)
B-445:1988年1月30日就役
B-394:1988年12月30日就役
B-464「ウスチ・カムチャツスク」:1990年1月30日就役
B-494「ウスチ・ボリシェレツク」 :1990年12月30日就役
B-187:1991年12月30日就役
B-190「クラスノカメンスク」:1992年12月30日就役
B-345:1994年1月22日就役

 まあここで問題になるのは,SSK(ディーゼル電気推進対潜潜水艦)だけであり,巡航ミサイル原潜と攻撃原潜のリストを掲載する必要は無いんだけど(笑)

 で,現有SSK「9隻」(キロ型)は,上記の通り,1990年代から太平洋艦隊へ配備されています.

 いちばん最後に配備されたSSKは,1994年就役のB-345であり,これとて,もう14年前の事です.
 以後,ロシア太平洋艦隊のSSKは減る一方であり,最も新しいタイプである877型(キロ型)すら,既に5隻が除籍され,一部は解体されている有様です.
(下の写真参照)

 しかも,上記リストの「戦術潜水艦」で,沿海州方面(ウラジオストク)に配備されている艦は,SSKの
B-260「チタ」,
B-439,
B-445,
B-187,
B-345
の5隻だけ.
(この内,B-439は長期修理中)
(ウラジオストクの877型)

 あとは全て(原潜を含め)カムチャツカ方面に配備されています.
 これが中国を対象とする,と主張するのは,かなり苦しいのでは?(笑)

 まあソ連邦時代は,中国は仮想敵国だった事もあってか,沿海州方面にも弾道ミサイル原潜や攻撃原潜を含め,多数の潜水艦が配備されていたものでしたが.それもソ連邦解体後,次々と除籍されて行き,その穴は埋められる事は無かった.

 現在,除籍原潜の保管場所となっている沿海州パヴロフスキー湾は,1990年代までは原潜基地でした.
(http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/20567919.html参照)

 つーか,仮に「英国の国際戦略研究所」(産経新聞)の言う通りだとすると,ロシア太平洋艦隊は2007年初頭までSSKがゼロだった事になりますが(爆笑)

 産経の馬鹿っぷりは今年も健在であり,それどころか,ますます磨きが掛かっているようです(爆笑)

 あと,Англичанин(英国人)の馬鹿っぷりも,実に素晴らしい.
 「IISSの軍事専門家」とやらは,マトモに情報収集する事も,分析する事も出来ないらしい(笑)

2002年及び2005年に除籍され,解体中の877型潜水艦B-405とB-470

http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/29008208.html
2008/2/5(火) 午後 11:41


 【質問】
 バラクラヴァ基地とは?

 【回答】
 セヴァストポリ南方にあった海軍基地.
 海上に岩山が突き出たような地形をしており,1950年代後半から1960年代にかけ,半水中式の大型トンネルの形をした基地が建設された.
 建設に当たっては,モスクワで地下鉄建設を行っていた技術者が動員された.
 トンネル内部には,原潜複数が同時に停泊できるスペースがある.
 核攻撃を受けた場合は,このトンネルは外部との出入り口を閉じ,原潜乗員とその家族が3ヶ月間,内部で暮らせるようになっていた.
 秘密都市だったが,現在は開放され,旧秘密基地は博物館となっている.
 ガイド付のツアーに応募すれば,トンネル内部を訪問することができる.

 【参考ページ】
片桐俊浩『ロシアの旧秘密都市』(東洋書店,2010.6.20),p.15

【ぐんじさんぎょう】,2012/02/10 20:10
を加筆改修


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